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その患者は、2週間前県外の他院で不穏状態・意識障害となったので、尿検査をしたところアンフェタミン強陽性だったのですが、その後のCTで脳内血腫があり手術が行われ、リハビリのため地元である当院に紹介となりました。前医では覚醒剤使用に関して通報義務がないので、警察には知らせていないとの返事でした。当院入院時にもアンフェタミン尿検査を提出しその結果はまだ出ておりませんが、このような場合、本当に医師は警察への通報義務はないのでしょうか?最近施行された個人情報保護法案など医師の患者情報守秘義務との関連はどうでしょうか。

A 回答 (3件)

刑事訴訟法第239条第1項では「何人でも犯罪があると思料するときは、告発をすることができる」とあり、捜査機関に対して犯罪事実を申告し告発することは個人情報の保護にはあたりませんし、医師の守秘義務にも反しません。


一般に、医師であろうが一般人であろうが、「告発をすることができる」と言うだけで、通報義務や告発義務はありません。
ただし、国立または自治体等公立の病院の医師に関しては医師である以前に公務員であるため、刑事訴訟法第239条第2項の規定により「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」と告発義務が課せられていますので、医師に限らず看護職でも「犯罪があると思料する」場合には告発義務が生じます。
しかしこの場合にも、検体は患者さんのものであり(死亡しても)、医師が治療・検査目的以外にそれを使用することはできませんので、告発時または告発後において任意に捜査機関への試料提出は問題が生じます。患者さんの承諾を取り再採尿か捜査機関の法的な手続き(裁判所の令状)をとってもらう以外、患者さんの身体から再度検体を採取すべきではありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2005/05/09 22:02

専門家では、ないのではっきりしたことは、わかりませんが、守秘義務というのは、犯罪だとわかっていても、警察へ通報しないのが守秘義務に反するとは、思いません。



覚せい剤使用者というのは、マスコミ等でも報道されていますが、殺人事件等の重大事件に発展するおそれがあるのでは、ないでしょうか?

もし、この患者さんが退院後、重大事件を起こした場合!
病院は、覚せい剤を使用していたことがわかっていて、何と説明するのでしょうか?

個人のプライバシーという保護法益と犯罪を未然に防止するという法益と比較権衡することにより、公共の福祉に反しない限り、よろしいかと思います。

但し、覚せい剤反応が出たとしても、法律の除外自由があれば別ですが、病院であれば、おわかりかと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。大変参考になりました。他の方が教えて下さる内容からすると、告発の義務はないが、告発できなくはない、と解釈しました。

となると、ご指摘の通り、患者が覚醒剤を使用していたということを医師・病院は知っていたにも関わらず、警察に通報するなど適切な対応を取っていなかったために、例えば入院中に暴力団関係者が病院内で事件を起こした場合、社会的(マスコミ)にバッシングを受ける可能性はあると思われますね。

ただ、医療を行う立場から言えば、患者の健康状態の向上を最優先したいので、警察に通報することによって、それが阻害されることも避けたいところです。

現実的に対応が難しいところです。

お礼日時:2005/05/09 22:10

医師法の内容及び他の法律との識別を問う国試問題によれば



×(4)覚醒剤を所持している患者を診察したときは警察に届け出る。
    (覚せい剤取締法に規定なし:治療・研究での使用を規定)


H14-I-1? 17歳の男子。オートバイ走行中に乗用車と接触し、救急車で来院した。右大腿骨の骨折を認めるが、意識は清明。翌日、警察からアルコールと覚せい剤の検査のため、来院当日の患者の血液と尿の提出を求められた。
 最も適切な対応はどれか。
×a 求めに応じて提出する。
△b 患者の承諾を得て提出する。
×c 患者の両親の許可を得て提出する。
×d 病院長の許可を得て提出する。
△e 裁判所に令状を要求する。


http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/topics/koku1.html
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
医師国家試験の過去問に既に同様のケースが出たことがあったのですね。
恥ずかしながら知りませんでした。
大変、参考になりました。

ただ、他の方の回答に対するお礼でも申し上げましたが、実際その場に遭遇すると、現実的にはどのような対応をするのがベストなのだろうかといろいろと考えさせられるのも事実です。

お礼日時:2005/05/09 22:20

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