A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
純粋に機械制御工学的な視点で考えると、ラウドスピーカーの能率(感度)と
線形帯域はトレードオフの関係にあります。
すなわち、能率の低いスピーカーは同条件の能率の高いスピーカーに比べて
線形帯域が広くなります。
「線形」では分かりにくいでしょうからもう少し分かりやすく言うと、
(1) (特に低域の)周波数特性が広くなる
(2) 有効帯域における歪みが低くなる
つまり、能率の高いスピーカーは、周波数特性の広さや平坦さが犠牲に
なっていると見て良いでしょう。
まず、頭の尖った三角おにぎりのような形を想像してください。
これが「感度の高いスピーカー」です。能率は高いが、周波数特性は狭く、
しかもデコボコしている事が多いです。
そのおにぎりを、トンカチで上から叩いて平らにならしていきます。
すると、おにぎりの高さ(能率)は低くなっていきますが、平坦な領域が
広がっていきます。これが「感度の低いスピーカー」です。
能率の高いスピーカーの代表例としてホーン型があります。(この場合は、
直接放射動電型と違って速度比例音圧となりますが)理想ホーン型の線形な
帯域はたったの2オクターブしかありません。現実のホーン型では、もっと
帯域の広いものもありますが、これはスロートやホーン形状に小細工をして
制動を掛け(つまり感度を犠牲にして)帯域を拡げています。
以上、概して「能率の低いスピーカーは忠実度が高い」と判断すればよろしい
かと思います。能率を高くしようとすれば、忠実度が犠牲になっていくわけですね。
理屈を踏まえた上で現実に目を落としてみると、ハイエンドの高忠実を狙った
ウーファードライバーの中には、38cmの大口径にも関わらず84~85dB/2.83V程度の
低い能率しか持たないものも見られます。
また、高能率のスピーカーは概して周波数レンジが狭く、周波数特性も平坦では
なくデコボコと暴れているのが現状です。歪み率も概して悪くなっています。
これに対し、例えばESLタイプの中には、80dB~82dB内外しかない超低能率の
スピーカーもありますが、
それらを称して「微小信号に弱い」「忠実度が足りない」「鈍い」といった感想は
聞いたことがありません。
欧米ハイエンドでも、忠実度が高いと評価されるスピーカーシステムの多くが
比較的低い能率しか持っていません。
低域だけでなく高域方向でも、高速応答として忠実度を上げるにはダイアフラム
質量を下げ、「ダイアフラム直径÷素材音速」を小さくするのが有利です。
それをしようとすると、ダイアフラム直径が小さくなり→能率が下がります。
したがいまして、高域、低域ともに線型性(忠実度)を確保しようとすると
自然に能率は下がっていくもの・・・と解釈すれば良いかと思います。
高い能率を保ったままで帯域を広くしようとすれば、多重バスレフ共鳴、気柱共鳴、
その制動、ホーンなどの線型性の悪い小細工が必要となり、その結果がむしろ
線型性が犠牲になるなど、やぶへびになるルートしか残されていません。
********************************************************************
ただし、何事にも程度問題というものはありますね。
あまりにも低能率なスピーカーの場合、今度はアンプ側の負担が無視できなく
なります。「ハイパワーなアンプでは高性能なアンプが作りにくい」こと、また
「最大出力が小さければ実効ダイナミックレンジに制約を受ける」こと。
以上のことから、極端な低能率は、これまたお勧めできません。
ご使用のアンプ、試聴される音量、住環境にもよりますが、最低でも82dB/2.83V, 1m
以上の能率を持ったスピーカーを使用されるのがベターとは思います。
以上、私感ではありますがご参考程度に。
No.3
- 回答日時:
低感度=低能率のスピーカーはおもに住宅事情とか、おき場所の問題で小さくても低音が出るスピーカーを作るために能率を犠牲にして、その代り低価格でも比較的大出力のアンプが作れるので、それを利用して小さくても低音が出せるようにと言う妥協の産物です。
従って余韻のある豊かな音が出にくく、特に小音量だと特にその傾向がひどくなります。バランスの良い感度(能率)の良いスピーカーを選びましょう。オンキヨーのA-1VLと言うアンプを使っていて、
普段はツマミの1/4も回さない程度の音量しか出せないんですが…
「パワーあるアンプに能率高いスピーカーだと音量調節しにくい」みたいな表現も見かけた(どこで見たかは忘れました…)ので、
能率低いスピーカーでもアンプのパワーでカバー出来るかな~と思ってましたが、
『余韻のある豊かな音』が出にくくなるってのは困りますね…
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
Yorkminsterさんの見解の補足にななりますが
別に、ONKYOやB&Wに限りません、
設計思想とコストによって、低能率で音の痩せるタイプがあるんです。
能率と音質とは関係がありません。
そして、(1)低コストのスピーカーは、音量を絞ると音が痩せることが多いです、
所謂、(2)低音量時の入力と音量とのリニアリティが悪いのです。
そして、(3)人の耳は、音量が下がるにつれて、特に低音域の感度が落ちます。
この3つが音の痩せる大きな原因です。
感度が低いことのメリットはないです、
周波数特性と感度は、ある程度トレードオフの関係にあるため、
低コストでカタログの見栄えのよい周波数特性を重視するので
メーカーには周波数特性重視、感度軽視の風潮があります。
同時に、歴史的に感度が低くなっていったのは、半導体の進化のお陰で、
低コストで大出力のアンプが出来るように成ったためです。
昔、ホーンスピーカーが主流だったのは、高域と低域を諦めても、
人の声の帯域の伝達特性を上げるために、必要だったからで、
これらが現代の低能率スピーカーと大きく違うのは、周波数特性なのです。
スピーカーをマルチウェイにして、低音(ウーハー)の感度に、抵抗を入れて
中高音域のレベルを合わせ、周波数特性を改善して行ったのが始まりで、
イギリスのBBCモニター系が始めた、小さな密閉箱に周波数特性を重視した設計で
尚且つ、音質が良かったために、小さなウーハーを詰め込み強力なアンプでドライブする
スタイルが流行した結果でしょうね。
※ただしこれらのBBCモニターは、基準(1kHz)から±3dbのように厳しい仕様がありましたので、
かなりの値段が高くなりました(実測データもついてましたしね。)
本来は、感度が高く、周波数特性の良いスピーカーが良いのでしょうが、
別のスレッドでも話題になりましたが、小音量で音の痩せないスピーカーは
かなりハードルが高いのです、↓参考までに…
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3825278.html
> 機種選定で迷ってるなら、少しでも感度高い方がいいのですか?
感度とかの数値で決めるときっと後悔しますよ、
スピーカーは聴いて決めるべきです、自分の好みのCDを家庭で聴く音量や
もっとも小さな音量で、聴いてから決めましょう。
No.1
- 回答日時:
>> 極端に感度の低いスピーカー(ONKYOやB&Wの一部機種みたいな)って、小音量(大体、8~9時ぐらい)での視聴には向かないんですか? //
いくつかの考え方できます。
(1) 低能率=ノイズが音になりにくいので、S/NでいうとNが小さくなる。よって、アンプ以前で混入したノイズによる影響を受けにくく、結果的に音質が良くなる。
(2) 低能率=本来楽曲がもっている微小な音が再生されにくくなるので、S/NでいうとSが小さくなる。よって、結果的に音質が悪くなる。
(3) 低能率=ある程度の音量を得るにはアンプの出力を大きくしなければならないが、AB級アンプのA級動作域を越える出力をすると歪みが増える。よって、音質が悪くなる。
これらは、すべて成り立ちうる議論です。いいかえれば、能率(感度)の大小だけで音質が決まるわけではありません。基本的には、能率(したがって音量)が足りない分はボリュームを上げれば良い、と考えて良いと思います。
>> 感度が低いスピーカーのメリットって何ですか? //
「感度が低いこと」のメリットというより、「感度を犠牲にしたことによる」メリットという方が正確でしょう。端的にいえば、小口径で低音を稼ぐために、能率が落ちることと引き換えに重い振動板を使う、ということです。そのため、大型スピーカーでも、小型スピーカーでも、それほど低音の再生能力に差を生じなくすることが可能となります。能率が落ちても、現代的な半導体アンプは100Wくらいの出力は軽いので、アンプのパワーでカバーできるということです。
逆に、真空管アンプの時代は、パワーがとれないので、振動板を軽くして能率を良くすることが必須でした。その代わり、大口径が必要だったということです。
なので、比較的小型で低音域を欲張っているもの(40~50Hz台?)は、概して能率が低く、同じくらいの下限でも能率の高いものは概して口径が大きくなる、という傾向は見て取れるでしょう(もっとも、周波数特性の記載は、基準がいい加減なので、安物で50Hzと書かれている場合と、高級機種で50Hzと書かれている場合では、後者の方が50Hzの音圧が高い=より正しく再生できている、という可能性はあります)。
なるほど、非力なスピーカーをアンプのパワーでカバーすると言う形ですか…
ONKYOはまさにその王道を行ってるようなやり方ですね。
音量を上げればすむ話ならば、そうして解決したいと思います。
ありがとうございました。
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