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能楽における手組と位とはなんですか?


具体的に教えていただけると助かります。

A 回答 (1件)

「手組」 とは組みひもだとか工具だとかいろんなことに使われる言葉ですが、能でいうときには、囃子の 「手」 の組合せのことでしょう。


邦楽は小節がない、四分の四拍子だとか四分の三拍子とかで縦の線=小節線で区切られていないので、「リズム」 というものがよく感じ取れません。
能では、洋楽の拍子とは全く違いますが八つ拍子というリズムではなく 「間」 で計る、なんと言いましょうか、時間の流れを統一するリズムではないけど洋楽のリズムの働きをするものがあります。
その中で、鼓をポンポンポンとうつのか、ポン・・・ポン・・・・・・・ポンと打つのか、曲それぞれに決まっていて、その 「手」 の組合せが 「手組」 です。

「位」 は、身分の位は高い低いといいます。 高位の役職とか、身分が低いとか言います。
能では、「位が重い」 「位をもっと軽く」 という風に重い軽いと言います。
これには複数の意味やニュアンスがあります。
一つはテンポと言いましょうか。 洋楽で言うテンポと能楽の位とは違うんですが、 テンポのような意味にも使います。
舞と謡と囃子は一体となって進行しますが、 気迫を速い進行で表現しようとか、思いの深さをじっくり表現しようとか、そういう演者の表現意識や個性や主張を、 「位」 と言うのです。 テンポとして言えば、速いのは軽いで遅いのは重いです。
演者が軽快に舞おうとしているのに、囃子のテンポがのろいと、「そんなに重くなっちやだめだ」 ということになります。
「ここは重く行こう」 ということもあるわけです。
「位」 のまた別な意味は、
最初の 「手組」 を例にとると、洋楽では五線譜の上でいろいろな作曲ができますが、能の手組は決まっていて、何種類かの手の組合せです。 これを同じようにポンポンポンと打ったり、同じようにポン・・・ポン・・・・・・・ポンと打ったりしても、曲が違えば同じ手組でも表現内容が違うのです。
これを、位が違うと言うのです。
能には二百数十番の曲目がありますが、同じ能面を使うものや、またここでは 「舞の型」 の話は質問になかったので言いませんでしたが、同じ型を 「驚嘆」 の表現にも使えば 「憤怒」 の表現にも使います。
これも位が違うのであり、 演出意図だとか表現意図もひっくるめた、
なんと言いましょうか、技術技法をどう表現に結び付けるか、型通り技術技法、やり方通り手順通りやっても表現にはならない、 どういう位を示すか、 ということが表現だ、とでも言いましょうか。
言葉で説明するのはこのあたりが限度と思います。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ございません。
ご回答ありがとうございます!

なるほど、能の表現の仕方、といったところですね。
難しい質問でしたが丁寧に答えていただきありがとうございます!

お礼日時:2011/07/06 08:32

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