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皇室は国民と違い、皇室典範という法律によって規制されています。

万が一のことですが、「天皇」罪をおかしたらどうなるのでしょう?
通常の刑事手続きが取られるのですか?
留置所で取調べをうけたり、裁判を受けたりすることがあるのですか?
それとも「想定外」なのですか。

1.憲法に規定されている重大な公務を怠った場合。
2.万引き、詐欺などの軽犯罪の場合。
3.強盗、殺人などの重大犯罪の場合。
4.テロ活動などの非合法行為を行った場合。

あくまで仮定の話であり、純粋に法律的な話です。
ごかいのないようにお願いします。

A 回答 (14件中1~10件)

1.刑法は日本国籍の有無を問わず適用されます(刑法1条,最判昭23・3・9)。


 したがって、仮に天皇が無国籍であるとしても、日本刑法の適用を受けるしょう。

2.天皇に、刑事責任が及ばないことについては学説上、ほとんど争いはありません(福田平・大塚仁・刑法総論(1)・P65,有斐閣・注釈憲法(1)・P207)。
 ただし、その理由を(1)「天皇の象徴性(憲法1条)」に求める見解と、(2)「皇室典範21条の勿論解釈」に求める見解とがあるように見受けられます。この違いは、(2)だとすると皇室典範を改正すれば天皇の刑事責任を追及することができますが、(1)であれば憲法を改正しない限りそれができない、という点に現れます。

3.天皇を逮捕することが可能かについては、管見する限り、これを議論する学説はありません。
 卑見を披瀝すれば、まず、2で(1)説をとるなら、「象徴性」と「逮捕」が親和的かが問題となるでしょう。
 次に(2)説をとる場合、典範21条の「訴追」の意義が問題となります。この点、同じく不訴追特権を持つ国務大臣(憲法75条)につき、「訴追」という文言にも関わらず、これは不逮捕特権を含む趣旨だとする学説も有力に存在することが参考になります(注解法律学全集・憲法(3)・P267)。つまり、「訴追」という文言は決定的でなく、やはりここでも「象徴性」と「逮捕」の親和性が問われることになるでしょう。
 そもそも、明らかに人的阻却自由を有する天皇について、現行刑事訴訟法上、逮捕に必要な要件である「逮捕の必要」(=起訴の可能性,刑事訴訟法199条2項)を満たすのかという疑念はあります(現行犯の場合に同条の適用があるかとか、細かく詰めると色々難しいのですが)。
 なお、たとえ逮捕が不可能だとしても、例えば現に機関銃を乱射している天皇を取り押さえることはできると思います。刑事訴訟法上の「逮捕」ではなく、例えば警察官職務執行法5条の「制止」などを利用すればよいでしょう。

4.共犯については、通常どおり、訴追を受けます(大コンメンタール刑法・1・P71)。
 現在の学説においては、天皇には刑法が適用されないのではなく、刑法は適用されるが人的阻却自由があるに過ぎないと解されているためです。皇族であっても、摂政でない限り、当然、訴追されるでしょう(皇室典範21条の反対解釈)。
 減刑についてですが、「天皇に逆らえなかった」という弁解がどれだけ説得力を持つかでしょう。天皇と言っても、物理的強制力を持つわけでなし、大した理由にならないような気がします。

5.皇室典範21条但書の解釈については、#11の方の通りです(福田他・前掲書・同頁)。

6.民事責任についても、#11の方の通り、これを否定した判例があります(最判平元・11・20)。
 この判例に対しては、学説の強い反対がありますが(有斐閣・注釈憲法(1)・P207)、おそらく将来も判例変更されることはないでしょう。
 なお、皇后については、民事責任の可能性を認めるような裁判例もあります(東京高決昭51・9・28)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
専門用語が飛び出し、すこしたじたじです。
でも、とても理解できました。

>天皇には刑法が適用されないのではなく、刑法は適用されるが人的阻却自由があるに過ぎない

 そういうことだったのですか。納得です。

>減刑についてですが、「天皇に逆らえなかった」という弁解がどれだけ説得力を持つかでしょう。

「日本国及び日本国民の象徴」の指導に従がうのが国民の義務かなと思ったのです。

お礼日時:2003/09/18 00:00

#3です。


>そもそも、天皇の刑事裁判権について皇室典範が定めなかったのは、その象徴性たるゆえんからでしょう。つまり、国民の象徴として天皇を扱っているのに、天皇が象徴に反する犯罪行為を行った場合について定めてしまったら、皇室典範が天皇の象徴性にケチをつけることになってしまい矛盾することになってしまうからです。

その国民の中の少なからぬ人が犯罪を犯しているわけですから、象徴たる天皇が犯罪を犯してもおかしくはないと思いますが。残念ながら(?)この憶測のとおりかとは思います。

>天皇の下の存在である摂政が犯罪を犯しても訴追されないのに、天皇が行うと訴追されるというのはつじつまが合いません。摂政でさえ訴追されないのだから、天皇も訴追されないと考えるのが自然でしょう。

これも憶測ですね。もっとも、現行の皇室の運用では「委任を受けた皇族」=「天皇」以外ありえないですから(将来はどうか知りませんが)、『皇室典範』の「摂政」は関係なく「国事行為の臨時代行に関する法律」の定める「委任を受けた皇族」=「天皇」は訴追されない、というのが決め手になるんでしょうね(事実上、明治以来「摂政」なんていなかったわけだし)。

追加質問についての解答がありませんが、

>天皇と共犯や実行犯が一緒に立てこもっていた場合は、一斉逮捕できますか?
>「違法と知っていたが、天皇の命令には逆らえなかった」と供述した場合、厳刑の対象になりますか?

まず「一斉逮捕されるか」については、法律で「訴追されない」とは明記されていますが「逮捕してはいけない」とはかかれてませんから、逮捕せざるを得ない状況なら逮捕してもいいということになるでしょうね。
たとえ天皇で「訴追されない」特権を持っているとはいえ、国民に害をなす行為を続けているものを放置しておくわけにはいかないでしょうから、逮捕はされるでしょう。
その後の刑事訴訟の流れとしては、訴追を受けない特権をもっているのは天皇だけのようですので、共犯者(皇后・皇太子・皇族でも)は訴追を受けるのでしょう(天皇だけは逮捕された後すぐ開放されるのでしょうね)。
減刑されるかどうかは裁判官の判断次第だと思いますが、普通の犯罪の場合主犯の影響力が強ければ共犯は減刑されることがありますよね。天皇は「訴追されない」だけで刑法の適用を免れるものではありませんから(そのような規定はないようですね)主犯は主犯(つかまらないけど)、共犯者は減刑されることもあると考えるのが自然ではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
共犯関係についてはごもっともだと思います。

>事実上、明治以来「摂政」なんていなかったわけだし)。

わたしの記憶が正しければ、大正天皇が体が悪かったので、大正11年くらいから皇太子が摂政になったと思います。

>共犯者(皇后・皇太子・皇族でも)は訴追を受けるのでしょう。

皇族でも受けますかね。

お礼日時:2003/09/17 02:41

そもそも訴追という言葉自体、刑事責任を追及するという意味であり、逮捕、公訴提起のことを意味すると考えられています。

つまり、皇室典範21条は民事について規定されるはずがないのです。

>>また、訴追を受けないのが、皇室典範においては「摂政」、「国事行為の臨時代行に関する法律」では「委任を受けた皇族」に限っている点も気になります。「天皇が」とは明示されていない。これって逆に、天皇も罪を犯したら訴追されるということになるんじゃ?

おかしな話です。天皇の下の存在である摂政が犯罪を犯しても訴追されないのに、天皇が行うと訴追されるというのはつじつまが合いません。摂政でさえ訴追されないのだから、天皇も訴追されないと考えるのが自然でしょう。

そもそも、天皇の刑事裁判権について皇室典範が定めなかったのは、その象徴性たるゆえんからでしょう。つまり、国民の象徴として天皇を扱っているのに、天皇が象徴に反する犯罪行為を行った場合について定めてしまったら、皇室典範が天皇の象徴性にケチをつけることになってしまい矛盾することになってしまうからです。天皇が象徴としての役割を果すためには、天皇は悪いことをしないはずだという前提に立たなければならないため、それらの規定を置くことができなかったのだと考えられます。

他の部分については#11の方が説明されている通りです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
天皇の刑事裁判権について皇室典範が定めなかった理由、納得しました。
「天皇=象徴」という部分と「天皇=人間」という部分が分けられないわけですね。
象徴=シンボルですね。大変な役を負っているわけですね。

お礼日時:2003/09/16 22:09

「自信なし」にすれば何を書いてもいいと言うわけではないと思いますが……


さて,諸説出てますが,あまり鵜呑みにされないほうがいいですよ。

天皇が日本国民であることには争いはありません(憲法第3章の「国民」に含まれるかは争いがありますが)。
天皇が刑事責任を追及されるかはすでに回答にあるように,摂政や臨時代行者が刑事訴追を受けないことの当然の前提として,天皇は刑事訴追を受けないと考えられています。

内閣総理大臣が天皇を処罰する?そんな権能が内閣総理大臣にあると言うのは聞いたことがありません。出典なり根拠をお示しいただければと思います。

「但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」と言うのは,在任期間が長期に及んでも時効は完成しないと言うことです。摂政を退任したあとに訴追することができるという意味です。
ただし,天皇については生前譲位が認められていませんから(皇室典範4条),訴追されることは現行法上ありません。

民事裁判については,天皇には民事裁判権は及ばないと言うのが判例です(最判H1.11.20 民集43-10-1160)。訴状を却下すべきとされています。したがって,少なくとも天皇を被告として民事裁判を起こすことはできないことになります。

パスポートについては,天皇については不要です。これは「元首はパスポートを必要としない」という国際儀礼によります(天皇が元首かどうかは争いがありますが,天皇が国際儀礼上,元首級として取扱われることに争いはありません)。
その他の皇族については,そのつど「外交旅券」を取得して海外に行きます。ちなみに皇太子の官職欄は「CROWN PRINCE OF JAPAN 」となっています。。

この回答への補足

ありがとうございます。
この毅然たる文章を読むと、なんだか結論が出ちゃったという気になります。
「天皇には民事裁判権は及ばない」ということは、逆もまた真なりで、民事裁判は起せないということですね。

>その他の皇族については,そのつど「外交旅券」を取得して海外に行きます。

 少し安心しました。個人で海外へ旅行にゆき、骨休めできるわけですね。
 
 さて最初の質問をちょっと変えます。
 天皇が犯罪を行ったばあい、それを助けた者たちはどうなるでしょうか?すなわち主犯が天皇で、共犯あるいは実行犯が国民だった場合です。
天皇と共犯や実行犯が一緒に立てこもっていた場合は、一斉逮捕できますか?
「違法と知っていたが、天皇の命令には逆らえなかった」と供述した場合、厳刑の対象になりますか?

補足日時:2003/09/16 21:47
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何度もお邪魔します。

#3です。

わかった!
#7さんへの再質問「もし強盗をした場合、被害者から民事訴訟をおこすことはできますか?」でわかりました。「但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」って言うのは、民事訴訟で訴追することはできる、ということですね。でも、「訴追されない」のでその訴訟は速却下される。こういうことでしょうかね?

この回答への補足

ありがとうございます。

#7さんの言うとおりに皇室典範21条に「摂政は、その在任中、訴追されない」とあるのは、当然天皇も訴追を受けないと解釈しましたが。
もし皇室の人同士で、武力衝突など起した場合、複雑なことになりそうですね。
警察もどこまで介在していいか分かりませんね。

補足日時:2003/09/16 16:46
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#3です。


たしかに、皇室典範21条に「摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」とありますね。
ということは、摂政以外の皇族(皇太子など)は訴追されるということになりますね。というのは質問から外れるからおいておいて、最後の「但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」というのが少し気になります。わざわざ但し書きしているのはなぜでしょうね。

また、訴追を受けないのが、皇室典範においては「摂政」、「国事行為の臨時代行に関する法律」では「委任を受けた皇族」に限っている点も気になります。「天皇が」とは明示されていない。これって逆に、天皇も罪を犯したら訴追されるということになるんじゃ?
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すみません。

♯1です。下記URLに皇統譜に関する法令がのっています。通常言う戸籍とは異なるみたいですね。ちなみに補足ですが、国籍がないから犯罪者にならないという意味ではなく、天皇家の方々はどこの国にも属さないから処罰できないのでは、と言う意味です。

参考URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~law/law/ldb/S22R0001 …
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
>天皇家の方々はどこの国にも属さないから処罰できないのでは

ということは、皇族の方々は宇宙からやってきた宇宙人のような扱いを受けることになるわけですか?
宇宙人が万引きをしても処罰されないでしょうからね。
いいことをした場合はどうでしょう?
すばらしい発明・発見をしてノーベル賞をもらうことができますか?
その賞金は自分のものになりますか?

お礼日時:2003/09/16 15:46

 刑事手続はとられません。


 根拠は,皇室典範21条で摂政が在任中,訴追されないと,また,国事行為の臨時代行に関する法律6条でも委任を受けた皇族が訴追を受けないと明文規定があるため,当然に天皇が刑事訴追を受けないことが前提とされています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
国会議員の「国会の開会期間における不逮捕特権」のようなものがあるのですね。
もし強盗をした場合、被害者から民事訴訟をおこすことはできますか?

お礼日時:2003/09/16 15:39

#3です。


#5さんの「逮捕できない」というのはありえると思います。何せ、行政の長である内閣総理大臣の任免を行う天皇を行政の下っ端である警察官が逮捕できない、というのは十分考えられます。もっとも、逮捕できなかろうが在宅起訴すればいいわけですよね。
#4さんの内閣総理大臣が処罰、というのも少し疑問を感じます。司法権はあくまで最高裁判所所長傘下にあるわけで、内閣総理大臣がそれを行うのは明らかに越権行為では・・・?

現実論と原則論の回答が入り混じっているような気がします。私はあくまで「原則論」で回答しています。
現実問題、陛下がそんなことをするとはとても思えませんので、この質問には原則論で回答しないと面白くありません。
現実論を述べるのであれば、宮内庁や国家公安委員会が事実を隠蔽したり、隠蔽しきれない場合は替え玉に挿げ替えたりするんじゃないでしょうか。#4さんのいうようなこともありえないと思います。ましてや、憲法の改正を必要とする天皇陛下の廃位などありえようはずがないと思われます。

この回答への補足

ありがとうございます。
原則論では、逮捕、廃位はありえませんか。

ところで、現実には天皇はパスポートなしで海外渡航をしてるんでしょうか?
皇太子がイギリスに留学していたこともありました。
あれもやはりパスポートなしの国家要人VIP待遇ですか?
個人で気軽に海外旅行を楽しむことは不可能なのですか?

補足日時:2003/09/16 15:29
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中学の時に社会の先生に天皇が人を殺したら逮捕できるかときいたら出来ないと言ってましたよ。

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この回答へのお礼

ありがとうございます。
同じ疑問をもった中学生の貴方に親しみを感じます。

お礼日時:2003/09/16 15:28

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