![漢方のスペシャリストが教える!手軽な“温活”習慣](http://oshiete.xgoo.jp/_/bucket/oshietegoo/images/watchmain/7/542301348_5e37ca523a7dd/ORG.jpg)
■まずは身につけるものから変えよう!
お話を伺ったのは、漢方処方の専門家、国際中医師(国際中医専門員A級)の資格を持つ健康コンサルタントの早川弘太さん。
「体は動かさないと冷えやすくなります。日中あまり動かない足の指先は現代人のもっとも血流が悪くなる場所なので、1本1本の指が動きやすくなる五本指ソックスで定期的に足の指を動かすようにすると冷えにくくなります。また、皮下脂肪が少ない首・手首・足首は、血管と外気が触れやすく、冷えると血流が悪くなる『血管の関所』。長めの靴下、ハイカットのスニーカーやブーツ、手首まで隠れる長袖、マフラーやストール、パーカーや首がしっかり隠れる衣服で温めましょう」(早川さん)
指先や首元は気をつけている人も多いだろうが、実は意外にも、かかとの冷えも大敵なのだという。
「かかとを冷やすと体の血流が悪くなりやすいので、かかとまでしっかり入るスリッパなども活用しましょう。また、冬はできるだけ緩めの下着にしましょう。きつい下着は血行不良の原因となり、冷えの原因となります」(早川さん)
体に密着するガードルは一見暖かそうだが、血行不良の原因となり得るようだ。さらに、カイロを利用する際もひと工夫しよう。
「冷えによいツボのそばにカイロをあてると効果的です。へその裏辺りの腰にあるツボを命門(めいもん)、へそから指4本下を関元(かんげん)といいます」(早川さん)
冷えた場所にただ使用するよりも、効果的に温めることができるとのこと。
■コーヒーより紅茶、牛乳より豆乳!
薬膳には、涼性・寒性・平性・温性・熱性という、「体を冷やす食材」と「温める食材」を分類した考え方がある。冬場は、体を温める食材をとり入れるのが正解だ。
「手軽な食養生として市販のジンジャーパウダー、五香粉、シナモンパウダーを紅茶や温かい豆乳に入れるのがオススメです。なかでも五香粉はすべてのスパイスが『温性』で香りもよいので、体を温めるには最高のスパイスです。また、よい香りは中医学的には『気の巡り』を整えます。ストレスを発散し、体の緊張を解して血行を促進してくれるので、気分転換に活用するとよいでしょう」(早川さん)
紅茶や豆乳と混ぜるのにも、理由があるそうだ。
「牛乳やコーヒー、緑茶は体を冷やす分類ですが、豆乳は『平性』で冷やしません。また、紅茶は温めてくれる『温性』です」(早川さん)
※薬膳分類は、文献により異なる場合がある
■意外とやりがち!体を冷やす悪習慣
体を温めるつもりで行っている習慣が、実は体を冷やしてしまうこともある。いくつか紹介しよう。
「足の裏や手のひらは寝ているときに熱を放出して体温調節をするといわれています。素材にもよりますが、靴下を履いたまま寝ると体に熱があると勘違いしてしまい、体温が上がりにくくなるといわれるので、レッグウォーマーなどで足首や足の甲まで温めましょう」(早川さん)
食べものでは、健康によさそうな生野菜のサラダやヨーグルトにも要注意だ。
「生野菜サラダのキュウリ、トマト、レタスなどは、薬膳的には体を冷やす食材といわれています。できるだけ冬場は火を通したスープや煮込み料理などを食べるのがオススメです。サラダなら温野菜のホットサラダを。そして、ヨーグルトも冬場はお腹が冷えることがあります。特に体の体温がまだ低い朝は、冷蔵庫から直接出して食べるのは避けましょう。ヨーグルトの種類によりますが、40℃の人肌に『軽くレンチン』がオススメです」(早川さん)
また、辛い料理も汗がでて体が温まりそうだが、逆効果になることも。
「発汗は、基本的に体温を下げるための生理現象です。辛い料理で一瞬温まりますが、汗をかいたあとは体が逆に冷えてしまいます。冬場の辛みは薬味程度の『ピリ辛』にしておけば体が温まりますので、汗をかくほどの激辛にはしないようにしましょう」(早川さん)
手軽にできることばかりなので、この機会に毎日の習慣を見直してみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:早川 弘太
山梨県笛吹市で創業から約240年続く「沢田屋薬局」店主。薬の相談や生活習慣に関するアドバイスなど、地域の人々の健康をサポート。国際中医師(国際中医専門員A級)。
(酒井理恵)