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日本語が母国語ではないアメリカ人の立場から、以下の状況で日本人がいう「びっくりした」という表現の意味・用法・語感についておうかがいします。

日本人との会話で実際にあった状況から再現します(仮名で)。
ケイコ:まってソフィ、アレ、忘れないでいれといてよ。
ソフィ:もういれてあります。
ケイコ:あ、なんだ、ビックリした。

おなじ状況を英語でいうと、だいたいこんなかんじです。
Joe: Hey Sof, put that thing in the box. おいソフィ、アレ入れるの忘れんなよ。
Sof: It's done already. もう入れたもん。
Joe: Oh I didn't know that. Good. あぁ、そりゃ知らなかった。ならいいや。

3ばんめのセリフで,日本語での返しとして、強い語調で「あ、びっくりした」といういい方をよく耳にします。わたしには、とくに驚くほどのことではないとおもえるのですが、なぜ、決まりコトバのように「びっくりした」とかえってくるのでしょうか?

英語なら「知らなかった」だけですむことで、知らないことが責められる訳ではないとおもうのですが、知らなかったことにきづいたことが驚きなのでしょうか、それとも、知らなかったことのてれかくしなのか、意味がよくわかりません。どうかご教示ください。

A 回答 (13件中1~10件)

#12です。



>また意味としても、感覚の落差をしめすていどのもの、という説明に納得しかけていましたので、このご回答で、またループしてしまいました。
 :
日本語では「物事の様子を音の連続や変化で多様化させて感覚的に言い表す言葉」が実に多いものです。
これは一般に擬態語を指していますが、実は日常会話において最も多いのは「感動詞文」なのです。
例文:
「あっ(間投詞)、なあんだ(連語=代名詞「何(なん)+断定の助動詞「だ」)。イヤー、ビックリした(サ変動詞の完了形)。」

このように、女性の場合「アアー、ビックリした…。」とわざわざ言い回すことで、内心の動揺を表明しつつ、自身の感情の沈静化を図っているのです。しかも、そのような感情の流れをあえて露出させた表明の仕方を通じて、相手(聞き手)に対しての「内輪(うちわ)」としての親近性の表白ともなっているのです。
これが男性の場合なら「イヤー、よかった。一瞬あせったよ…」あたりになるでしょうか。

ソフィとジョーの会話のような実利的・合理的にして両者対等な応答形式に進むようなメンタリティーが思いつかず、もしくはそれではドライ過ぎると感じる側面もあってか、日本語においては感情的・感覚的な言葉の応答語を多用することで相手(聞き手)との距離感を調整する便利なやり方と言えるかもしれません。

参考:
「細君はたった一言ひとこと「まあ!」と云ったがそのまあの中(うち)には驚ろいたまあと、気を悪るくしたまあと、手数(てすう)が省けてありがたいと云うまあが合併している。」(夏目漱石「吾輩は猫である」)

ですから、女性に多い「アー、びっくりした。」は一般的な構文でのそれではなく、この漱石の「まあ!」のように会話の中に挿入された「感動句」や「感動文」であり、それが通り一遍の応答「Oh I didn't know that. Good.」といった素っ気ない調子でトントンと進めないで、あえて感情表現を挿入することがより会話に意味の多様性と親近性が加味されるという意識があるものでしょう。
男性の場合はそれほど複雑でもなく、「イヤー、よかった。」に「一瞬あせったよ…」を追加させている程度の感情表白態度として、いわば「御愛想(おあいそ)」か「照れ隠し」程度に留まっているわけです。

そして、このように多様な、あるいは多義性を込めた感情表現の多い日本語の根底にはベネデクトの分析のように「恥の文化」が横たわっているのかも知れません。
とまれ、今回の日本の女性が口にした「びっくりした」には、漱石「猫」の奥さんの「まあ!」同様に、「驚き」と「機嫌損ね」と「手間が省けた有り難さ」が「合併(同居・混在)」していると見てはいかがでしょう。

この回答への補足

お時間をくださりていねいにご回答くださった皆様には、あらためて心よりお礼を申しあげます。いただいたすべてのご回答が、とても参考になり、ためになりました。予想以上にたくさんのご回答をいただき、いくつもごていねいに再投稿まで賜り、恐縮いたしました。また機会がございましたら、ご教示くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。

たいへんありがとうございました♪

補足日時:2014/05/17 13:13
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございました。今回のご回答でうかがった日本女性の心理表現と言葉遣いの説明が、わたしが経験した「ああ、びっくりした」の表現にもっともマッチしているとおもいました。わたし自身がこうした境地にたてるかどうかは、疑問符ですが、日本人の方々の感情表現の奥深さを、日本語が母国語でないわたしの立場でも理解でき、たいへん勉強になりました。

お礼日時:2014/05/17 13:10

>英語なら「知らなかった」だけですむことで、知らないことが責められる訳ではないとおもうのですが、


 :
いえいえ、知らないこと、そのことに気が回っていなかったこと、そのような自分の不注意さを情けなく思い、そして自分を責めているからでしょう。

この場合のビックリは、予期していない事にドッキリ( be startled )であり、そんな自分の不注意ぶりにガッカリ(be sad )であり、そんな思いの至らなさに内心ではヒヤリ( be scared )としてしてしまったことの表現に当たるでしょう。一瞬、胃がキュッとなったような思い(be flabergasted )の表明です。照れ隠し程度であれば、「いやはや」「まいった、まいった」といった反応でしょう。

とにかく一瞬忘れていたことに怯(おび)え、自分の迂闊(うかつ)さに慌てた反省の反応がまずは「ビックリ」なので、いい意味でいえば責任感が強いのであり、悪く言えば前向きな朗らかさにつながりにくい「根暗(ネグラ)」な<性分(しょうぶん:nature)>なのでしょうね。

この回答への補足

英語を話す者としては,このような状況では「startled/sad/scared/flabergasted」のような起伏を感じないし、相手に感じてほしいとも思わないので、日本人が「びっくりした」というほどに感情の起伏があらわれる背景には、もしかしたら日本の「恥の文化」かなにかが影響しているのかな、とはじめはおもいました。

しかしながら、ほかのご回答をみるかぎり、そもそも「びっくりした」という表現そのものが標準かどうか、について意見がわかれていて、また意味としても、感覚の落差をしめすていどのもの、という説明に納得しかけていましたので、このご回答で、またループしてしまいました。

今回のご回答者のご説明のとおり、責任感のつよい日本人にはよくある表現ということになるのでしょうか?

補足日時:2014/05/15 15:15
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。心情のうごきについて、英訳もつけていただき、ご説明はわかりやすかったです。

お礼日時:2014/05/15 15:11

叙事詩と抒情詩とがありますね。


事実関係、入れた、入れなかった、入れるのを見た・知らなかった・・・・。
感情について、入れていなかったらどうなる、非常に後悔する・何かが台無しになる、が取り越し苦労(で済んだ)で実害がなかった安堵感。
例 ピクニックに弁当の入れ忘れ。
必要になってから気付いた時、ピクニック台無しで、非常に後悔しますね。
忘れていたら=非常に後悔、を連想、じつは入っていた=安堵感、非常に後悔と安堵、この落差の大きさをびっくりした、で表現しています。
事実関係を表現しているのではなく、もし・・・も含めて、それによる感情の動きを表現しています。
大げさにいえば、西洋合理主義とオリエンタルミステリアスに関係があるのかも・・・。
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この回答へのお礼

再度ご回答いただきありがとうございました♪
リリカルな感情表現として感覚の落差を意味する、言葉遣いとしては標準的、という理解ができそうです。

お礼日時:2014/05/14 20:36

叙事詩と抒情詩とがありますね。


事実関係、入れた、入れなかった、入れるのを見た・知らなかった・・・・。
感情について、入れていなかったらどうなる、非常に後悔する・何かが台無しになる、が取り越し苦労(で済んだ)で実害がなかった安堵感。
例 ピクニックに弁当の入れ忘れ。
必要になってから気付いた時、ピクニック台無しで、非常に後悔しますね。
忘れていたら=非常に後悔、を連想、じつは入っていた=安堵感、非常に後悔と安堵、この落差の大きさをびっくりした、で表現しています。
事実関係を表現しているのではなく、もし・・・も含めて、それによる感情の動きを表現しています。
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この回答へのお礼

再度ご回答いただきありがとうございました♪
リリカルな感情表現として感覚の落差を意味する、言葉遣いとしては標準的、という理解ができそうです。

お礼日時:2014/05/14 20:37

標準は非標準かは、分かりませんが、その「ビックリした。

」と言いたくなった気持ちは良く分かります。

誰かが、てっきり何か失敗しそうになっているのかと思いきや実は全然大丈夫だった場合は、「あ、なんだ、ビックリした。」と言いたくなってしまいます。

でも、質問者さんに「なんで私が忘れるかもしれないって思ったの?」と聞かれれば、やっぱり「なんでだか、分からない。」と答えると思います。 思わずそう思って口に出てしまった時って、深く考えて言ってるわけじゃないですからね。

「イカン、イカンもっと信用すべきだった。」と、心の中では思っているか、もしくは思っていて欲しいですね。

ココからは想像ですが、そこまで「もしかしたら、アレを忘れてるんじゃないか。」とか色々心配してくれるということは、けっこう過保護な人達なのかも知れません。
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この回答へのお礼

lexical/semanticな意味としてはアリ、standardな用法かどうかについては、限定的ということで理解しました。ご回答ありがとうございました♪

お礼日時:2014/05/13 21:07

#3です。



> 書類の内容とか、とある事柄ついて、一方がたずね,相手から返事や説明があり、最初にたずねたことが誤解や勘違い、とりこしくろうだったことがわかった際に、「な~んだ」というだろうとおもうところで、「な~んだ、ビックリした」というセリフになります。

これについても同じですね。一般的な日本語ではこういう使い方はしません。すでに言ったように
> そうでなければ,その人の仲間でよく使われる一種の方言です。
ですね。
その職場の人の日本語をしゃべる場所がそこだけになっているのではないですか?同じような人だけで会話をして,他の日本語話者との会話がないせいで,他の日本語話者が聞けば特殊と思われる語法が生まれているのでしょう。
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この回答へのお礼

そうですか…う~ん、あそこだけにあてはまる現象…とまでまだわりきれません。もう少し考えてみます。再度のご回答ありがとうございました。

お礼日時:2014/05/13 20:45

No.1です、補足読みました。



やはり一般的な会話ではないと思いますね。
「びっくりした」のが「入れてあった(ソフィが気付いた)」ことについてではないのは確かでしょうが、いくつか回答でも出ているように、可能性として「入っていないと思い心配になった」ことに対し「びっくりしちゃった(ハラハラした)」のであれば、第一声で「びっくりした」が出る可能性はあります。「あ、なんだ、良かった。無いかもしれないと思ってびっくりしちゃた。」という意味です。もし忘れても大して問題無いものなのであれば、さすがにハラハラしないでしょうからやはり「びっくりした」は使わないでしょうね。
ただ、それでも確立7/9というのは、一般的な日本語会話からするとやはり特殊かもしれません。

その職場内もしくは米国の日本人ビジネスマンだけのことであれば、そこに独特の言語体系が出来上がっているということは充分考えられますね。それ以外の日本人の日本語に触れる機会がそこではあまり無いのではないでしょうか。
例えば、日本語には、方言の他にも、「家族内でよく使われる表現、あるいはそこでしか通じない表現」があったりもします。親しい友達や男女の間にもそういったものが生まれたりします。
その会話の流れで「びっくりした」が真っ先に出てくるというのも、その職場に限ってのそういった類のものではないでしょうか。
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この回答へのお礼

再度ご回答ありがとうございます♪
意味としては、じぶんで心配になったことについてハラハラしたためにでてくる言葉、と理解することにします。ただ、特定の環境の日本人数人に限られた用法、と考えることに、まだ納得がいかず…もうすこし考えてみます。

お礼日時:2014/05/13 20:50

「あ、なんだ、(忘れているのではないかと思って)ビックリした。

」の省略表現です。
ただし、厳密に言うと、これは誤用です。
正確には、
「あ、なんだ、(忘れているのではないかと思って)どきっとした。」と表現します。

「びっくり」は、
「突然のことや意外なことに一瞬おどろくさま」という意味です。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/185375/m1u/ …
どのように考えても、今回のシチュエーションに適用するには無理があるしょう。
「忘れているのではないかと思って驚く」という表現は論理的ではありません。
「どきっと」は、
「驚きや恐怖などのために、強く動悸(どうき)が打つさま」という意味。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/157699/m1u/ …
こちらが正しい言葉。
「忘れているのではないかと思って、強く動悸が打った」であれば論理的です。
どちらも「驚いた」という要素が含まれているために混同しやすい、ということでしょう。
このような誤用が大手を振ってまかり通るという現象は、日本語では時折見られる現象です。
  
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました!
これで「びっくりした」の意味はとてもよくわかりました。おなじ状況で、みなさん「どきっとした」ともいっています。自分自身の心配事について、ハラハラドキドキだったわけですね。メイクセンスです。

お礼日時:2014/05/13 20:54

こう書くと、他の日本人も納得できるかもしれません。



あれ?これってAじゃなかったっけ?
Bになってるみたいだけど……ああ、やっぱりAでいいんだよな。
なんだよ、ビックリさせるなよー。

こういう感じなら、たぶん「ああ、ある」と思うんじゃないでしょうか。

この「ビックリした」は、自分に対する独り言のようなものです。

>ケイコ:まってソフィ、アレ、忘れないでいれといてよ。
このセリフの前に、実はケイコ自身がそのことを忘れていて、ハッと思いだしたのです。
「(あ!そういえば、アレ入れ忘れてるんじゃない!?)ねえ、忘れないで入れておいてね!」

そして、もう入れてあることを知って、ホッと一安心し、ハッとしたことに対して、びっくりしたーと独り言のように付け加えるのです。
実際の気持ちとしては、「慌てた/焦った」と言う方が正確なのでしょうね。

この独り言に近い言葉を、まるで相手に向かって言っているように話すのは、(現代の)日本語の特色と言えるのかもしれません。

また、「ビッ」の部分で息を強く吐くことで、精神的カタルシスが得られるのではないでしょうか。
例えば、手を上げろ!と言われたと想像して、ヒッを息を吸い込んで止めてください。
そこで、冗談だよと明かされます。「は~~~~」と長く吐きだす場合と、「……ハッ」と一旦止めていた息を強く吐き出す場合と、リラックスが早いのは後者だと思います。

この効果を無意識的に求めているのではないか、という一説を提唱してみます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。わたしはこれで納得できます。でも一説、となると、はたして日本語ノン・ネイティブのわたしが、これをそのまま「びっくりした」の用法として、おぼえてしまってもいいものか、迷います…

お礼日時:2014/05/13 20:59

 そのような会話であれば、まずあり得ない言葉ですね。

ただし、次のようなやり取りだったら、あり得ます。
 ケイコ:まってソフィ、アレ、<忘れないていない?>
 ソフィ:もういれてあります。
 ケイコ:あ、なんだ、ビックリした。
 
 入れ忘れたと、思い付いた時「びっくり」したのです。それを口に出した時は、もう安心しているのです。
よほど、大切なものだった(本人には)時、そのように言うことがあり得ます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます♪
こう解釈すると、汎用的な用法になるとおもいます。ほかのご回答では、うちの職場に限られた現象、というご見解がありますので、まだ悩んでいます。もうすこし悩んでみます。

お礼日時:2014/05/13 20:39

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