
■キレイごとは一切不要!本音で話し合おう
お話を伺ったのは、夫婦問題解決のスペシャリスト、夫婦円満コンサルタント(R)の中村はるみさん。
まず、最初の障害となり得るのは、親への挨拶。親からすれば、手塩にかけて育てた娘が自分たちと同世代の男のところへ嫁に行くと聞き、すんなり「はいそうですか」とはなり難い。
「親の懸念材料といえば、介護問題や死別後の生活、子どもの教育費などでしょう。現実的な話になりますが、これらを解決するのは経済力です。親は、娘が経済的に苦労することを心配するもの。生活費はいくらあり、生命保険の受け取りを彼女にした、などきちんと話すことで安心材料になります」(中村さん)
若いカップルならいざ知らず、ある程度の年齢になって「金はないし苦労させるけど彼女と結婚したい」では反対されて当然というわけだ。また、年の差婚の場合、相手がバツイチ子持ちであったり、相手の親の介護がすぐ必要になったりするケースがある。
「『彼女が僕の子どもを育てることはありません』、『両親は施設に預けるので介護の必要はありません』などと伝えましょう。彼女の方も、キレイごとは抜きにして『私はあなたの親の介護をするために結婚するわけではない』と彼に宣言することが大切です。そして両親には、どれだけ彼に惚れているかを説明しましょう」(中村さん)
彼ではなく彼の親の介護を考える上でも、やはり経済力は必須といえる。数字で安心させ、感情で訴えかけることがポイントだ。
■ファザーコンプレックスが隠れている可能性も
中村さんによると、二回り以上もの年上が好きな女性には2パターンある。自分を丸ごと許容してくれる男性に惹かれるタイプと、ファザコンタイプだ。前者は我が強く、経済的にも自立していることが多いので、親もすんなり理解を示すことが多いようだ。一方、後者は少し事情が異なる。
「年の差恋愛をする上で、まずは自分にファザコンの要素がないかを考えた方がよいでしょう。このタイプは父親との関係で満たされなかったものを満たしてくれるような年上男性に惹かれやすく、一人の女性としてよりも、子ども扱いされることを好みます。こうした女性が子どもを産んで育てるのは危険です。生い立ちを振り返るなどして、恋愛の前に自分を見つめ直すことが先になります」(中村さん)
お互いに自立していなければ、相手への期待や要求ばかりが膨らみ、よい夫婦関係を築くのは難しい。出産を望んでいるのならなおさら、自らのコンプレックスから抜け出す努力が必要なのだそうだ。
■女性が二回り以上年上の場合は?
ところで、年の差婚には「女性が年上、男性が年下」というケースももちろんある。この場合の懸念材料は、経済力以外に「子どもを産めるか産めないか」をはじめとする、性の問題にあるという。
「男性の場合、加齢により精力は衰えますが、子どもを持つことは不可能ではありません。しかし、女性の場合は閉経があるので、よりシビアになります」(中村さん)
日本人女性の平均的な閉経年齢は約50歳。個人差はあるが、閉経後に膣の乾きや性交時の痛みを感じる女性は多く、パートナーと心が離れてしまう要因にもなり得る。自然現象なのである意味仕方ないが、
「女性の場合、年を重ねるにつれて自分に自信がなくなり、彼に依存してしまうことも多いようです。しかし、男性もマザコンが原因で年上女性を好む場合はありますが、それ以外で多いのは『自立したカッコいい女性が好き』というもの。夫婦はお互いに未完成なものですが、『相手のニーズをどれだけ満たせるか』が恋愛関係をうまくいかせる秘訣です。これは媚びるのとは違いますから、いつまでもカッコいい女性であり続ける努力を忘れないでほしいなと思います」(中村さん)
とのこと。前述した年下女性の場合も、仕事は辞めずに自立した状態でいることが望ましいと話してくれた。
さまざまな障害はあるが、「年齢は関係なく、相手の人間性に惹かれた」と自信を持って言えるのであれば、きっと乗り越えていけるはずだ。
●専門家プロフィール:夫婦円満コンサルタント(R)中村はるみ
3000件以上の相談のうち8割の夫婦を「恋愛再燃」させ、解決。性差×性格分析による “性格分析交渉術”が「まるで魔法」と好評を得る。来談者の50%が男性。三井アウトレットパークや加賀市などの公共団体で延べ1500名に講演。「WEB夫婦円満学校」を主催するほか、銀座・日暮里・柏の葉キャンパスで対面相談に応じる。
(酒井理恵)