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契約に際して、委任状により代理人を定めています。
委任者Aを、代理人B(Bは、Aの支社)とします。

契約者はA、代金の請求者はB、支払い先口座はAと考えて、
代理権限を下記のとおりとして書類を作成しましたところ、
契約、請求、受領に関して一切の権限を委任しているのであれば、
すべて(契約者・請求者・受領者)Bとなるのではと言う考えの人がいました。
代理人を定めても、委任者自身がすることは問題ない(委任者の権限に制限がでない)と思っていたのですが、代理権限の定め方によって違いがでてくるのでしょうか。

契約の締結及び契約に関する一切の権限
代金の請求及び受領に関する一切の権限

A 回答 (1件)

 代理は、代理人の行為が本人に帰属するという制度です。

Aが本人、Bが代理人、Cが契約の相手だとすると、BがAの代理人としてその代理権の範囲内で、Cと契約を締結すれば、その契約の効果は本人に帰属することになります。つまり、AとCとの間で契約が締結されたことになります。
 ですから、Cが代金を払う相手先は、BではなくあくまでAになります。もちろん、AがBに代金受領の権限を与えてることも可能ですが、それはCがBに代金を払えば、CはAに代金を弁済したのと同じ法律効果が生じるということであって、Aは代金支払請求権の債権者なのですから、Aが代金を受領する権限は当然ありますし、CがAに代金を支払えば、それは有効な弁済です。
 余談ですが、債権回収の方法の一つとして代理受領というのがあります。たとえば、BがAに対して貸金返還請求権を有している場合、AがBにCからの代金受領の代理権を与え、Bが代理人としてCから代金を受領し、BのAに対する貸金返還請求権とAのBに対する受領した代金の返還請求権と相殺することにより、貸金の回収をするというものです。この場合、CがAに代金を払うと意味がないので、Bに払うようにCから同意を得るのが通例ですが、たとえCがAに対し代金の払いをしても、代金の弁済としては有効です。ただし、Bに損害が生じれば、BはCに対して損害賠償請求をすることができます。
 ですから、Bに代金の受領の権限を与えたとしても、Aの代金受領の権限が失なわれるものではありません。

民法

(代理行為の要件及び効果)
第九十九条  代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2  前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

代金受領の権限を委任していても、委任者が債権者であるので、委任者が受領することは特段問題ないと解釈し、進めることにしようかと思います。

お礼日時:2008/06/04 12:55

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