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春がテーマの一部になっている詩をご存知の方いらっしゃいませんか?

現代詩で、作者は日本の詩人で探しています。
※宮澤賢治『春と修羅』、歌詞除く

出来ればサイト等で閲覧可能の詩が嬉しいのですが。。。

出来るだけ名の知れた人がいいのですが(受賞歴がある等)、有名無名に関わらず、春がテーマで素敵な詩をご存知の方教えていただけませんか?

A 回答 (4件)

近代から現代にかけての詩の中からいくつか。


真っ先に思い浮かべるのが安西冬衛の次の一行詩の傑作です。
 
   春

 てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた。

http://uraaozora.jpn.org/poan2.html

宮沢賢治の詩「春と修羅」は私も大好きです。
これとテーマが似ていて、より直截的なのが室生犀星の「寂しき春」です。
http://uraaozora.jpn.org/pomuro2.html
また犀星には「春の寺」という、これまた有名な詩もあります。
終生の親友だった萩原朔太郎には「旅上」という、

 ふらんすへ行きたしと思へども
 ふらんすはあまりに遠し

と始まる、これも有名な詩です。
堀口大學は訳詩集『月下の一群』によって殊に有名です。
その中の一つ、ギー・シャルル・クロス「リュクサンブール公園で」は全詩引いてみましょう。
訳詩といいながら、これは創作詩と変わりないと思います。

 私は一人の小さな女の子を思ひ出す、
 それはリュクサンブール公園の五月の或る日のことだつた。
 私は一人で坐つてた。私はパイプを吹かしてた。
 すると女の子はじつと私を見つめてた。
 大きなマロニエの木陰には桃色の花がふつてゐた、
 女の子は音なしく遊びながらじつと私を見つめてた。
 女の子は私が言葉をかけてくれればいいがと思つてゐたのだ。
 彼女は私が幸福でないと感じたのだ、
 でも幼い彼女は私に言葉をかけることは出来なかつたのだ。
 榛(はしばみ)の実のやうに円い目をした女の子よ、やさしい心よ、
 お前ばかりが私の苦悩を察してくれたのだ、
 彼方(むかう)をお向き、どうして今のあんたに理解が出来ませう?
 彼方へ行つてお遊びなさい、姉さんが待つてゐます。
 ああ誰も治すことも慰めることも出来ないのだ。
 小さな女の子よ、何時かあんたにそれが分る日が来るでせう。
 その日、遠いやうで近いその日、あんたも今日の私のやうに、
 リュクサンブール公園へ、あんたの悲みを考へに来るでせう。

西脇順三郎「皿」も短い詩だし、大好きなので全詩引きます。

 黄色い菫(すみれ)が咲く頃の昔、
 海豚(いるか)は天にも海にも頭をもたげ
 尖った船に花が飾られ
 ディオニソスは夢みつつ航海する
 模様のある皿の中で顔を洗って
 宝石商人と一緒に地中海を渡った
 その少年の名は忘れられた
 麗(うららか)な忘却の朝

かなり難解なところのある詩ですが、前四行は皿の模様のことだと気がつけばわかりいいでしょう。
北海道生まれの伊藤整にも「雪解」とか「春夜」とか春の詩が多く目につきます。
丸山薫にも「白い自由画」「まんさくの花」など遅い北国の春の訪れをまんさくの花に託したいい詩がありました。
嵯峨信之「春雨」は抒情詩の典型のような詩です。

 ぼくが消えてしまうところが
 この地上のどこかにある
 死は時の小さな爆発にあって
 ふいに小鳥のようにそこに落ちてくるだろう

 その場所はどんな地図にも書いてない
 しかし誰かがすでにそこを通ったようにおもわれるのは
 その上に灰いろの空が重く垂れさがっていて
 ひとの顔のような大きな葉のある木が立っているからだ
 あなたは歩みを速めて木の下を通りかかる
 そしてなにかふしぎな恐れと温かな悲しみを感じる
 ぼくの死があなたの過去をゆるやかに横切っているのだろう

 春雨がしめやかに降りだした
 いますべての木の葉が泣きぬれた顔のように
 いつまでもじっとあなたを見おろしている

第二連最終行は詩特有の、かなり屈折した表現です。
ここで詩的ヴォルテージが最高潮に達しますが、春雨の詩にふさわしくあくまでしめやかです。

現代詩はいわゆる花鳥風月をほとんどうたわなくなっています。
なぜかというと、たぶん作るのがむつかしいからでしょう。詩は何より斬新さをもとめます。
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この回答へのお礼

大変ありがたいです!それぞれ情緒的で、表現が多彩で素敵ですね。

なるほど、確かに。ここ最近、現代詩で春、季節が詩に上手く織り込まれていうようなものを探しまくっていたんですが、ほとんど見つからず…
リュクサンブール公園で、本当にいい詩ですね。思わずうるっときてしまいました。とても好きです。
春雨もとても美しい詩ですね。とても詩らしさがあって、儚さを感じます。
沢山のご紹介本当にありがとうございます。どれも素敵な詩で、かつ個人的にもそれぞれの詩が私好みで、嬉しいです。

本当にありがとうございます!参考にさせて頂きます!!

お礼日時:2008/05/28 20:17

○ 現在、最もポピュラーな詩人である谷川俊太郎『二十億光年の孤独』より


 ・「春」 かわいらしい郊外電車の沿線には・・・
     http://bunko.shueisha.co.jp/yomi/0506_6.html

 ・「はる」 はなをこえて・・・   
     http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-1 …

○ 29歳の若さで逝った八木重吉の学生の頃好きだったセンチメンタルな春の詩・・
 ・「春」
   春は かるく たたずむ
   さくらの みだれさく しづけさの あたりに
   十四の少女の
   ちさい おくれ毛の あたりに  
   秋よりは ひくい はなやかな そら
   ああ けふにして 春のかなしさを あざやかにみる 

○ 室生犀星 
 ・「寂しき春」
  したたり止まぬ日のひかり・・・
  http://blog.livedoor.jp/syoukaibu/archives/50987 …

○ プロレタリア詩人でもあった中野重治の詩・・
 ・「挿木をする」
  今日は三月二十三日 仄(ほの)かにこな雪がちらついて・・・
  http://blog.goo.ne.jp/miyachi2915/m/200603

○ 草野心平の春の生命の躍動感溢れる詩です。
 ・「春」
  天下は実に春で。・・・・
 http://www15.wind.ne.jp/~Glauben_leben/Shihi/Sin …

○ 中原中也も春の詩を数多く詩っています。
  「春の夜」「悲しき朝」「早春の風」「春と赤ン坊」「雲雀」「春宵感懐」(URL略)

○ 萩原朔太郎
 「春の実態」「春の感情」(URL略)


 
   
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この回答へのお礼

たくさんのご紹介、ありがたいです。
八木重吉さんの「春」、とても素敵です。私もいま学生だからでしょうか?笑
谷川俊太郎、中原中也…と、名前は知っていましたが、詩集の名前までは調べがつくのですが、詩の題名までは検索が難しいため、とても助かりました。
中原中也記念館の公式HPに行きました。教えていただいたタイトルで詩歌を検索することが出来まして、すべて閲覧することが出来ました。
とても参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2008/06/01 01:01

「若い身そらではげ頭」で有名(?)な、竹久夢二の「ゆく春」はどうですか?


http://my.reset.jp/~comcom/sozai/large/dontaku.pdf
小唄だから詩とは違いますかね・・・

孟浩然の「春暁」は?春眠暁を覚えず・・・春は寝坊しますよね。
http://www.geocities.jp/rongo21/rongo/kagai6.html
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この回答へのお礼

ありがとうございます/
とても参考になります。ほんと助かりました!
ゆく春、すてきですね。

お礼日時:2008/05/27 14:26

有名な作品ですが、山村暮鳥の「風景」。


「いちめんのなのはな」が繰り返される、絵画のような美しい詩です。
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この回答へのお礼

個性的ですごいすてきな詩ですね/
繰り返しがとても効果的で…美しいですね。
とても参考になります。ありがとうございます。

お礼日時:2008/05/27 14:30

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