
■セキュリティ面に不安を感じている人が全体の約1/4も
現在のキャッシュレス決済は便利な上、ポイント還元などのお得なキャンペーンがある。それにもかかわらず、なぜ利用をしない人が多いのだろうか。

「『キャッシュレス決済を利用しない最も大きな理由』についてお聞きしたところ、最も多かった回答が『セキュリティに不安を感じるから』(24.9%と)でした。次いで、キャッシュレス決済の重要アイテムともいえる『スマートフォン』を持っていないことを理由にした人が21.3%、『ついつい浪費してしまうから』の回答が16.7%となっており、セキュリティ面も含め、実際にお金の流れが目に見えないことに対して、不安を抱いている人が多いことがうかがえます」(大国さん)
キャッシュレス決済にマイナスイメージを持つ人は意外に多いようだ。
■課題解決による利用者は全体のわずか2割弱?
課題がクリアになれば、キャッシュレス決済の利用促進につながるのだろうか。


「『回答にある課題が解決された場合、キャッシュレス決済を利用したいと思いますか?』との問いに対して『思う』と答えた人は、19.9%しかいませんでした。別の角度からも「現金決済が損をしていると感じることはありますか」と聞いたところ、『ない』の回答が75.1%もありました。キャッシュレス決済にマイナスイメージがあるというよりは、現状の現金決済が当たり前になっていることが大きな要因ではないでしょうか」(大国さん)
キャッシュレス発展途上国の日本においては、現金派がそれほど不便を感じていないということだろう。
■キャッシュレス決済に興味を示さない人が実に8割近くも
現金派はキャッシュレス決済について、どこまで理解しているのだろうか?

「『キャッシュレス決済について調べてみたことはありますか』との問いに対しては、『ない』と答えた人がなんと全体の79.6%を占めています。Q2でキャッシュレス決済の課題を解決しても利用者が少ないことや、Q3の現金決済で損を感じない人が大多数いるというアンケート結果から、キャッシュレス決済を選択肢からあえて外すというよりも、その前段階の選択肢にも挙がらないといった状況が読み取れます」(大国さん)
キャッシュレス決済へのリテラシーは、想像以上に低いのだ。
■現金派が選ぶキャッシュレス決済手段は、1位がクレジットカード
キャッシュレス決済にもいろいろある。その中で、現金派が利用してもよいと思える手段はあるのだろうか。

「『今後最も使ってもよいと思えるキャッシュレス決済手段を教えてください』というアンケート結果では、『特になし』が一番多く、7割近くを占めています。次に『クレジットカード決済』が19.9%と続いており、キャッシュレス決済手段を選択された人の中で、半数以上に支持されていることがうかがえます」(大国さん)
さすがの現金派もクレジットカードの認識はあるようだ。
■現金決済とキャッシュレス決済の比較検討が大切
お得な特典も多数ある上、スピーディで便利なキャッシュレス決済。視野を広げることも必要な気がするが……。
「現在であれば、2020年6月末までの経産省によるポイント還元もある上、キャッシュレス決済事業者各社によるさまざまなキャンペーンが展開されています。この機会に一度キャッシュレス決済のスマートでお得な支払い方を体感していただくのがよいでしょう」(大国さん)
とにかく一度使ってみないことには、正しい判断はできないだろう。
今年は東京五輪などもあり、外国人が多く日本に訪れることが想定される。これをきっかけに、キャッシュレス化はもっと進むだろう。この波に乗り遅れないように、今から使ってみることをおすすめしたい。
●専門家プロフィール:大国 篤史(おおくに あつし)
エイチームフィナジーが運用する「ナビナビクレジットカード」の編集者。「クレカを作りたいけど、どれを選べばよいかわからない」「キャッシュレス決済でお得になりたい」などの悩みを解決するべく、どこよりも分かりやすい情報を発信。