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今、娘がオーウェルの『動物農場』を勉強しています。
これはロシア革命を動物に置き換えて風刺した作品ですが、では現代の世界において、『動物農場』で描かれた状況と同じような状況に置かれている、あるいは置かれていた国はあるでしょうか?あるとすればどこが一番状況的に似ていると思われますか?中国や北朝鮮あたりが近いかなとも思いますが、もう少し最近の事例を教えていただければ嬉しいです。できましたら『動物農場』の登場人(動)物と対比させて教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

「動物農場」はロシア革命の状況に一対一対応しているので、他の国におきかえるのは無理です。



豚が権力を握っているのは某国も某々国も同じですが、コータクミン豚は父親が農場主の協力者だった過去を隠すために、反農場主教育を熱烈に推進しました。

キム豚の父親は、伝説のメージー爺さんという触れ込みで、農場主が追放された後の農場に現れましたが、実は偽者でした。キム豚は聖地で生まれたことになっていますが、実は隣の農場の豚小屋で生まれ、ユーラ豚と呼ばれていました。

というわけで、現代版動物農場を新しく作った方がわかりやすいと思いますよ。
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この回答へのお礼

回答していただきありがとうございました。
やはり他の国に置き換えて考えるのは無理があるようですね。でもZeroFightさんのたとえはとてもわかりやすくておもしろかったです。
現代版動物農場、考えて見ます。

お礼日時:2005/06/22 22:16

娘さんが学んでいらっしゃるということですが、政治学とか社会学の教材としてですか?


まあここは、カテどおり文学のご質問と受け取り、それなら何か答えられそうなので回答します。

入手しやすい文庫版としては角川文庫があり、これは1995年に改版されているようですが、少なくともその以前の版では作者オーウェルと「動物農場」についてのかなり詳しい解説が載っています。
これによると、
メージャー爺さん→レーニン
ナポレオン→スターリン
スノーボール→トロツキー
ボクサー→トハチェフスキーやその他

などなどと対応させてありますが、また、開高健氏の別の見解も紹介してあって、ナチス・ドイツの指導者に当てはめたその対応関係は、
ナポレオン→ヒットラー
スノーボール→突撃隊隊長エルンスト・レーム
ボクサー→アフリカ戦線で勇名を馳せたエルビン・ロンメル
などとなっています。

スターリン型共産主義とヒットラー型ファシズムが同根の病弊のもとにあることを強く示唆させる内容ですが、翻って考えてみると、どんな体制のもとにあっても似たような症例は見つかりそうで、たとえばこれほど極端ではなくても、われわれの周囲にある或る組織とか或る種の団体とか、そういった集まりの内部にあってもこうした闘争(葛藤)が小規模ながら、はるかに薄められたかたちながら、日夜行われていないとは限りません。

「動物農場」はその典型を示しているわけで、これがいまだ古くならないで読み次がれている理由かと思います。(典型的状況を描いたり典型的人物を創造したりするのはヨーロッパ文学の伝統です)

オーウェルの筆致は苛烈をきわめ、たとえば理想の実現を信じきって働いていた牡馬ボクサーが廃馬になってされ、その売上金が宴会の酒肉に変わる場面など、思わず本をしばらく置いて暗澹たる気分に沈んだことを思い出します。
論理のすりかえや詭弁・人心の籠絡などなら、今日でも日常茶飯に行われているとさえ言えそうです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
やはりロシア以外の特定の国に当てはめて見るのは難しいようですが、物語に含まれる一般的と云うか普遍的な真実に目を向けて、現代版動物農場を考えて見ることにします。

お礼日時:2005/06/22 22:19

 娘さんは英文学の授業あたりで読んでいるのでしょうか。

「動物農場」は難しい単語が少ないし、短い物語ですので、英文学の講義や一般教養英語のテキストとして今でも使われていることと思います。実は、私は23年前にそれで卒論を書きました。現在は英文学とほとんど関係ない仕事をしているため、当時の卒論コピーや使用した資料も手元にないので具体的なお話はできませんが、分かっている範囲で書きますね。

 No.2の方が次のように書かれています。
>「動物農場」はその典型を示しているわけで、これがいま
>だ古くならないで読み次がれている理由かと思います。
>(典型的状況を描いたり典型的人物を創造したりするのは
>ヨーロッパ文学の伝統です)
これが「動物農場」の本質的なところです。動物たちを登場人物とした、表面的にはおとぎ話の形を借りた人間社会に普遍的な「権力の寓話」を描き出したものと考えられています。ですから、豚たちの権力闘争の場面や一般の動物が惨めな生活を営んでいるところや未来への指針を示したスローガンが段々骨抜きにされる過程などは、現在の日本や世界情勢(中共や北朝鮮を含めて)のある部分と酷似していると感じる人も多いようです。

 それはオーウェルが21世紀初頭の中共や北朝鮮の某指導者を予言していたのではなく、彼が「権力の腐敗」というテーマで権力者たちは自らの権力によって堕落する普遍的な歴史的事実を「動物農場」という小作品に結実したということです。だから、読んでいるうちに「これって近所の国の、あの裸の王様かな?」と思えてきます。そこがオーウェルの巧みなところでしょう。

 ただもう一点申し添えれば、普遍的な「権力の寓話」と言っても「動物農場」の下書きにしたのはロシア革命から第2次世界大戦にかけての歴史的事実です(登場人物に関しては、一般的に言われるナポレオン→スターリン、スノーボール→トロツキーの線でいいと思います。)。何の資料だったか思い出せませんが、オーウェルが原稿を送った出版社に対して、「スターリンのドイツ戦線での戦いは**(果敢に戦っただだったかな? いや、逃げ出しただったかな? あまりに昔で忘れました…。)だったようなので、原稿のナポレオンの行動も**へ直して欲しい」との書簡を送っているくらいですから、モチーフと言うよりも、20世紀前半のロシア・ソビエト連邦をパロディ化しているといってよいでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
まさしくご指摘の通りで、当初は理想郷を作ることを目指していたにもかかわらず、一旦権力を握れば、その権力によって堕落すると云う普遍的な構図が世界のあちこちで見られてそのことが『動物農場』をいつまでも色あせない名作にしているのだと思います。
ご近所のあの国、この国を思い浮かべながらもう一度『動物農場』を読み直してみるように娘に薦めて見ます。

お礼日時:2005/06/22 22:26

 すいません、No.3です。



 先ほどの回答の第4段落第1文で、誤って「下書き」と書いてしまいましたが、本当は「下敷き」です。ご免なさい。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2005/06/22 22:27

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