1、現代日本では切腹という行為はもうありませんが、切腹のような精神がまだ残っているでしょう か。たとえばどういう形としてのこっていますか。
2、昔、なぜ切腹をするのでしょうか。切腹によって何を表明するのでしょうか。
補足:海外日本語教育現場で頑張っている一新米日本語教師です。日本文化が大好きですが、上記の疑問に困っております。
ここの日本人の皆さんの知恵をお借りして、日本文化を正しく理解いたしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。私の質問に対する皆様のご回答は、私の日本語授業の教材として活用させていただきたいと思いますので、よろしければ「ですます体」のご説明をお願いいたします。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
1、現代日本では切腹という行為はもうありませんが、切腹のような精神がまだ残っているでしょう か。
たとえばどういう形としてのこっていますか。精神としては、組織の指導者が不祥事を起こした際に、不祥事の後始末をさせる前に直ちに辞職を要求する、という社会風潮に色濃く残っています。
「サッサと腹を切れ」という表現をします。
負債を大量に抱えてしまった企業の場合には、本来であれば、経営内容を熟知している経営責任者が善処すべきですが、社会風潮がなかなか許しません。
政治家の汚職などの不祥事でも即刻辞任を要求します。
一般の人達でも、謝罪や弁済などをしても許されずに自殺する、という事態は頻繁に起きます。
特に、中小零細企業の経営者に多く見られます。
社会風潮として、自殺をするとそれ以降は一切不問とするという習慣が色濃く残っています。
2、昔、なぜ切腹をするのでしょうか。切腹によって何を表明するのでしょうか。
自殺の手段として腹部を切るというのは、歴史上も余り事例はありませんでした。
切腹が名誉とされるのも、16世紀後半ぐらいからです。
16世紀の戦乱の時代に、敗軍の総司令官が自殺することをもって終戦とし、家臣や領民は身の安全を保証されました。
諸外国のように敵軍を殲滅するということはありませんでした。
総司令官が如何に見苦しくなく自殺するかが、評価されるようになり、自殺の手段として最も苦痛の大きい切腹が称讃されるようになりました。
戦乱が終結に向かった16世紀の末ごろから、戦闘を責務とする武士の処刑方法に取り入れられました。
17世紀に入り平穏な時代に移るとともに切腹も儀式化して形式が整いました。
武士に適用された理由としては、自分の不始末を自力で処理するため、主君より「死を賜る」という考え方です。
名誉ある死とされた。
この為に、逆に武士が処刑される際に切腹以外の方法を施された場合は、不名誉なただの罪人と看做されました。
17世紀以降の平和な時代にも多くの武士が切腹させられましたが、その際には、実際は腹部に刀の刃を当てた瞬間に、側にいる介錯人と呼ばれる処刑官が首を斬り落としました。
場合によっては、腹に当てる刀も扇子で代用するということすらありました。
これでは、芝居にも小説にもなりませんので、小説や芝居、伝聞では、壮絶な描写が専ら用いられました。
武士の子弟は、この切腹の作法を厳しく教えられました。
17世紀以降のいわゆる江戸時代には、この処刑官は、組織上はどこの組織にも属さない浪人とされていました。
首を一気に切り落とすというのは、相当に熟練した技能が必要ですので、専門家の子孫が代々受け継いでいました。
江戸市中の処刑が行われる牢獄の敷地内に広大な屋敷を持っていました。
各大名家では、武士が処刑の対象となるような事件は極めて稀な為に、必要となった際には、最も武術に優れた人が請け負いました。
やむを得ず、私的に切腹をする際には、腹部に刀を刺した後首の頸動脈を切るか、喉に先端を当てて倒れ込むという方法をとりました。
武士が面目(名誉)を傷つけられたときには、切腹という手段を選択することを習慣として強要されました。
腹部を切るだけで絶命するというのは相当に難しい作業です。
おそらく出血多量で絶命するケースの方が多いのでないのでしょうか。
明治以降になると、切腹という処刑方法が廃止になったにも関わらず、儀式や名誉という事柄だけが独り歩きをしてしまい、軍人や一般人が介錯人もなしにやるという無茶が度々起きていました。
1970年に右翼思想を持った三島由紀夫という小説家がやりました。
おそらくこれが今までのところ最後ではないかと思います。
死刑や自殺方法まで儀式化、様式化してしまうという文化は日本以外には余り見られないかと思います。
お礼が出張で遅くなって、大変恥ずかしく思っております。相当詳しいご説明をいただいて、日本文化に対する理解が深まりました。感謝いたします。
No.7
- 回答日時:
切腹には2つの意味があると思います。
一つは自分のした事に対する責任を取る方法としての切腹。
もう一つの意味は何か社会的な問題などに対する抗議の意味での切腹です。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121229/crm …
このような大学生による抗議の切腹もありました。
No.6
- 回答日時:
切腹は、日本の、武士にのみある刑罰でした。
死刑のうち、打首(うちくび)と 切腹 があったわけですが、
打首は武士として不名誉な刑罰、
切腹は武士としての名誉を残しての死刑、
と区別されてました。
切腹では武士の身分が守られているのに対し、打首は武士にあるまじきものとして家族は庶人の身分に落とされます。お家取り潰しとなるのです。
アメリカに家名を守るという風習があるのか定かではないのですが(キャロライン・ケネディ駐日大使は、かのケネディ大統領の娘さんということで、ケネディ家はアメリカで高家に位置するのでしょうか?)
斬首刑では家名を存続させることができなくなります。これは武士としてかなり悪いことでした。
江戸時代は特に、家名の存続が何よりも重視されていた時代だったのです。
平和な時代には武功を挙げて家を起こすことが不可能だったからです。
もっとも、町人のなかでも武芸や経理などに長じたものが武士の仕事をさせてもらえるような例外的な人事が、少しはありました。
打首は、介錯人(かいしゃくにん)が武士の首を斬ります。
切腹は、武士が切腹したあと、とどめとして介錯人(かいしゃくにん)が首を斬ります。
切腹だけでは死ねないので、介錯人がタイミングを見て斬るのです。
切腹が自分で腹を切ることが出来るぶん、わずかに余裕があると思います。
町中で切腹した武士の中には、切ったあと自分の臓腑を引っ張りだして、遠くへ投げつけた者もいるとか。本当かどうかは分かりませんが、歴史小説の中にはそういう描写もありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%87%E8%85%B9
No.5
- 回答日時:
>「ですます体」のご説明をお願いいたします。
ずいぶん安易な考えですね。人に教えるのであれば、内容を汲み取って自分の言葉にするのは当然だと思います。他人の言ったことを文体まで丸写しで教えるのが教育者だとは唖然とします。いかに新米とはいえ、そんなことで「日本語教育現場で頑張っている」といえるほど安易なものなのですか。
1.切腹の精神
江戸時代くらいまでは死刑の方法としていくつかありました。敗戦の将に対して打ち首や柱に縛りつけ下から槍で突き刺すとかが主です。それに対し、切腹は罪人扱いではなく自ら命を絶つ行為として名誉ある死に方とされました。腹を切っただけではなかなか即死しませんので介錯人が首を切ります。
最近では1970年に三島由紀夫が市谷の自衛隊で切腹しました。西郷隆盛も西南戦争で切腹しています。これらは実際に命を落としたのは介錯によってと見られています。
潔く責任を取る精神といえるでしょう。現在の政治家や企業トップは不祥事があっても部下のせいにしたりしてなかなか責任を取りません。切腹の精神はほとんど無くなっているとも言えます。
2.なぜ切腹をするのか
切腹の精神で述べているので理解できるでしょう。
あえて付け足せば、家の継承です。自分が死んでも家系を残すために名誉を重んじました。
ご指摘とご説明どうもありがとうございました。大変失礼なお願いですが、詳しいご説明をいただきまして、改めて感謝いたします。日本人の優しさをしみじみ感じております。
No.4
- 回答日時:
切腹ですかー
日本人というのは責任意識が強いんです。
ですから大きな失敗は自分の命で償う、という風習があったんですね。
例えば世界的に死刑が廃止されていってるのに、日本では死刑廃止反対が過半数になってます。
人の命を奪ったなら自分の命で償え、という考え方ですね。
確かに残酷に見えるかもしれませんが、私は終身刑などの将来の望みを一切奪われる刑も相当残酷だと感じますけどね。
世界でも残酷な時期にはあったのですが、日本では誰かが反乱などの社会的犯罪を行うと家族や親族全員が罪に問われるという時期があったんです。
特に不敬罪(例えば王などにとても失礼なことをしてしまうこと)は重い罪でした。
そこで切腹をすることで、どうか私の命で償いますから家族は罪に問わないでください、という手法の1つでもあったそうです。
連帯責任って最近まで日本にはあったんですよ。
第二次世界大戦中は特にひどかったですし、わずか65年くらい前の話です。
No.3
- 回答日時:
ちょっと順番が逆になりますが、
2.むかし切腹をするとう儀式は、武家社会つまり徳川家康が徳川政府を作って武家社会が安定してからだといわれています。また葉隠れの精神も導入さえれた感もありますし、死ぬことが美学のようになってしまったのかもしれません。
武家社会で町民を「ぶれい打ち」といって切ってしまうことも可能でしたが、後で責任をとって切腹と言うことになります。
罪人は打ち首ですが、武家の罪人は切腹が通常でした。切腹すれば、その後の責任は問わない。その武家の跡取りを持って家督を継がせる。とかですね。
もちろん例外もあったでしょうが、大体こんな感じでしょう。
1.切腹のような精神がまだ残っているでしょうか
たぶん、外国の方なら分からないと思いますが、日本企業の社長って責任を取って辞めます。って事が多いんですね。社長でなくても部課長、係長だって不祥事起こしたら辞任までいかなくとも責任とっていう行動をとらなければ日本では、後ろ指差されることになるかもしれません。
確かに最後の切腹は三島由紀夫さんでしたが、武士道というよりも葉隠れかそれに近いものですね。自分は死んでしまうけれどそれをきっかけに新しい行動を起こして欲しい。もしくはそうなって欲しいと願っての事だとおもいます。
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