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中性子が原子核と弾性散乱する場合において、中性子のエネルギーEn、質量をm、重心系での中性子の散乱核をb、原子核の質量をMとすると原子核の受ける反跳エネルギーEは次式で与えられる。

E = 2mM*(1-cos b)*En/(m+M)^2

と以上のように教科書に書いてあるのですが、上記の公式を運動エネルギーの式や運動量の式を用いて導きたいのですが、どなたか解説おねがします。私は、高校の時に物理を選択していなかったため、できれば丁寧に解説していただけるとありがたいです。

A 回答 (2件)

速度wで動いている重心Gから観察したとき、どのような現象が見られるかを考えてみます。


 
重心は、中性子Aと原子核Bとを結ぶ線分上に有ることは明らかです。
そして、どの瞬間でも
 AG:GB=M:m
の関係にありますから、Gから見たA,Bの速さは
衝突前:
 v':w=M:m  式(1)
「 また、Gから見たAの速さv'は、相対速度の考え方から
 v'=v-w  式(2) 」
(1),(2)から
 w=(M/(M+m))・v 式(3)
Gから見た、衝突後のA,Bの速さは
 u:U=M:m  式(4)
で、速度v'と速度w、速度uと速度Uは、互いに正反対向きの速度となっています。
 
ベクトルu,Uをそれぞれ、重心系(x,y座標として示しました)で成分表示すると
 ベクトルu=(u・cosb,u・sinb)
式(2)を考慮すると
 ベクトルu=((M/m)U・cosb,(M/m)U・sinb)
また、図から明らかなように、Bの速度ベクトルは
 ベクトルU=(-U・cosb,-U・sinb)
 
さて、中性子と原子核との衝突は完全弾性衝突と考えて良いですから、重心は、衝突の前後でその速度を全く変えることはありません(系全体の力学的エネルギーは保存されます)。つまり、衝突後も、重心の速度はベクトルw(x軸の正の向きの速度)のままなのです。
 
このことを考慮して、衝突後のA,Bの速度を、静止している観察者から見た速度(u'とU')として表現してみますと
 ベクトルu'=((M/m)U・cosb+w,(M/m)U・sinb) 式(5)
 ベクトルU'=(w-U・cosb,-U・sinb)      式(6)
となります。衝突後のA,Bの力学的エネルギーの和Eは
 E=(1/2)m・u'^2+(1/2)M・U'^2
ここで
 u'^2=((M/m)U・cosb+w)^2+((M/m)U・sinb)^2
 U'^2=((w-U・cosb)^2+(-U・sinb)^2
です。 
衝突が完全弾性衝突ですから、このEは、衝突前の中性子Aの力学的エネルギー(1/2)m・v^2と一致しているはずです。
 E=(1/2)m・u'^2+(1/2)M・U'^2=(1/2)m・v^2 式(7)
式(4),(5),(6)を(7)に代入して、Uを求めると
 U=(m/(M+m))・v
となります。
これを、改めて、衝突後のBの力学的エネルギー
 (1/2)M・U'^2
 =(1/2)M・{((w-U・cosb)^2+(-U・sinb)^2}
に代入して計算すると、所期の値が得られます。
「弾性衝突に関する問題」の回答画像2
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原子核の静止系(実験室系)における重心の速度を求める


→重心系で中性子・原子核の速度を求める
→運動量・エネルギー保存則から衝突後のそれぞれの速度を求める
→実験室系での原子核の運動エネルギー(反跳エネルギー)を求める

という流れですね。
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