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熱音響冷却の原理を理解したいのですが・・・
熱で冷却する技術はガス冷蔵庫などに使われていることは知っています。
でもこの技術は音が本質的振る舞いをしているようです。
熱勾配があれば空気の伸縮が起こって音が発生するところまでは何となく理解できますが、なぜ冷えるのか全く理解できていません。
共振している音波(縦波)が熱エネルギーを離れた場所へ運ぶのですか?
このとき定在音波を使うのですか?
それとも進行波の音波を使うのですか?
またなぜ低い温度から高い温度へ熱が流れるのでしょうか?
殆ど理解できていません。よろしくご教授お願いいたします。

A 回答 (3件)

> そうすると熱の伝わる速さはどのように考えれば良いのでしょうか。



温度差と音波の変換では「空気の移動距離」と「音の波長」は無関係です。
例えば、スピーカーのコーンを想像してみてください。
100Hzの音を出す場合、0.01秒周期でコーンは往復しています。
100Hzの音の波長は約3mですが、コーンが3mもの距離を行ったり来たりはしません。せいぜい数mmです。
この場合の「移動距離」は「音量」に対応します。周期が同じなら、より大きく移動する方が、より速く移動することになり、音量が大きくなります。

同じように、音響冷却の場合でも、熱交換サイクルにおける気体の移動距離は、音の波長とは無関係になります。
あとは、
・より大きく動いた方が、音量が大きくなるので、それだけエネルギーの変換量が増える
・より速く動いた方が、熱交換回数が増えるので、それだけエネルギーの変換量が増える
ということになります。

ここで、熱交換サイクルの変換効率は、「音の周波数」には依存しますが、「音の波長」には依存しません。
一方、共鳴音の「波長」は「管の長さ」から定まり、「周波数」は「波長と音速」から定まりますので、
(ヘリウムガスを吸って発声すると音が高くなるように)
音速の速い気体の方が、同じ管で波長が同じでも、周波数は高くなります。
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この回答へのお礼

私の疑問に沿って繰り返しお答頂きありがとうございました。
mtaka2さんには心よりお礼申し上げます。
スピーカーのコーンのお話は目から鱗でした。音速、波長、振動数、
音量、移動距離、それぞれの役割を具体的にイメージできました。
3回のご回答を総合して理解がかなり進みました。
今後ともよろしくお願いします。

お礼日時:2009/06/05 22:55

> 音の共振の場合はどこからどこへ熱エネルギーが流れるのですか?



私の先ほどの回答の2つ目のリンク先
http://members.jcom.home.ne.jp/kobysh/experiment …
をまず読んでください。

音は秒速300メートルちょっとで進みますが、
空気そのものがそんな速さで移動するわけではありません。

「音」は、ミクロで見ると、行ったり来たりを繰り返すだけで長期的には全然移動しない「空気の微小な往復運動」です。

その「微小な空気の移動」が「密度の違い」という形で伝わるのが「音の伝播」であり、その粗密の流れから、音の節とか腹という概念が出てきます。

この空気の微小な移動の間で、
「高熱側で空気が熱せられる」「低熱側で空気が冷やされる」を繰り返すことで、熱の移動が発生します。

注意しなければ行けないのは、熱音響冷却の「加熱」側と「冷却」側の間で「熱の移動」があるわけではないことです。
この「空気が熱せられる」「空気が冷やされる」のサイクルは、加熱側、冷却側、それぞれで行われています。

加熱側:
「高熱源」と「低熱源」の間の温度差が「音」という形でエネルギーに変換されます。
通常は低熱側は「大気温」で、それと「なんらかの熱源」との温度差を元にしてます。
エネルギーに変換後は温度差が少なくなります。
例えば、「気温よりも高い温度の水」を入れたら「気温に近い温度の水が出てくる」とか。

加熱側→冷却側:
「音」という形でエネルギーが伝播します。

冷却側:
音エネルギーを、温度差に変換します。
例えば、大気温とほぼ同じ温度の水を入れたら、
「大気温よりも低い温度の水が出てくる」とか。

この回答への補足

ご専門の方にご指導頂きとてもうれしく思っています。おかげ様で
大分理解が深まりました。もちろんご紹介頂いたリンク先の説明は読ませていただきました。
二つのスターリングエンジンをつなぐというのはとても良く理解できました。また

>>「音」は、ミクロで見ると、行ったり来たりを繰り返すだけで長期的には全然移動しない「空気の微小な往復運動」です。
これはとても勉強になりました。私は進行波を使えば音速で熱が移動できるものだと思っていたのでびっくりしました。そうすると熱の伝わる速さはどのように考えれば良いのでしょうか。特に振動数依存性はないと考えたほうが正しいのでしょうか。つまり波長には関係ないということですか。なんとなく波長に比例して低熱源、高熱源が離れる様に思うのですが、それは間違っていますか? リンク先の図面では高熱源のすぐ横が冷やされていて波長には関係ない絵となっています。共振はパイプの長さを決める役目しかもっていないのですか?
スミマセン何度もお聞きして。これから勉強をするつもりです。最後にもう一度だけお答頂ければ幸せです。

補足日時:2009/06/04 01:02
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原理をおおざっぱに言うと、スターリングエンジンを2台連結させたもの、と考えればいいかと思います。



http://www.aist.go.jp/aist_j/science_town/enviro …
スターリングエンジンでは、温度差を与えれば、そこからピストンの動きという形で仕事を取り出せますし、
逆にピストンに仕事を与えれば、そこから温度差を生み出すことができます。
ですので、2台のスターリングエンジンを並べて、ピストンを連結させると
加熱側: 温度差が減り、エネルギーを取り出せる
冷却側: エネルギーを消費して温度差を生み出す
という形で「熱を利用して冷却する装置」が出来ます。

このピストンの代わりに部分的な空気の圧縮・膨張を空気の密度変化=音で行っているのが、熱音響冷却です。
http://members.jcom.home.ne.jp/kobysh/experiment …

この回答への補足

ありがとうございました。>>このピストンの代わりに部分的な空気の圧縮・膨張を空気の密度変化=音で行っているのが・・・

ピストンの場合は空気の流れがはっきりわかりますが音の共振の場合は
どこからどこへ熱エネルギーが流れるのですか?たとえば音の節とか腹とか習いましたがそういう言葉で理解できますでしょうか。音波は空気の動きが縦方向にありますね。節に低熱源、腹に高熱源を持ってくれば
熱はどう流れるのでしょうか。もう一度ご教授お願いいたします。

補足日時:2009/06/03 22:18
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