No.2ベストアンサー
- 回答日時:
問題が、少し曖昧でよく分からないのですが、これは、コインを投げると、その結果は、決定論的に決まっていて、自由意志などの入る余地はないという質問なのでしょうか。一応、そういう問いとして,回答させて戴きます。
まず、物理学的に考えます。古典力学で考えると、この力学の世界は、初期境界値が決まっていると、その後は、すべて「決定論」で決まります。コインを投げるときの手の振り方などは、大脳の運動野などで、決まってきますが、この運動野の細胞の働きも決定されているとなり、決定論になります。
次に、量子力学で考えると、コインが宙を飛んで着地するまでのあいだの運動が、大気との摩擦や風の影響で決まる、その決まり方が、微細な部分で、量子力学的不確定性によって決まる場合があり、「確率的に」決定的となります。
コインを投げる手の動きや、意志についても、大脳細胞の働きで、量子力学的不確定性が出てきて、これは、コインの落下運動の際の不確定性よりも、もっと大きな影響を与えます(大脳細胞が微細なため,量子力学的な効果が現れ易いのです)。ですから、量子力学的には、「確率的に決定的」で、一種の決定論ですが、確率の実際の広がりが非常に広く、ほとんど非決定的です。
また量子力学でも、確率で決まらない問題があるとされ、パラドックスの名前がついていますが、この辺りまで考えると,何か決定論的な要素はあるが、非決定に近いとなります。
物理学は、あくまでこの世界のモデルですから、「個別的一回的事象」については、法則の妥当性は、あくまで、法則の「普遍的適用性」という超越的な前提で成立しているだけです。
人間の意志が、コインの出方の結果に作用するかどうか、これは超心理学の問題ですが、明確な答えはありません。しかし、ユングの共時性の理論での宇宙だと、意志がコインの出方を左右できるということになります。物理法則とは別の法則が作用するということです。
他方、永遠の神の視点からは、一切の現象は、完了しているとも言えます。神あるいは、人間の意志もそれに参画していると考えられる、永遠における躍動としての可能性が、この完了性に干渉します。
永遠の視点からは、「決定論」、しかし、生の躍動などの時間というものの「生成構造」からは、「非決定論」です。
どれが答えなのか、というのは、宇宙を永遠的にも考えた結果の展望である、時間の生成構造を考慮したビジョンでの「非決定論」が妥当だとなります。
ただし、日常的次元では、決定論的に事象は起こっているように見えることが、一般的です。
この回答へのお礼
お礼日時:2002/07/21 16:07
asterさん、ありがとうございます!
こんな曖昧な質問にも関わらず、詳しくお答え下さいまして、感謝しています!
質問は、asterさんの解釈された通りです。
本当にありがとうございました。
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