■残念女子の特徴
まず、何らかの下心がありそうな、残念女子の特徴について聞いてみた。
「よく言えば自己肯定感が高く、悪く言えばナルシストで、自分を『商品化』し『プロモーション』の仕方を心得ている女性が多いでしょう。『私、褒められて伸びるタイプなの』などが口癖で、SNSなどにアニマル風の耳や髭、鼻を付けた自撮りや、3割増くらいに加工した写メをアップしたりします。幼少期に叱られた経験が少なく、承認を糧に育ってきたタイプが多いので、承認を得ることが得意。同じく男性にも“承認してもらう”ことが一番の目的です」(青柳さん)
残念女子がぶりっ子なのは、ハンターのように意中の男性を仕留めるためではなく、自分を「可愛い」などと承認してもらうためなのだ。
「これは“逆援助トリック”と呼ばれるもので、『気に入られたい(承認されたい)相手には、尽くす(援助する)より上手に頼ると効果的』であることをわかった上での処世術です」(青柳さん)
残念女子のぶりっこは、いわば本能的な言動なので、それに対して、よい、悪いという認識もないうえ、周りの人を不快な気分にさせている自覚がないのだ。
■残念女子に引っかかりやすい男性の特徴
そんな残念女子に引っかかるのは、どのようなタイプの男性なのだろうか。青柳さんは5種に分類し、分析してくれた。
まずは、「メサイアコンプレックス男子」からだ。
「 “メサイア”とはメシア(救世主)のことで、『誰かの役に立ちたい』、『困っている人を助けたい』という欲求が強く、人から頼られて満足感を得るタイプです。その欲求の裏には、寂しさや劣等感、自己肯定感の低さなどがある場合が多く、満たされない自分を満たすために人助けをします」(青柳さん)
メサイアコンプレックス男子は、“引っかかってあげる”ことで残念女子に救いの手を差し伸べかねない。次のタイプは「幻想型理想男子」だ。
「このタイプの男子は、恋愛経験が少ないためリアルな女性のことを恐れる傾向があり、女性をアイドルやアニメのキャラクターなどと重ね合わせます。残念女子の“ぶりっ子”な姿を、本当の姿だと思い込む傾向もあります」(青柳さん)
目に見えている“ぶりっ子”な言動が、残念女子の“一面”でしかないことに気付かないのだろう。次は、少し同情してしまいそうになる「自己肯定感低すぎ男子」と「お疲れ男子」だ。
「前者は、自分に自信がないため、自分に媚びてくれる残念女子に対し、『自分なんかにここまで好意を示してくれるなんて……』と勘違いしてしまうタイプです。後者は、とにかく癒されたい、癒して欲しいと思っているタイプです。お疲れ男子にとって残念女子は夢などを語り合う必要がなく、肩肘も張らずにすむので、ホッとするのでしょう」(青柳さん)
両者とも「ご主人様」などと呼ばれ、自分の立場を高めてもらえる「メイドカフェ」などを好む傾向があるそうだ。そして最後は「オオカミ男子」だ。
「自分の性的欲求を満たしたいだけの、表裏のない肉食系男子です。自分にだけというより、万人に対してぶりっ子な言動がみられる天然系の残念女子の方が、簡単に口説き落とせ、あわよくば欲望を満たせるのでは……と考えるタイプです」(青柳さん)
残念女子を好きになってしまった男性は、上記を参考に自分の弱点も感じてほしい。しかしそれぞれの男性が“女性に求めること”はさまざまかつ自由だ。承認欲求を上手に満たしてあげたら、残念女子のハートを射止められるかもしれない。
●専門家プロフィール:青柳 雅也
「カウンセリングルーム アンフィニ」代表。個人カウンセリングや企業のメンタルヘルスケア、心理学セミナー、企業研修、心理学の非常勤講師など活動は多岐に渡る。保有資格は産業カウンセラー(社団法人 日本産業カウンセラー協会認定)