クラシックの専門家にお尋ねします
クラシックというのはおおよそ150年から300年前からのものが古典派とかロマン派とかその区分けはいろいろとあるでしょうが、私がわからない事は、時代が過ぎても人の心をとらえ、感情に訴え、涙さえ流させるこのすばらしい音楽が最近の音楽家の元ではできないのでしょうか。出尽くしたという事ですか、あえて作らないのですか、そしてなぜ一人の作曲家があれほど多くの作品を残せたのでしょうか、今の時代になって天才といわれる作曲家があの時代数多くいますが、現代ではそうした、万人の心を打つ作曲ができないのでしょう。私の感受性が未熟という事なのでしょうか、教えて頂きたい。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
職業音楽家です。
作曲もします。いわゆる現代音楽を。ちょっと気になるので投稿します。
質問者様の謂わんとされているご質問は一般論としてはよく分かりますが、設問が誤りといっていいでしょう。あなたはただ、現代作曲家の書いた心を打つ曲にめぐり合っていないだけです。
人の感情は千差万別何を持って心を打つかはその人次第です。モーツアルトを聞くとジンマシンが出そうな人もいるし、シュトックハウゼンを聞かないと落ち着かない人もいます。ただ、その反対の人が多いだけです。真の作曲家はだから今も昔も、そういったあいまいなものに向かっては、音を書いてはいません。そういう人たちを所謂「前衛」と呼ぶのは彼らが、大げさに言えば人類の創作音楽とでも呼べる分野を引っ張ってきたからです。(民俗音楽のように書かれていない音楽の分野もある)また彼らがいなかったら、ジョン・ウイリアムスの映画音楽も巷にあふれる歌謡曲、ポップミュージックも、近代現代音楽にに多大な影響を与えたジャズですらずっと今よりつまらないものだったでしょう。
たとえば、今から50年前、「春の祭典」はとんでもない現代音楽でした。当時、現代音楽では定評のあった指揮者、エルネスト・アンセルメですらよく分からないところがあって、ストラヴィンスキーに何度も手紙を書いています。それが、今はちょっとレベルの高いアマチュアオケでも演奏します。なぜか。この曲の真価が研究され理解され大衆にある程度浸透したからです。
ご質問で、もうひとつ多作の理由ですが、モーツアルトの時代の音楽は特に一定の型で作曲がなされていました。その方を飲み込めば誰でもそれなりの「音楽」を書けたのです。現代の流行音楽も同じようなものです。ただ、天才といわれる彼らはなぜ天才かというとそういうありきたりな型を使ってありきたりではない音楽を書いたからです。こういう姿勢を現代ではアヴァン・ギャルド(Avant garde 前衛)と呼ぶのではないでしょうか。19世紀ではワーグナーとシュトラウスが時間的にも質的にも異常に多作です。この二人はただただ、異常な創作力と体力としか言いようがないくらいたくさんの「音符」を書いています。
ご興味があれば、岩波新書から出ている小倉 朗著の「現代音楽を語る」をお読みください。質問者様のような疑問によく答えている本だと思います。もう古い本なのでまだ出ているかどうかはわかりませんが。
ありがとうございます、こういう回答を待ってました、書かれている作曲家のもの聴いてみます。推薦図書も読んで勉強してみます。ワーグナー、好きです、シュトラウス一家兄弟みんな好きです、元気をもらえます。私は聴いた曲のほとんどがNHK FMの番組からです、曲名と、作曲家は一部しかわかりませんが、とにかく好きで聴いて心躍らせてます。事務仕事で眠くなった時もパソコンから流すと眠気ゼロ。僕にとっては栄養剤のようなものです。ベートーベンのピアノソナタのなかには涙が自然に出て音楽の力に驚いてます。特に新世界が好きでここで決めるって時には聴きます、手術前の晩にも夜中聴き心を鎮めました。そんな片隅の人間が元気になれる作品を残してください。
No.6
- 回答日時:
現代音楽と、現在でも呼べるかどうか議論があると思いますが、ショスタコヴィチやストラヴィンスキー或いはオネゲル、サティなどは素晴らしい曲を提供しております。
ベルクなどの曲も人の心を捉え、感動を与えるものと、私は考えております。私が挙げた人々の曲をお聴きになられて、書き込みをなされて折られるのですか? 79713さんの好みにあう曲が見当たらないだけではないでしょうか? どの作曲家でも、過去、現代を問わず、他人に聴いて貰うために作曲をしている筈です。もしそれを目的としないとすれば、出来上がったものは一体何なのでしょうか? 生きている時代に一流の作曲家としてもてはやされたが、その後忘れられて、今では全く聴かれない作曲家は、現在よく聴かれ、生き残っている作曲家の数より比較にならないくらい多いのではないでしょうか? その時代時代で評価が全く異なっている人も数あるのでは?その時代には全くと言うか、たいして評価されずに、最近になって、高い評価を得ている人もありますね。バッハでも彼が活躍していた時代には、大作曲家と言うより”演奏家”として評判が高かった? べトーヴェンでも初めは先進的な、即ち一般的には余り理解されない、音楽家だったと、私は思います。聴く人たちの方が、作曲家の先へ進む速度に追い着かないとも言えるのではないでしょうか。聴く方は、素人ですよね。
あなたの、ご意見を読んでの感想を、書き込ませて頂きました。
ありがとうございます、書かれている作曲家では、サティを聴きます、ショスタコビッチやストラビンスキーは数少ないですが聞いてます、一部はいいなあと思いますが、曲の感じがあくまでも自分の嗜好とは違うせいか前の時代の方が心静かに聞けます。
No.5
- 回答日時:
>モーツアルトが本当に評価されるようになったのはケッヘルが番号を付けてからですよ。
たとえば現在ヒット中(?)の曲「千の風になって」は、日本では100万枚を超える売り上げだそうですが、外国では誰も知らないでしょう。これを「ヒットしていない」といえますか?
No.1さんの世界的に知られるようになったときの話で、今のようにレコードがない時代には、生で聴くのが全てです。生演奏を聴いた、あるいはその噂を聞いた人が楽譜を注文しています。これを「ヒットした」と言うんです。そもそもモーツアルトは作曲家として独立していたわけですから、現代作曲家のように、学者しか買わないような音楽を作曲していては、貧乏どころの騒ぎではありません。
テレマンなんかは、演奏も聴いたことがないような遠方の人からも楽譜の注文が殺到したという話です。「現代音楽」の作曲家でそんな人はいますか?
現代の作曲家も、演奏会を開いて、その会場でその楽譜やCDが売れるようになれば、「名曲」として後世に残る候補に挙がるかもしれませんが、現状はほど遠いものです。
ありがとうございました、昔は貴族や資産家がパトロンとしていたことを聞いたことがあります、現在の資産家ももっと音楽家に資金提供して後世に残る音楽をサポートしていただけたらいいと思います。私のようなものではその時代に生きていても演奏会にいけなかったら音楽に触れられないわけで、今に生きてよかったと思います。
No.4
- 回答日時:
現代にはあんまりクラッシック作る人自体おらんのやけど、まあ、和声がアバンギャルドやからやろうね。
楽典や和声のイロハもないのに、ポップスやロックミュージシャンみたいな耳コピで耳に挟んだことある曲繋げあわせんねん。最近の人は。環境音楽とか実験音楽とか電子音の民族音楽とかも何かが作為的やね。やっぱ何年も色々な曲を訓練した弦(鍵盤含む)かせいぜい管楽器で、一音一音理論に応じて組合わせるのがええやろね。僕にはむずかいい話ですが、作為的という言葉に納得しました。綺麗な音を紡ぐことは聴いているものを幸せにしてもらえます。ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>音楽が最近の音楽家の元ではできないのでしょうか。
ちょっと意味が分かりにくいのですが、音楽家というのは作曲家のことですよね?
現代の音楽が、聴いて楽しんでもらうことを前提としていないからではないでしょうか。結局現代の作曲家は「論文」として作曲をしているわけですよね。「音楽」ではなく「音学」。現代音楽は、実験的な意味合いが強くなり過ぎ、メロディックな美しい曲を作曲すると「時代の逆行」と批判されてしまいます。でも、メロディーを口ずさめないような音楽など、何百年経とうが万人に認められるわけがありません。
No.1さんの言うのはおかしいです。モーツアルトは自作の曲を次々に披露し、当時から売れっ子作曲家(浮き沈みはあったにせよ)でしたが、死後忘れられかけただけです。現在名曲と言われている曲の中には、確かに後の時代に真価を認められたものもありますが、それは少数派です。
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