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物体の表面と内部とでは構造が異なるため,バルク材と薄膜とでは物性が異なるそうですが,
バルク材と薄膜とではどちらの方が弾性率(ヤング率)は大きいのでしょうか?
教えてください.

A 回答 (1件)

高分子材料の場合、高分子は出来る限りエントロピーが大きくなるような立体配座(例えばランダムコイル状)をとっています。

ところが、表面近傍では、空気中に分子を飛び出させることには限界があるので、丸まったランダムコイル状の形状から扁平な構造しかとれなくなってしまいます。

それ故、物質内部に比べて表面近傍は高分子鎖のエントロピーは減少した状態になっています。

一方、一般的に高分子材料には分子量分布が存在し、種々の分子量のものの混合物となっています。

先ほどの、エントロピーの減少は、高分子になるほど顕著になるので、物質内部に比べて、表面近傍には、低分子量体が集まることになります。

表面近傍が内部に比べて低分子物質になると、分子末端の数が増えます。
高分子の場合、分子の主鎖部に比べて、分子末端には自由体積が多くあるので、低分子が集まる表面近傍では内部に比べてガラス転移温度が低下します。

ガラス転移温度と弾性率とは完璧な相関関係があるわけではありませんが、上記現象から類推すると、均質な高分子材料であっても、材料内部に比べて、表面近傍の方が弾性率は低くなると考えられます。

厚いものと、薄いものを比較して弾性率がどうなるのかという議論ではなく、一つの材料において、材料内部と表面近傍とを比べた場合どうなるのか?という議論です。
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