A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
面白い質問があるので、ちょっとお邪魔させていただきます。
まず、質問者は「自動詞」と「他動詞」との違いを承知した上での疑問でしょうか?つまり、「be」が自動詞で、「have, has」が他動詞であることを知った上でしょうか? むずかしい言語論を読まなくても、赤ちゃんの言語発展を調べるなり、意識の発展を調べてみれば、なにかヒントが出てくるかもしれないのです。
おそらく、質問者が言っているように、最初は、「自動詞」でしょう。赤ちゃんが自分の存在を感じるとき、自分の行動を指していうことはあり得ます。「うんちしたい。」というように。。。つまり、自分の状況(状態)を述べるとき、自動詞的動詞を使うわけです。たとえば、「live, go, come, walk, ...」などの動詞は「相手のことを考えず、ひたすらに自分の状況を述べる」ものであることがわかるはずです。
赤ちゃんの意識が発展して、自分以外の「自分」がいることを理解したとき、「自分・他人」という「二元論」が発生すると思われます。ちょうど、「神・悪魔」、「天国・地獄」、「白・黒」といった「対立関係」がうんざりするほど、英語の世界に見られることからもわかると思います。
したがって、「自動詞」→「他動詞」という形で語彙が増えたかもしれません。なお、「前置詞」はもともと「場」を表す副詞から発展したので、自分以外の「自分」に「空間的区別」があると感じられたとき、「相手の状況、空間的在り方」を述べるために、前置詞が必要になってきたと。
もっとも、古い英語時代では、「格」という区別があったことに気をつける必要がありますね。「場」を表すのに、「処格」、「位格」などの語尾変化がありました。「with」なんか、「具格」で示していました。詳しくは「岩波全書・印欧語文法書」をみるといいです。
結局、質問者の言われるように、「自動詞→他動詞→自動詞+前置詞」という仮説も成り立つかもしれませんが、これは質問者の胸の中に納めておいたほうがいいでしょう。それが明らかになったとしても、英語がわかるようにならないのですから。
この回答への補足
非常に分かり易いご回答ありがとうございます。基本的な自動詞と他動詞の区別は認識しているつもりですが、どうしてもその根底に流れる原理原則のようなものが気になった次第であります。
ご指摘頂いた内容はかなり自分の疑問点の核心を突いており心が透く思いではありますが、もう少し詳しく質問させて頂いてもよろしいでしょうか?
これはあくまでも個人的な仮説ではありますが、私も言語の発達段階を考慮すると自己と他者の認識が未分化している状態では自動詞が先行するものと考えております。その後、他者認識の過程から他動詞が成立し、ドイツ語、ラテン語、フランス語などいくつもの言語を媒介し置換や省略が行われ英語にも定着していったのではないかと推測しています。
最初の段階から存在する自動詞を原始的自動詞と呼べるなら他動詞成立後に形成された後発展的自動詞と呼べるものがあるように考えています。つまり、「他動詞+再帰代名詞」や「他動詞+自明の客体」の目的語の部分が省略されて自動詞化したものが1つの動詞に自動詞と他動詞を併存させる遠因になっているのではないしょうか。必ずしも全ての動詞が個別的に当てはまるわけではないとは思いますが…
その省略の過程から他動詞+目的語+前置詞~が自動詞+前置詞~へと変遷していったような気がするのですが…また、それと同時にドイツ語派生の分離動詞から他動詞+副詞の形が成立したのではないでしょうか?
勉強不足のため、もしかするとかなり強引な推測になっているかもしれませんが検討のほどよろしくお願いいたします。
No.3
- 回答日時:
>自動詞と他動詞はどちらが先に成立したのでしょうか?
これは他の方も仰っていますが、英語だけの問題ではありません。
地球上には日本語と英語しか存在ないのではなく、何千という言語が存在します。一つ言えるのは英語が誕生する前から、自動詞と他動詞の区別はあったと考えられます。従って、自動詞と他動詞は別のものですとか 自動詞から他動詞が派生したのではありませんというのは全くの見当違いです。というのは、英語が誕生(厳密にはゲルマン語から分化)したのは、今から1500年ほど前ですが、その頃はゲルマン語と殆ど同一の言語でした。つまり、イギリス英語とアメリカ英語ほどの差しかありませんでした。つまり、英語がこの世に誕生した時には、この二つは既に存在していたというのが答えです。
>また、自動詞+前置詞と他動詞ではどちらが先に成立したのでしょうか?
これは学校の英語では教えませんが、29061129さんが前置詞と言っているのは particleと呼ばれる一連の単語です。これは、名詞の前に置かれて前置詞になったり、動詞の後に置かれて動詞の意味を修正したり、そしてしばしば両方の働きを兼ねます。そして、英語と近縁のオランダ語やドイツ語では 分離動詞の分離要素にもなります。
No.1
- 回答日時:
このような疑問では「英語では」という限定で考えるのは無理があります。
1000年以上前、「古英語」と時代区分される時代の文献でも自動詞・他動詞の区別があります(後述しますが「動詞+名詞」の形をしていてもそれが他動詞と言えるかどうか一概には言えません)。ご存知かもしれませんが、英語など「印欧系言語」は大昔「印欧祖語」という共通の祖先から分かれたものとされており、その印欧祖語は文献がなく比較により推定するしかないのです。
現代英語ではSVO(O/C)の形をとる場合Oを「目的語」、二重目的のときは「直接目的語・間接目的語」という程度ですが、これは長い歴史の中で「格」が減少し「主格・目的格(・所有格)」しかなく(現代の話者が通常格というものを意識しているのか怪しいところもありますが)、少なくとも目的語が1つあれば「他動詞」を名乗れるようになったからです。
印欧祖語には8つの格があったとされ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC#.E5.8D.B0 …)、主語・動詞とのかかわりから必要に応じた格が現代英語で言う「目的語」の位置に置かれていました。
例えば現代英語では help は直接目的語(対格)をとる他動詞とされ受身も可能ですが古英語では与格をとる動詞でした(これは現代ドイツ語も同じでドイツ文法では与格をとる動詞は自動詞に分類されます)。
また、直接目的格(対格)は現代の感覚では「目的語になるもの・『~を』」と意識されますが本来の対格はそれだけではなくいろいろな用法がありました(参考:古典ラテン語の対格http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E6%A0%BC# …。this week など前置詞なしで使われる時をあらわす語も副詞的対格ということがります)。
さて、英語だけに話を限れば最も古い文献では「主格・属格・与格・対格(・具格:これは一部の代名詞に見られる)」の4~5の格が認められます。
今日「目的語」とされる位置には動詞の意味用法により「属格・与格・対格」の3つのどれかが来ていたのですが、ここでドイツ語のように「対格をとるものだけを他動詞」と考えるなら現代語では目的語を持つものを全て他動詞とするので他動詞が増えたことになります。
また、格の消失によりあいまいになった意味を補強するため前置詞の使用が増えてきました。こうなると動詞+前置詞が増えたことになります。
ともかく語形変化によって格つまり語同士の関係を表すのが印欧系言語の本来のやり方で、それは文献のない時代までさかのぼるものでほんの1000年そこらの文献しかない言語で動詞その他の起源的なものをさぐるのは無理なのです。
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