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二世帯住宅にして「よかった」という人は何割? 失敗しないためのポイントを住宅のプロに聞く!

二世帯住宅にして「よかった」という人は何割? 失敗しないためのポイントを住宅のプロに聞く!マイホームを購入する際に、二世帯住宅を検討する人は多いという。しかし実際に住むとなると、「お互いの関係が悪化してしまうのでは?」と不安になる人もいるだろう。「教えて!goo」に寄せられた「嫁の意向を確認せずに突然二世帯住宅……」という投稿のように、「同居なんて考えられない!」と感じる人もいるかもしれない。そこで今回は、ナビナビ住宅ローン編集部の中澤悠生さんに、二世帯以上の住宅に住んでいる人へのアンケート調査を紐解きながら「後悔しない二世帯住宅づくり」についてうかがった。

■3世帯に1組が「完全共有型」に住んでいる


二世帯住宅などで他世帯と同居をしている人たちは、どのように居住スペースを分けているのだろうか。

同居している世帯との居住スペースはどのように分かれていますか?

「一戸建てに二世帯以上で住んでいる人を対象にアンケートを行ったところ、最も多かったのは居住スペースが『一部共有型』であるという回答(33.4%)でした。続いて、『完全共有型』であると回答した人は32.3%。約3組に1組の世帯が、他世帯と居住スペースを分けずに生活していることがわかります。いっぽう、水回りや玄関なども完全に分ける『完全分離型』で生活しているという人が、22.0%でした」(中澤さん)

二世帯住宅には、「共有型」「分離型」があるようだ。

「個人の居室を除いてすべての生活スペースを共有する『完全共有型』の場合、キッチンや浴室、リビングなどの設備が一つで済むため、建設時の費用や日々の光熱費などを抑えられるメリットがあります。とはいえ、他世帯と共有するスペースが多ければ互いの生活に干渉しすぎてしまったり、生活時間のずれなどからストレスを感じてしまったりといった問題が起こる可能性もあります」(中澤さん)

どちらも一長一短あるため、慎重に検討する必要があるだろう。

■二世帯住宅にしてよかったと感じている人は、「完全分離型」の方が多い傾向に


現在二世帯以上で同居している人のうち、どの程度の人が二世帯住宅にして「よかった」と感じているのだろうか。

二世帯住宅にして「よかった」と思われますか?

「全体で見ると、二世帯(もしくは三世帯以上)住宅にして『よかった』と答えた人は29.1%。『どちらかといえばよかった』(28.4%)と答えた人と合わせると、6割弱となりました。理由としては、『子供の面倒を見てもらえてありがたい』『近親者が近くにいう安心感がある』といった声が多く、他世帯からのサポートにメリットを感じていることがわかります」(中澤さん)

お互いを助け合える点は、大きなメリットといえるだろう。

「いっぽう、居住スペースの分け方別で見てみると特徴的なのが、完全共有型では『よかった』と答えた割合が22.7%であったのに対して、完全分離型では38.7%と、16ポイントも高くなっている点です。完全分離型では生活スペースが分かれているためにプライバシーが守られ、結果として生活の満足度も上がっていることがうかがえます」(中澤さん)

適度なプライバシーのバランスをとることが、二世帯住宅における円満の秘訣なのかもしれない。

■二世帯住宅で「関係悪化」は少数派!


心配なのが、他世帯と同じ住宅に住むことで、関係が悪化してしまうのではないかという点だろう。

二世帯住宅に住み始めたから、世帯間の関係に変化はありましたか?

「アンケート結果を見ると、二世帯住宅(もしくは三世帯以上の住宅)に住み始めてから世帯間の関係が『とても良好になった』(13.4%)、『どちらかといえば良好になった』(21.1%)と答えた人の合計は34.5%と、3人に1人。『関係に変化はない』(48.8%)と合わせると9割弱にのぼります。反対に、『どちらかといえば悪化した』(8.4%)、『非常に悪化した』(5.0%)と答えた人の割合は13.4%と、少数派でした」(中澤さん)

確かに、他世帯との同居で関係が悪化してしまうというケースはあるのだろう。


■円滑な関係を築くには、適度な距離感と思いやりが大切


では、他世帯と円滑な関係を築くためには、どのような点に気をつければよいのだろうか。

他世帯と円滑な関係を築くポイント

「同居によって関係が良好になったと答えた人が実践している行動は、大きく上記の4つに分けられます。まずは、協力し合いつつも、干渉はしすぎず距離感を保つこと。次に、お互いを思いやる気持ちを持つこと。また、金銭的なことや生活する上でのルールなどを事前に決めておくと、後々問題が起こりづらいでしょう」(中澤さん)

一緒に暮らしていく中で、予期せぬことが起こることもあるだろう。その場合はしっかり話し合う場を設けて、わだかまりを残さないようにしたいところ。

今後ますます高齢化が進む社会において、二世帯住宅は増えるものと予想される。工夫や努力によって円満な関係を築くことは十分可能なようだ。二世帯住宅に住む機会があれば、お互いに助け合うことで、うまく共存できるようにしたい。

●専門家プロフィール:中澤 悠生(なかざわ ゆうき)
エイチームフィナジーが運用する「ナビナビ住宅ローン」の編集者。住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャル・プランナー3級。「家を買いたいけど、ローンをどう選べば良いかわからない」「不動産屋さんに勧められるままにローンを契約したけど後悔している」などの悩みを解決するべく、どこよりも分かりやすい住宅ローン情報を発信しています。
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