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問. 以下の学生論説は多くの論理的誤りを含んでいる。どのような誤りがあるか詳細に論ぜよ。

 これまでのデフレの論議は、主としてマクロ的アプローチを用いて分析がなされており、ミクロ経済学的な分析はあまりされてこなかった。個々の財、および市場において何が起こっているのかを分析することは、マクロ的な経済情勢を加味する上でも大変重要なことである。本論においては、物価変動時における個々の財の転換現象というミクロ経済学的な視点からデフレーションの弊害を指摘したい。

 本論において提起する興味深いデフレによるミクロ的な影響として、物価下落が「通常財」を「ギッフェン財」へと転換させてしまうという、「財の転換現象」ともいうべき現象を挙げることができる。いわゆる「ギッフェン財」とは価格に対して正の弾力性を持つ財のことであるが、もしここで物価変動が財の構成比を変化させる効果を有しているとした仮定が成り立つのならば、物価下落によって需要が増大し長期均衡が達成されるという、A・マーシャルによって発見され、現代経済学の根底をなす古典派の命題が成立しなくなってしまう。すなわち持続的な物価下落(デフレと言い換えても良い)が持続的に財に対する需要を減少させてしまうため、経済は縮小均衡への果てしない調整過程から脱却することができなくなってしまうのである。

 ここで上記の減少を裏付ける身近な例として、マクドナルドの例を取り上げてみたい。日本マクドナルドは月~金までの平日の間は通常130円であるハンバーガーを65円に、通常160円であるチーズバーガーを80円にするという、いわゆる「平日半額セール」を、2002年2月に終了した。このセールによってハンバーガーの販売個数がピーク時の2001年5月には8倍にまで増加したが、セールを終了した3月~7月までの間はBSE事件の影響もあり、月間売上高が前年同月比で10%~20%減少するという結果になった。そこでマクドナルドは2002年8月5日から常時ハンバーガーを59円、チーズバーガーを79円に値下げするという戦略に転換した。しかし値下げ初日こそ前年同日比で2.3%増という売上高を達成したが、結局その後は売り上げが伸び悩み、8月の既存店売上高は前年同月比で3.8%のマイナスとなった。このことはすなわち、ハンバーガーはセール実施時より6円、チーズバーガーは1円価格が安いにも関わらず、当時より売り上げが減少しているということを示している。すなわちハンバーガーという消費財が「通常財」から「ギッフェン財」へと転換してしまったのである。

 上記の例はいわばI・フィッシャーの「デッド・デフレーション」の議論をミクロ的に分析したものであるといえよう。デフレ下の経済情勢においては、財価格下落にとる「ブランド価値」の喪失が起こり、それが「通常財」を「ギッフェン財」へと転換させ、より一層の需要低迷を招くのである。このような「財の転換プロセス」は筆者の仮定であるが、デフレーションがミクロ的に見ても害をなす、ということを裏付ける一つの論証になる。

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 個人的にはマックが「ブランド価値」で消費者を惹き付けているのかどうか甚だ疑問ですが、主観が入るとアレなので、ここではそういうところはつっこむべきじゃないのかなと(・。・。 )

 ちなみに第二段落の最後に「縮小均衡から永遠に脱却できない」とありますが、では今の日本がデフレから脱却しつつある(あるいはもうした)のは何故なんでしょうか?また、どうやって脱却したのでしょうか?

 他にも論理的誤り(まずこれの意味するところが曖昧ですが)を指摘してくだされば助かります。

A 回答 (1件)

ギッフェン財というのが価格に対して正の弾力性をもつのなら、


企業は価格を上げることで売り上げを伸ばせるのではないでしょうか?
とするとギッフェン財に転換されたあとは物価上昇が起きるのでは?

ただ、ギッフェン財なるものを初めて聞いたので的外れなことを言っているかもしれません。

昨今の物価上昇は原油高と円安の影響と景気拡大のおかげではないでしょうか。

この回答への補足

まず、ギッフェン財とは劣等財の一種で、普通の財が価格が下げれば需要が増加する(買いたい人が増える)のに対して、価格が下がると需要が減少する財のことです。逆も(価格上昇の場合)しかりなのかと言われると、わかりません。すみません。どなたかわかる方いらっしゃいませんか?

正の弾力性についてですが、おそらく価格が上昇すれば需要が増加する、価格が減少すれば需要が減少する、という意味だと思いますが質問しても答えてもらえませんでした。ここがミソなんですかね。

あと、「縮小均衡への果てしない調整過程から脱却できない」についてですが、一産業の話であって、国家レベルの話ではないようですね(^^;)お恥ずかしながら。

補足日時:2007/07/20 10:51
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