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質問者：icsm
質問日時：2022/02/08 12:58
回答数：2件

ルイスサッカー作の「道」という作品の内容を詳しく教えて下さい！お願いします！

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No.2

回答者： cobra921212
回答日時：2022/02/08 15:48

主人公のスタンリーは、有名野球選手のスニーカーを盗んだ容疑で有罪判決を受け、刑務所に入るかわりに、「穴を掘ることによって性格を矯正する」という理念の、少年矯正キャンプに入れられます。

そうして、たくさんの穴を掘りつづけますが、その間、自分が「墓穴を掘る行為をしている」ことには気づきません。
自分が掘り当てた「interesting 興味深いもの」を、リーダー格の少年におもねって譲り渡し、そのために、かえって過酷な労働が課せられてしまったり、
仲間に字を教えるかわりに、自分の穴掘りを手伝ってもらう、ということをしたために、とんでもない事態になったり、
自分や人にウソをついて、ラクをしよう、なまけよう、うまくやってやろう…、そんなズルイことを考えた結果、ラクどころか、かえって大変な状況に陥ってしまうことがつづきます。

困難から逃げようとしても、かえってひどい困難がやってくるだけ。困難に立ち向かわない自分は、「弱い」まま、逃げれば逃げるほど、どんどん弱くなるだけだからです。
「どうして不運ばかりつづくんだろう？」という問いの答えは、もしかすると神さまが、どんな困難も乗り越えられる強い力をさずけるために、わざと贈った贈り物、強くなるチャンス、なのかもしれません。
主人公は、脱走した仲間をたすけに、そして生きのびるため、困難に立ち向かいます。

ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは書けませんが、ラスト、主人公はたくさんの幸せを手に入れます。でも、いちばん手に入れて嬉しかったものは、「自分を好きだと思える自分」だったのではないでしょうか。
誰も、「弱い自分」なんて、好きじゃありませんよね。「強くなる」というのは、「自分を好きになれる」ということ。「今の自分は好きだ！」と思えるのって、最高の気分だと思います。そう思えた瞬間に、どんなに辛いことも、過去の嫌な思い出も、すべて帳消しになるのですから。

決して推理小説ではないですが、手法は近いように思います。いろんな伏線が散りばめられていて、つぎつぎに「AがBだからCになる」と証明されてゆく面白さは、数学の問題が解けるような面白さで、そこがこの物語の、最大の魅力という気がします。