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1/13付けの産経新聞にリンカーンの「government of the people, by the people, for the people」という有名な演説のことが掲載されていました。http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/070113/s …

筆者の拓殖大学藤岡信勝教授は、
・実は〈government of the people〉を「人民の政府」と訳すのは完全な誤訳なのである。
・なぜなら、これは「人民を『対象』として統治する政府」という意味だからである。
・「人民の政府」という日本語の語句をいくらひねくり回してもそういう意味は絶対に出てこない。
と言い切っていますが、本当なんでしょうか?文法的な解説も記述されていましたが、英語に弱いためよくわかりませんでした。どなたか分かりやすく解説していただけないでしょうか?

「人民の、人民による、人民のための政府」という有名な訳が誤訳だったなんて、ちょっとショックです。

A 回答 (15件中11~15件)

かなり論理を補足した訳というか近い文章が日本国憲法前文にあり


ます。「その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれ
を行使し、その福利は国民がこれを享受する。」起草はマッカー
サー元帥。ゲティスバーグほどシンプルではありませんが、ofが出
自・起源を表すとすれば、とてもきれいに対応しています。国民は
参加させてもらうのではなく、自ら政府を造り上げるだというアメ
リカ独立宣言に連なる思想が表現されていると思いませんか。

また、あの演説は「~の政府」で終わっているわけではありませ
ん。「~の政府が地上から滅びないように~」と続きます。誤訳派
はリンカーンが人民「を」統治する政府の存続が重要だと言おうと
したんだと主張するわけです。プロジェクト玄白の山形さんあたり
は「王侯貴族が王侯貴族のために人民を統治する」政府との対比で
考えると言っていますが、だったら人民を統治する部分は全然変化
してないわけで、演説に盛り込む意味がありませんね。

結論としては、従来の訳は十分ではないかもしれないが、藤岡さん
の主張は曲解だろうと思います。

この回答への補足

更問で恐縮ですが、例えば「the people’s government」と「government of the people」って英文法的にはどう違うのでしょうか?No.11様に限らず、教えていただければありがたいです。英語に疎いもので、ごめんなさい。

補足日時:2007/01/17 19:41
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
>「その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」
・まさにNo.9様の「起源、根源」ですね。なるほど、身近にありましたね(笑)。

>また、あの演説は「~の政府」で終わっているわけではありません。「~の政府が地上から滅びないように~」と続きます。
・No.9様への「お礼」で述べたように、原文全体を見るとNo.6様のご回答に説得力を感じましたが、原文はまだ続いていたんですね。

>「王侯貴族が王侯貴族のために人民を統治する」政府との対比で考えると言っていますが、だったら人民を統治する部分は全然変化してないわけで、演説に盛り込む意味がありませんね。
・No.5様への「お礼」の最後の部分に述べたことは、まさに私もそう感じたからです。ただ、原文の順番では「人民のための」がラストなので、リンカーンが強調したかったのは「人民のための」なのかな?「人民を統治」は大前提であり、変化はないよね、と思いました。
もし、grumpy_the_dwarf様のご回答である「起源、根源」ということであれば、自然権(天賦人権)の考え方にも合致しそうですね。ありがとうございました。

お礼日時:2007/01/17 18:36

以下は、『ニホン語、話せますか?』(マーク・ピーターセン 著)からの抜粋です。



(藤岡教授と同様な主張が日本にあることについて)

「英語圏で141年以上も続いてきた常識的受け止め方が引っ繰り返される、リンカーンも驚くにちがいない、突拍子もない文法的解釈だが、(中略)
リンカーンの言葉について簡単に言えば、government (which is) of the people (and is) by the people (and is) for the people(ちなみに、中国ではこれは「民有、民治、民享的政府」と訳されているようだが)の of the people は、いわば、「人民の合意の上で出来た」や、「人民の間から生まれた」などのような意味を表している。リンカーンはこの言葉で「government = 政治」を説明しているわけで、government に統治されるのは the birds でも the flowers でもなく the people だよ、とわざわざ述べる必要も意図も、言うまでもなく、ない。」
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
>ちなみに、中国ではこれは「民有、民治、民享的政府」と訳されているようだが
・これで決まりですね。中国語はよく知りませんが何となく意味が分かります。No.11様のGHQの翻訳憲法という揶揄がある日本国憲法前文にしても、中国語訳にしても、米国人も中国人も、この場合の「of」を「起源、根源」に解釈していたんですね。藤岡教授の言いたいこと(国民は統治される対象でもある→権利ばかり主張せず、義務も果たせ)は理解できますが、そのためにリンカーンのこの部分を引用するのは間違いだと考え直しました。ありがとうございました。

お礼日時:2007/01/20 20:35

No.12のscepticさんの回答は痛快でした。

ネイチヴによる、またはネイチヴに近い人の生の更なる回答を期待します。
英語を齧っただけのわたしは、ofを鍋の蓋と理解して、鍋と蓋は切り離しては意味がなく、過去の英国王による外からの統治を意識して民選代表を強調している、と最近ようやく自分を納得させたところでしたので、今回のQ&Aは興味興味津々です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
これまでのご回答を参考にして、この場合の訳は「(そして、)人民に由来する、人民による、人民のための政府(をこの地上から絶やさないことこそが、私たちが身を捧げるべき大いなる責務なのです。)」が正解と思います。つまり「of」を「起源、根源」で解釈するのです。その方が、演説全文から合います。この演説は戦没者に対する追悼ですので、その趣旨にかんがみると、人民が統治の対象であることは、貴族支配であれ民主政治であれ、昔から同じですから、戦没者に対し、こんな分かりきったことを誓う必要はないと思うからです。いずれにせよ、「人民の」は間違いとはいわないまでも、不明瞭な不適切な訳だと思いました。

お礼日時:2007/01/20 20:42

WikipediaにあるGettysburg Addressに接し、NPRのA Reading of the Gettysburg Addressにあるリンカーンの演説を聞いての、英語の解釈というよりも感想です。



a cup of coffe →カップの中にあるのはコーヒーだけ(それ以外はなし)
→同様に
government of the people)
→政治((2)参照)の中にあるのは人民だけ(政治は人民があって成立する。それ以外の何物でもない)また、人民を統治というイメージをリンカーン自身は持っていなかったような気がします((3)参照)。this nation, under Godという語句を先行させていることでもそのように思います((1)参照)。  
            
government by the people)
→人民による政治(「人民の政治」は静止している状態であり、動いているというイメージはなし。byを使用して政治を動かすのは、他ならぬ人民自身であることを強調している?)

government for the people)
→(誰のために政治を動かすのか)→(困っている、あるいはお互いがより良い生活を願う)人民のための政治
というようなことを力説したかったのではと思っています。

(1)It is rather for us to be here dedicated to the great task remaining before us - (略)- that this nation, under God, shall have a new birth of freedom - and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.
(2)リンカーンの時代に接近しているonlineのWebster's 1828 ictionary とWebster's Revised Unabridged, 1913 Edition の語義の優先順も参考にすると政治が良いような気がします。
(3)WikipediaにあるGettysburg Addressによると演説は、リンカーンよりも前の政治家のDaniel Websterの"This government, Sir, is the independent offspring of the popular will. It is not the creature of State legislatures; ・・・"の影響を受けているとのことです。他にも演説に関係する人の記載があります。
(4)NPR(National Public Radio)のA Reading of the Gettysburg Addressにある演説を聞いていると、リンカーンは「新大陸へ移ってきたのは、戦争をするためでも(、奴隷を雇ってまで生活するためでも)ない。戦いの犠牲者の死を無駄にしない為にも、これからは人民の人民による人民のための政治がくるようにつとめ、またそれが消えることがないようにするのが我々の勤めである」と言っているように思えます。
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アメリカに38年住んでいる者です。

 私なりに書かせてくださいね。

この質問があったのですね。

これは、はっきり言ってリンカーンしか分からないことです。 (そのいい例として、That's one small step for a man, one giant leap for mankindなのかThat's one small step for man, one giant leap for mankind. そして、アームストルング氏が何をいおうとし何を言おうと地上で練習したのか、告白しなければ誰もこの「本当」の文章を理解できなかったのです)

しかし、前後する文章から、また、リンカーンの主張したいことから、またアメリカ合衆国の代表としての建前から、時代的背景から見たら、文章があいまいなフィーリングを持つ、言い換えればいろいろなフィーリングを出せる、ofと言う単語からは、of the peopleは「全ての人民を人民として扱える」政治、と言う解釈が妥当となるわけです。

この解釈は「人民に由来する」「人民を対象とする」と言うフィーリングもあるでしょう、「人民と言う単語の持つ意味の平等」を出したかった表現でも在ると私は思います

また、of the people, by the people and for the peopleと言うようにandが入っていないところかも、of the people; by the people,,, (and) for the peopleと言う言い方をしたのかもしれません。 口調が分からないのです。

人民の政治、つまり人民による人民の為の政治、と極端な解釈する人がいてもおかしくはない、と言うのもあり、なのではないか、と言うことです。 

ある有名人の言葉が実際には何を意味しているのかは、有名英語学者でも結局は100%分からないと言う事なのです。 つまり、誰が言っても結局はその人の「自説」に過ぎなくそれがたとえ世界の過半数の人がひとつの解釈をしてもそれが正しいと言えるものではないのです。 ただ過半数の人がそう思う、と言う事なのです。 それを、絶対に大統領はこういう意味で言ったのだ、と言う人が出てきたら、ofの理解が足りなく違う解釈の余地があることを認められない、と言う批判があってもおかしくはないということでもあります。

それが言葉と言うものなのです。

上に書いたアームストロングの短い言葉ですらa manなのかmanなのか、NASAだけでなく彼自身のコメントですらしばらくの間どっちを言っている・言ったのか分からなかったのです。

なお、私もof the peopleを、人民を統治する、と言うフィーリングは上に書いた状況から考えると、存在しないはずだと思います。 

これでいかがでしょうか。 分かりにくい点がありましたら、補足質問してください。 
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
>上に書いたアームストロングの短い言葉ですらa manなのかmanなのか、NASAだけでなく彼自身のコメントですらしばらくの間どっちを言っている・言ったのか分からなかったのです。
・この話は私も中学時代に知りました。中継当時の同時通訳者だった西山千さんの話でした。「man」の部分で「a」があるのかどうかが、雑音だらけの衛生中継のためよく聞き取れずに「この一歩は小さいが・・・」で中継では済ましたそうです。その後外電で「a man」と言っていたことが分かったため、中継録画では「一人の男性にとって」にしたそうです。ただ、文脈からは「人類にとって」ですよね、多分。

お礼日時:2007/01/20 20:30

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