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追い風・向かい風における着陸操作の要領について、質問させていただきたいと思います。
よろしければ、アドバイスをお願いします。

最初の質問ですが、航空力学の教材によると、アプローチ中向かい風が増加すると揚力も増えるためパワーを抑えてアプローチをすると記載があります。しかし、今までの体験と照らし合わせても、向かい風が強い時は接地ぎりぎりまでパワーを残さないと、着陸できないと思います。
この辺りが今まで自分にとって、とても理解しにくい部分です。

また、追い風での操作ですがGSが速くなるためパワーを早めに切り始めるイメージなのですが、最後までパワーを残していく意見なども聞きよくわからなくなってしまいました。
風が関わってきますので、一概にはこれが正解だ、とは言えないかもしれませんがどうぞ宜しくお願いいたします。

A 回答 (2件)

>また、追い風での操作ですがGSが速くなるためパワーを早めに切り始めるイメージなのですが、最後までパワーを残していく意見なども聞きよくわからなくなってしまいました。



追い風では、着陸はしません。

また、仮に、追い風で着陸する場合でも、グランドスピードは飛んでいる航空機にとっては関係ありません。

着地直前までは、あくまで、エアスピードだけで考えるべきです。


追い風の場合は、ファイナルレグが速く過ぎます。これは、例えば3゜といったグライドパスを守る場合、降下率が異様に速くなることを意味します。
航空機が、通常よりも強く地面にたたき付けられるイメージです。
これを防ぐために、強めのフレアー、と同時に強めのスロットルを入れて、緩和措置を取る必要が出てきます。

もし、フレアー前に エアスピードをギリギリまで落としてしまっていたら、フレアーなんてできません。そのまま失速して地面に当たります。


無事にフレアーも済んで、無事にタッチダウンできれば、当然その時点でのグランドスピードはかなりのものですので、それでもオーバーランせずに止まれるだけの滑走路の長さが必要になってきます。


(ファイナル上でパワーを切っているのは、高い降下率で降りてきているからです。GSが速くなるためではありません。)



>風が関わってきますので、一概にはこれが正解だ、とは言えないかもしれませんが

PPLの頃の事を思い出して下さい。エンジンフェリアのフォースドランディングですね。パワーなんて無くても、どんな風の状況でも、選んだ所へ無事に帰れるわけです。

ところで、PPLの頃に、「着陸時は、操作系が“逆転”して、エレベーターは速度(エアスピード)調整、スロットルは高度の調整。」ということは習いましたか?PPL時代、もしこのように教えてくれるところにお通いでしたなら、ラッキーでしたね。(もちろん、この場合、最初っからフラップを沢山出してしまうようなやり方ではダメ。です。)

フォースドランディングの時は、スロットルが使えません。しかし、エアスピード調整は全てエレベーターでできるのですから、あとは高度(降下率)調整はフラップで行うのです。フラップというものは、着陸中に一旦出した角度は引っ込めることはしてはいけないので、出していくだけの調整になりますが、別の言い方をすると、高めの高度で進入して、最後にフラップを トン トン トン って出していって高度調整をすれば、行きたい所へ自由に合わせられるわけです。高度を落とす方法にはフォワードスリップもありますし。

ということは、着陸時は、スロットルなんて一切無くても、航空機を完全に自由にコントロールすることができます。

いかなる場合でも、共通していることは、エアスピードだけは絶対に落とさない(空中では、失速速度に達するかもしれないような危険な領域には入らないように最も注意する。)ということです。

そして、
言うまでもないことですが、PAPIの3゜なんてのは完全に無視。です。

そして、これも言うまでもないことですが、
向かい風でフォースドランディングする時、向かい風が強い日は、弱い日と比べてかなり手前に到達することになります。(もっと先へ行きたい場合は、フラップを最後まで出さなければ良い。)
ダンウィンド中であれば、かなり遠くまで飛んで行ける。が、そのままダンウィンドでフォースドランディングさせることはしてはいけません。ダンウィンドの場合は、[通り過ぎてからターンしてヘッドウィンドで着陸できる場所]を、探さないといけません。(理由は、追い風だとGSが異様に速くなるため。尚、降下率は変わりません。)

上で、追い風中は降下率が速くなると書きましたが、それは、PAPIの3゜に沿った場合の話になります。
つまり、地面から見ている人にとって全く同じグライドパスで着陸している場合、ファイナル中の移動時間は 向かい風時はゆっくり。無風時は速くなる。追い風時はさらに速くなる。といったことになりますので、それに間に合うように降下させるためには、当然、降下率のほうも速くなるわけです。

PAPIの3゜を無視すれば、降下率は当然 同じになります。(定速走行中の新幹線の中で、紙飛行機を前に向かって飛ばしても後ろに向かって飛ばしても全く同じ様に飛んでいくのと同じです。)


本当は、PPLの初期の段階では「着陸時は、操作系が“逆転”して、エレベーターはエアスピード調整、スロットルは高度の調整。」ということと、フォースドランディングを徹底的に練習して会得して、
PAPIに乗せたり(頼ったり)、エレベーターで高度調整する着陸は、あとで始めたほうが良いとは思うのです。
最終的にはいろいろな操作方法が使えるパイロットになったほうが良いので
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この回答へのお礼

丁寧かつ詳細な回答、本当にどうもありがとうございました。
とても勉強になります。

自分の解釈の確認をしたいのですが、
追い風の時にフレアをかける前(やむを得ず着陸する場合)、元の目安のパワーにセットされていることを確認し、少し早目の切り返し(大きい降下率から)とそれに合わせてパワーを操作していくイメージでよろしいのでしょうか?

また、滑走路上では風が弱くなるということは理解しているのですが、実際にそれが揚力の損失を感じられるほどのものなのでしょうか?お恥ずかしいのですが、この点をあまり意識せずにいました。

お礼日時:2010/05/31 09:00

まず、向かい風・追い風ではなく、無風の状態で考えましょうか、




仮に完全に無風状態だったとし、(つまりエアスピードとグランドスピードが完全に一致)

この際分かりやすく、フラップも出さない(0゜)、または、10゜固定で、ファイナル進入用の決められたエアスピードを一定に保って降りてきたとします。

この時、進入角度を決めるのは、パワー(スロットル)ですよね?
つまり、スロットル全閉すれば、3゜よりも遥かに高い角度から降りてこれますし、または、パワーを使えば3゜よりも遥かに低い角度(極端に言えば水平飛行も可)で進入できます。

この時、仮に例えば3゜の角度で降りてくるようにパワーを調節したとします。一定のエアスピード、一定の降下率で、3゜の角度で降りてきているとします。
仮にこの時、向かい風が吹いたらどうでしょう?
機に慣性があるので、グランドスピードはそのままですが、エアスピードが上がりますね?
エアスピードが上がれば、揚力も増えるため、パワーを抑えないといけません。
これが、ご質問者様が質問文中に記載の「最初の質問ですが、航空力学の教材によると、アプローチ中向かい風が増加すると揚力も増えるためパワーを抑えてアプローチをすると記載があります。」についてと同じ話です。

もちろん、パワーを絞ったまま、そのまま続けられるわけではありません。
パワーを絞ると→機のエアスピードが減速し→元のエアスピードに戻ったら、再び元の位置までスロットルを戻さないといけません。
航空機にとっては、グランドスピードは関係ないのです。向かい風が吹けば、エアスピードが上がるのでパワーを下げて減速させ、エアスピードがファイナル進入用の決められたエアスピードにまで戻ったら、再びスロットルを調整し直す(向かい風が吹く前の位置になるはず)。ということになります。

ただし、通常、向かい風の時は、グランドに近付くとウインドシェア(ウインドシア)の状況でその向かい風が弱まることが一般です。
パワーを絞るどころか、ウインドシェアで向かい風が消えればパワーはほとんど“フルスロットル”でリカバーでしょう。ファイナルではこの点を気を付けていないといけません。
(レイトファイナルで、エアスピードが失速速度に達したら、もう何もすることができません。)



>しかし、今までの体験と照らし合わせても、向かい風が強い時は接地ぎりぎりまでパワーを残さないと、着陸できないと思います。

これはまた、全然別の話になってきます。

これも例えば、無風の時のことを例に考えましょう。無風時に、一定のエアスピード、一定の降下率で、仮に3゜の角度で降りてきているとします。

この航空機の状態のまま、向かい風が始まったらどうなるでしょう。(まだ1000ftの上空にいるような話の時です。)
先程の上記の話のような、「向かい風が増えた“その一瞬”」の時の話ではなく、こちらは、ファイナル全体での話です。

向かい風が吹き始めれば、航空機の進入角度は強くなります(3゜以上になる)。というか、そのままでは滑走路の手前に不時着する。という意味です。
エアスピードは同じです。降下率も同じです。しかしながら、向かい風によって後ろに押し流されているわけで、だからこそ、同じ降下率で降りてくれば着地点は手前になってしまうのです。
これを防ぎ、ちゃんと滑走路上に到達したければ、パワーを入れて降下率を小さくしてやる必要が出てきます。


・上記冒頭での話は、「向かい風が増加すると」といった、その時の数秒間の話。
・こちらのは、「向かい風が吹き続けている中でのファイナルアプローチ全体」といった、数分間における話。になります。



>この辺りが今まで自分にとって、とても理解しにくい部分です。

まず、航空機の場合、グランドスピードなんてのは一切考えないでしょう。(グランドスピードなんてのを考えるのは、ナビの時くらいでしょう。)
航空機にとって、重要なのは、エアスピードです。
そして、同じエアスピード・同じ降下率の場合は、無風の時よりも、向かい風の時のほうが進入角度が強くなります。言い換えれば、向かい風の時は、ファイナルでのディセンディング開始位置を遅らせて、滑走路に近いところでディセンディングを始めても良いということになります。または、3゜を守る必要があるのなら、3゜のグライドパス上を、パワーをかけながら向かい風に立ち向かって降りてこないといけないというわけです{エアスピードは同じ。降下率が減少。「時間がかかる」ということ。(グランドスピードが遅いので)}。
このような場合でも、もし、向かい風がふわっと強まれば、航空機もその時はふわっと上がってしまうので、それを防ぐために一瞬パワーを絞る。ということです。
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