■いくつ観た?2019年国内映画興行収入トップ10
まずは、2019年の国内映画興行収入ランキングを見てみよう。
1位 天気の子
2位 アラジン
3位 トイ・ストーリー4
4位 名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)
5位 アナと雪の女王2
6位 ライオン・キング
7位 アベンジャーズ/エンドゲーム
8位 キングダム
9位 ONE PIECE STAMPEDE
10位 ドラえもん のび太の月面探査記
※ランキング出典:スポーツ報知(2019年12月31日時点)
10作品中6作品がアニメ映画(「ライオン・キング」を含むと7作品)。名探偵コナン、ONE PIECE、ドラえもんは根強い人気を誇る。公開からわずか1カ月余りでランクインした「アナと雪の女王2」をはじめ、4作品がベスト10入りしたディズニー映画の強さも健在だ。夢や信念をテーマとした「キングダム」など、全体的に、悲哀感がなく、前向きなメッセージが込められた作品が多い。「ボヘミアン・ラプソディ」「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」など、邦・洋画を問わず多彩な作品がランクインした2018年と比べ、2019年は特色がハッキリ出た年といえそうだ。
■この中で観るなら「ライオン・キング」!
イチオシは「ライオン・キング」。1994年に公開されたディズニーの長編アニメーションをリメイク。「超実写版」と銘打ったフルCG作品で、動物たちの表情や毛並み、息遣いなど、細部に至るまで徹底的にリアリティを追求。サバンナを駆け巡る動物たちの躍動感が表現されている。その圧倒的な映像美を自宅で鑑賞するなら、ぜひ画質にはこだわっていただきたい。アニメーションやミュージカルで観たことのある人もそうでない人も、一見の価値がある作品だ。
■ランク外からのオススメ作品「長いお別れ」
トップ10圏外からは、心温まる作品をご紹介。「長いお別れ」は、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督が手がけた、アルツハイマー型認知症の父をもつ家族の7年間の軌跡を描いた物語。キャスティングは、仕事にも恋にも不器用な次女に蒼井優、夫や思春期の息子とのコミュニケーションに悩む長女に竹内結子。そして、ゆっくりと記憶を失っていく父を山崎努、夫に寄り添う穏やかで心優しい母を松原智恵子がそれぞれ演じた。重くなりがちな題材に適度なユーモアを散りばめ、劇場は最後まで笑いと涙に包まれていた。
鑑賞後にポスターを見たが、「だいじょうぶ。忘れることは、悲しいだけじゃない」のキャッチコピーが効いている。正月に帰省しそびれたという人も、観ればきっと家族に会いたくなるはずだ。
今回紹介した作品は、天気の子、アナと雪の女王2、ONE PIECEを除くと、DVDやブルーレイは発売済み。ぜひ気軽にチェックして、好みの作品を探してみてほしい。
(酒井理恵)