敬意の対象について

宇治拾遺物語・「秦兼久の悪口」に

「この殿は大方、歌の有様知り給はぬにこそ。かかる人の撰集承りておほするはあさましき事かな。」
という文があります。

訳が
（秦兼久が従者に対して、）「この殿さま（藤原通俊）は、全く歌というものをご存じない方だ。このような人が勅撰集の撰者をお受けしていらっしゃるのは、驚きあきれたことだなあ。」

です。

ここに見える「承る」なのですが、敬意の対象は、兼久から藤原通俊でよろしいのでしょうか？


よろしくお願い致します。

No.1 回答者： SPS700 回答日時： 2011/09/23 02:26

勅撰集というと、勅命または院宣によって撰者が選び編集したものですから、敬意の対象は、撰者に、勅命ないし院宣を出した、即ち究極的には、天皇か上皇ではないでしょうか。

この回答へのお礼

丁寧にありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時：2011/11/01 16:11