プロが教えるわが家の防犯対策術!

僕は韓国の日本語学習者です。こんばんは。

『私は悪魔憑きである。
 私の内には、明らかに私とは別の意志を持つ存在が棲みついている。私の身体は今やこの物に思うまま操られる傀儡(くぐつ)に過ぎない。(「占星術殺人事件」より抜粋)』

この「くぐつ」のことを韓国語では<꼭두각시>といいますが、
他の用例を検索してみたところ、とある辞典に、
「あいつは単なる傀儡(かいらい)だ. 陰で糸を引く者がいる」と出ています。
僕はこれも<くぐつ>と読みたいのですが、ダメですか。教えてください。

A 回答 (5件)

文面を拝見すると、とても優れた日本語の使い手の方のようですね。



前者の引用文における 「傀儡」 は、「あやつり人形」 の意味で用いられています。「人形」 も 「にんぎょう」 という音読みをしますが、「傀儡」 も 「あやつり人形」 という言葉と置き換えが可能な場合には、やはり音読みで 「くぐつ」 と読むのが、我々には自然な感じがします。

次の引用文における 「傀儡」 も、元は 「あやつり人形」 のことなのですが、「あいつは・・・」 とあるように、生身の人間のことを 「傀儡」 にたとえています。つまり、人形そのものではないわけです。私の感覚では、この場合には 「かいらい」 と読む方がいいかな、という気がします。「陰で糸を引く」 という表現があるので、いかにも 「人形」 のことを述べているようですが、人形にたとえられたものの実体は人間ですから、「人形」 を表す 「傀儡 (くぐつ)」 という読み方とは区別したい気持ちになります。

しかし、人間であっても 「くぐつ」 と読んで自然な場合もあるので、区別するのはまことにむつかしいです。その違いを説明するは容易ではないので、ここでは述べません。まぎらわしいですが、現代の出版物の場合、書き手がどう読んで欲しいかを ふりがな という形で示している場合がよくあります。
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この回答へのお礼

ご回答を何度も読みました結果、ふと、操縦の強度を思い出しました。
つまり、操られやすい人間、たやすく操縦できる人間の場合は、「くぐつ」の方がもっと相応しいのではないかと。
どうもありがとうございました。これからもよろしくお願いします。(*^。^*)

お礼日時:2012/07/18 14:25

べつに呼んでも構いませんが普通は使いません。



操り人形という意味では「くぐつ」、「かいらい」どちらの読み方も普通に使用されます。
操り人形のように陰から他人に操られている人や組織の場合は「かいらい」と読むのが一般的です。
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この回答へのお礼

かいらいが一般的ですね。ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2012/07/18 14:31

韓国が朴正煕軍事政権だったころ、北朝鮮の日本語短波放送は「朴正煕傀儡一味は~」と悪口ばかりいっていました。

発音は「ぼくせいきかいらいいちみは~」です。対抗して韓国の日本語短波放送では「北韓共産集団は~」といっていました。発音は「ほっかんきょうさんしゅうだんは~」です。

というわけで北朝鮮と韓国の短波放送では、私も若い頃勉強させてもらいました。朴正煕はアメリカ帝国主義の傀儡だというのが北朝鮮の主張でした。

傀儡には「くぐつ」と「かいらい」と2つの読み方があるのですが、これをどう使い分けるのかは説明が難しいけど、「くぐつ」は文語的、文学的なのに対し、「かいらい」は口語的、現代的という感じです。

くぐつと読んでもかいらいと読んでもどちらも間違いではないですが、私の言語感覚では、そう理解しているということです。
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この回答へのお礼

「朴正煕傀儡一味」のことを韓国語では<박정희괴뢰도당(朴正煕傀儡徒党)>といいますね。
「北韓共産集団(북한공산집단)」は、素朴な言い方で、よく<북괴(北傀[北韓傀儡徒党の略語)>と呼びました。お互いに五十歩百歩ですね。今にしてみれば、懐かしい感じもします。
mekuriyaさん、ご解答ありがとうございました。^^

お礼日時:2012/07/18 15:29

 「くぐつ」は訓読みで、「かいらい」は音読みでしょう。



 だから、「傀儡政権」のように他の漢語と同時に使用する場合には「かいらい」となり、傀儡を独立した言葉として使用する時には、本来は「くぐつ」だったのでしょう。

 しかし、「かいらい」が、日本人の大好きな「ai」が2度も使われる「kairai」であるために音感的にも好まれて、本来は「くぐつ」と読むべき場合にも使われるようになってきたのでしょう。

 例えば、「傀儡師」(傀儡子)は、日本の伝統的な旅芸人のことですが、芥川龍之介は自身の創作集のタイトルにも「かいらいし」として使っています。

 あなたの質問への回答としては、どちらも正解です。
 しかし、あなたが上げた例のように独立して使用する場合には、「くぐつ」が伝統的な使用法です。

 言葉は時代とともに変遷するものなので、すでに、「かいらい」と読んでも間違いではない時代になったのでしょう。
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この回答へのお礼

簡潔明瞭なご解説、ありがとうございます。
これをベストアンサーにしようと思ったとたん、もっと強力な解説登場というわけで、どうもすみません。^^これからもよろしくお願い致します。

お礼日時:2012/07/18 15:38

> 僕はこれも<くぐつ>と読みたいのですが、ダメですか。

教えてください。

ダメってことは無いですよ。
音読み,訓読みの違いだけで、意味はほぼ完全に同じだし、従い意味も通じます。
逆に言えば、「私は悪魔憑きである」の方の「傀儡」も、「かいらい」と読んでも構わないです。

そもそも「傀儡」は漢音発音で「かいらい」と読みますが、「くぐつ」とは読めません。
「傀を「く」とか「くぐ」、儡を「つ」「ぐつ」とは読みませんので。
従い「くぐつ」は「和訓(熟字訓)」です。

和訓と言うのは、もともとあった「和語」を、類似の意味を持つ漢字熟語などに当てはめ、無理矢理「そう読む」と決めた、特殊な読み方です。
その結果、発音上は中国語や韓国語との共通性はありません。

和訓の中で特にひどい(?)のは、「熟字訓」と言うもので、たとえば「七夕(たなばた)」とか、「注連縄・七五三縄(しめなわ)」など、どの漢字がどの平仮名に当てはまるのかさえ判別出来ない様なものです。
「傀儡」を「くぐつ」と読むのも、この「和訓(熟字訓)」です。

漢語発音(かいらい)では意味が通じにくそうな場合とか、敢えて日本的なニュアンスを伝えたい場合などは、「くぐつ」と読んだり、読ませたりした方が良いかと思います。
また和語は、日本に元からある「古い言葉」ですから、「古さ」とか「格調」などを感じさせる語感はあるかと思います。

一方「傀儡政権」など、政治用語的な熟語とか、公文書などへの記載においては、そもそも和語(和訓や熟語訓を含む)的な表現は嫌う傾向があります。

これは、日本の近代化の歴史が始まった明治時代の「文言一致運動」などとも関連すると思うのですが、特に文章表記において、古臭い独特な表現(「~で候(そうろう)」など)はやめて、会話に近い文章(「~です」「~ます」など)にしようと言う傾向が強まり、その中で古臭い和語表現も、あまりカッコ良くないと思われ、やや嫌われたのでは?と思います。

大人の世界とか公共の場では、和語的な「赤ちゃん」「赤ん坊」「赤子」などは使用せず、漢語的に「乳児」などと言う様になってきたワケです。

「くぐつ」も「赤ちゃん」と同様で、和語独特の古臭さとか幼稚さなどを感じさせる言い回しであるとは言えるかと思います。

「あいつは単なる傀儡だ」と言う表現は、友人間の会話などと思われますので、「くぐつ」と読んでも構わないとは思いますが、公的な場とか、公的な内容を語る場合(例:「野田首相は財務省の傀儡だ!」)には、「かいらい」と読む方が、適切ではないかと思いますよ。
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この回答へのお礼

教科書的なご説明、目から鱗です。
日本小説を読むのが僕の趣味なので、熟字訓・当て字のおかげさまで嘗ては一苦労しました。
「素人の太刀使い」が現在の僕の日本語水準だと思ってもっと精進致します。これからもよろしくお願いします。どうもありがとうございました。^^

お礼日時:2012/07/18 15:52

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