■エアコンは冬の使用前に掃除したほうがよい?
そもそも、なぜエアコンから異臭がするのだろうか。夏には正常に動いていたのに……。
「異臭の原因は、内部にたまったゴミや汚れです。エアコンは、通気口やフィルターを通して、空気を部屋に送ってくれます。その過程で、目に見えない汚れやゴミを吸い込むため、知らず知らずのうちにエアコンの中が汚くなるんです」(大原さん)
では、冬の使用時に異臭を防ぐためには、使用前に掃除をすればよいということだろうか。
「もちろん、エアコンは掃除をしたほうがよいです。エアコン内には汚れだけではなく、汚れを原因としたカビや雑菌も多く発生しています。そのため、掃除をせずに使用すると、カビを周囲に撒き散らすことになってしまいます。このカビを吸い込むことで、小さいお子さんや免疫力が低下している方が、ぜんそくや肺炎を引き起こしてしまうケースも多いのです」(大原さん)
エアコンからの汚れた空気によって、健康を損なう恐れもあるという。
■エアコンを簡単に掃除するコツ
エアコン掃除は、掃除機を使って簡単にできると大原さんは続けてくれた。
「エアコンは簡単3ステップで掃除できます。まず、エアコンのフィルター表面を掃除機にかけます。次に、取り外して裏面からシャワーをかけましょう。最後に、乾かしてからエアコンをもとに戻します。これだけでOKです」(大原さん)
この方法であれば、洗浄スプレーなどを購入したり、部屋を養生したりする必要もないという。
「スプレーを使えば、フィルターの奥まで掃除することができます。しかし、液が垂れて部屋が汚れると非常に面倒です。また、スプレーの泡はしっかり流しきらないと、掃除をした意味がなくなってしまいます。冬の前の掃除であれば、フィルターを掃除するだけでも十分効果はあります」(大原さん)
フィルター以外の掃除は、エアコンを使用しなくなった春先や、カビが繁殖しやすくなる梅雨明けにするのがよいそうだ。エアコンの取り外しができない場合は、掃除機で応急処置をするだけでも効果があるだろう。
■フィルター掃除ですら面倒な場合
フィルター掃除すら面倒に感じる人にも、ぜひやってほしいことがあると大原さんは言う。
「エアコンを使いはじめる際に、一日中窓を開けっぱなしにして送風モードにしておいてください。エアコンを久々に使った際に、最初に出てくる空気が最も汚れているのは先ほども説明した通りです。少しでも病気になるリスクを減らすためにも、外出している間だけでもよいので、エアコンの空気を循環させてください」(大原さん)
少し電気代がもったいない気もするが、風力を最大にしておくだけでよいそうだ。
エアコンの内部を隅々までにきれいにするのは、どうしても個人の力だけでは厳しいところがある。上記の対応でもまだ異臭がおさまらない場合は、専門業者に相談してみてほしい。
●専門家プロフィール: 大原 直樹(おおはら なおき)
あなたの街の近場のプロフェッショナルを探せる「ファインドプロ」の編集部に所属するライター。実際に現場で活躍しているスタッフからの専門的な声を参考に、エアコンをはじめ、さまざまなハウスクリーニングに関する情報を発信している。