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記憶の定着する勉強法について教えてください。
定期的に何度も繰り返して憶えたにもかかわらず、初めて見るかのように記憶が抜け落ちていたり、恥をかいたりして印象に残っていたわけでもないのに1度憶えるといつまでも忘れてないような事とどこに違いがあるのでしょうか?
意識して記憶しておきたいと思って、間をおいて繰り返しているのに忘れてしまいます。

A 回答 (3件)

ごきげんよう。




「一度覚えたら忘れることってほとんどないね」というような、よほど記憶力に自信のある人を除くと、たいていの人には「人は物を覚えても忘れる生物です」という話が当てはまります。

人間の記憶力がどのくらいかを示したのは、心理学者のエビングハウスの心理学実験から導かれる「忘却曲線」の話です。エビングハウスは自ら、子音・母音・子音から成り立つ無意味な音節(たとえばRIT,PEK,TASなど)を記憶し、直後~数日後におけるその再生率を調べて「忘却曲線」を導きました。覚えただけでその後何もしないと、覚えてから1日の間に、急激に覚えたことを忘れていくのです。

忘却曲線 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%98%E5%8D%B4% …
忘却曲線
http://tatakau-sikaku.com/boukyaku.html


実はこれは、「被験者にとって無意味な文字列を」「一定時間の間だけで暗記してもらう」方法をとった場合の結果です。その後の記憶研究では、どのような場合に、多くの事柄を長く覚えていられるのか、どうすれば思い出せるのかについて検討が行なわれました。

非常に多くの研究がありますので詳しい研究紹介は省略いたしますが(詳しく知りたい場合には「心理学」カテゴリで記憶研究について質問してみてください)、一連の研究結果から、

 ○ 物事を記憶する場合にどのような処理が行なわれるか
 ○ 物事を思い出す(再生する・再認する)場合にどのような方法が使われるか

によって、何を覚えていられて何を忘れてしまうのかが大きく異なることがわかりました。
具体的な例で説明してみることにしましょう。



■ 1)一回だけ覚えるよりも、繰り返して覚えようとするほうが記憶に残りやすい

実は私達は日常生活の一瞬一瞬で「覚えた」「忘れた」を繰り返しており、その数は両方とも非常に膨大な数になります。たとえば短時間で何かを覚えようとして頭の中に入れたとしても(試験の直前に単語帳の単語をできるだけたくさん暗記しようとしても)、そのうちの多くはすぐに忘れてしまう、あるいは全然覚えていないでしょう。

普通の人間は「忘れる」のがある程度デフォルトであって、時間が経過したり(「減衰」)他の情報によって妨害されたり(「干渉」)ということが起こります。逆に「忘れないようにする」ためにはいろいろな努力が必要なわけです。

その対策のひとつが、繰り返し覚えること(専門用語で「リハーサル(rehearsal)といいます)です。一回だけでは頭に残りにくい情報でも、何度も読んで何度も覚えていくと、けっこう頭の中に後々まで残っていると思います。

関連質問:忘れるということについて(No.5)
http://okwave.jp/kotaeru.php3?q=1535968
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1535968


■ 2)より深い処理を行なったほうが記憶に残りやすい

処理水準(levels of processing)という概念があります。人間の情報処理過程には、「光った」「聞こえた」レベルの浅い処理水準から意味的レベルのような深い処理水準までがあり、処理水準が深くなれば、処理された情報が記憶に残りやすくなる、というものです。

以下の3つの処理によって単語を情報処理してもらい、
 (1)構造判断(単語が大文字で書かれているか小文字で書かれているか)
 (2)音韻判断(その単語は、ある単語と韻を踏むかどうか)
 (3)意味判断(その単語を文中の空欄に入れて意味を成すかどうか)

その後で抜き打ちで単語テストをすると、最後の再認テストの結果が良かったのは、(3)意味判断、(2)音韻判断、(1)構造判断、の順でした。

ですから、『古語の「あやし」の意味は「身分が低い」である』ということを覚える場合に、
  「あやし、身分が低い」「あやし、身分が低い」「あやし、身分が低い」……
と、ほとんど呪文のように覚えるよりも、
  『「あやし」は漢字で書くと「あやし」→(普通ではない)→「賤し」「怪し」となり、
   身分が賤(いや)しい、低い、(身分が低いので家などが)そまつ、ということなんだ』
という感じで覚えたほうが、
記憶に残りやすいでしょう、ということです。


■ 3)「自己に関連した情報処理」を行なうと記憶に残りやすい

自己に関連した情報は記憶されやすい、また同じ情報であっても、前もってその情報を自己に関連づけるように認知的操作を施せば、記憶が向上する傾向があります。これを「自己関連づけ効果(self-reference effect)」と呼びます。

ここから、「恥をかいた経験」というのは、「何度も思い出されてしまう」「自分に関して非常に印象に残りやすい」「状況が頭に残ってしまうような処理がなされる」ものであり、何かのきっかけですぐに思い出されるものであることが推測できるかと思います。
(ただ、これはひとつの解釈であって、「どうして恥をかいた経験をずっと覚えているのか」という疑問に対する完全な回答ではありません)

たとえば
○反動形成:無意識の中にある欲求や感情が全く正反対の態度や行動となってあらわれること。たとえば、好きな相手に対して、嫌いなふりをしたり、知識のないものが、知識のあるようなふりをすること。
○置換:欲求をその本来の目標によって満たすことが出来ない時、別の目標によって満たすこと。たとえば、子どもをもたない女性が、犬やネコをかわいがったり、夫によってみたされない愛情を子どもに注いだりすること。
○昇華:置換の1つであり、おさえつけられた欲求や感情が、社会的、道徳的にみて、価値のあるものに向かって形をかえて現れること。たとえば、おさえつけられた性欲が、詩や小説、スポーツなどに向けられること。

これらを覚えようとする時に、「過去の自分はどうだったかなあ」などと、自分の体験と関連づけて覚えようとすると記憶に残りやすいでしょう、ということですね。


■ 4)その事柄に関係する他の情報と、うまく関連づけて覚えたものは記憶に残りやすい

そもそも、記憶はどのような形で整理されるかという仮説のひとつに、「記憶は関連する情報同士のネットワークの形で存在する」というのがあります。

たとえば「じゃがいも」という単語は、それ単独で覚えているのではなく、「じゃがいもの色は~~」「食料である」「皮をむいて食べる」「使われる料理は肉じゃがやカレーライス」などなど、関連する情報がつながっているのだという感じですね。

ですから、物事を記憶する場合も、エビングハウス実験のような何も関連しない形で覚えるよりも、何か関連する情報と一緒に覚えたほうが、記憶に残りやすく思い出しやすいと考えられます。

 1633年:奉書船(朱印状+老中奉書をもった船)以外の海外渡航を禁止
 1635年:日本人の海外渡航と帰国を禁止
 1637~38年:島原・天草一揆
 1639年:ポルトガル船の来航を禁止
 1641年:平戸のオランダ商館を長崎の出島にうつした

このような年表を覚える場合に、「誰が行なった政策か」「なぜこのような政策をとったのか」「~~を禁止することでどのような影響があったのか」など、他のさまざまな情報とともに覚えていくと(理解していくと)、呪文のように繰り返し暗記するよりも、記憶に残りやすいということですね。

この「記憶のネットワーク」の話は、「記憶したものを思い出す場合」にも関連してきます。

「よく物を置いた場所を忘れてしまうんです~(泣)」という悩みに対しては、一緒に居た人や物を置いた時の時の状況、その時の自分の行動など、置いた場所を思い出すのに関連してくる記憶である「想起手がかり」を使って思い出してみると、思い出しやすくなるようです。


話は以上ですが、まとめますと
 1)一回だけ覚えるよりも、繰り返して覚えようとするほうが記憶に残りやすい
 2)意味のある内容のほうが、より深い処理を行なったほうが記憶に残りやすい
 3)「自己に関連した情報処理」を行なうと記憶に残りやすい
 4)その事柄に関係する他の情報と関連づけて覚えたものは記憶に残りやすい

よく司法試験の勉強などで、条文や判例を丸暗記している人がいますが、(確かに覚えなくては先へは進まないのですが)単に丸暗記で覚えるよりは、ちゃんとひとつひとつ理解しながら進めるほうが、実は全体としてみると効率的なのです。

勉強には、毎日の努力としっかりとした理解が重要なのですよ、ときれいにまとめて回答を終わりたいと思います。
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この回答へのお礼

長文ありがとうございます。
わかりやすくまとめていただいてたので大変参考になりました。さっそく、この方法を取り入れて実践してみます。

お礼日時:2005/11/07 12:05

ドイツのエビングハウス博士が「忘却曲線」を作りました。

これは、人間が一度覚えたことをどれだけ経てばどれだけ忘れるかというものです。この実験から、一度覚えたことを20分後には早くも半分近くも忘れ、翌日には三分の二ほど忘れることがわかりました。ところが翌日以降は忘れ方が緩やかになります。一ヶ月経っても五分の一ほどの記憶が残っているのだそうです。このことから二日過ぎても記憶に残っていることは一ヶ月してもそれほど忘れないということです。
さらにエビングハウスは「意味のない文字を並べたときよりも、意味のある並べ方をしたほうが覚えやすく、忘れ方も少ない」といっております。
記憶するということは、例えば自分の身に降りかかった事件は一生鮮明に記憶として残ります。したがって記憶したいという事柄は、これは一人一人違うのですが、自分にあった覚え方を早く見つけることだと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
自分にあった覚え方・・・いろいろ試してみます。

お礼日時:2005/11/07 11:50

定期的がどれくらいなのか分かりませんが、約1週間で記憶が半減するようなことを聞いたことがあります。


意識して、あれもこれもと欲張っていませんか?
記憶することも勉強ですが、それでは意味がありません。
よく聞いたことがありませんか?
「勉強しても社会に役立たない。」
これは、勉強=記憶という概念を持った人たちです。
勉強するのは、記憶でなく知恵をつける練習です。
いろいろなことを考えることで、見方も変わり、そして新しいものを生み出すのです。

勉強は「継続が力なり」といわれるように、毎日の努力することが必要なんです。

今は、できないのかもしれませんが、いずれ力がつきます。
頑張ってください!!
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
継続してても忘れるのはどーしてなんでしょうか?

お礼日時:2005/11/07 11:46

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