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寒い時期は、食卓に鍋の出番が増えるのではないだろうか。実際「教えて！goo」にも、「キムチ鍋とタラチリならば、どちらがよいですか？」と質問が寄せられ、投稿者が家庭でもさまざまな鍋を楽しんでいる様子が伝わってきた。そこで今回は料理研究家の馬原香織さんに、改めて鍋の魅力を伺いつつ、市販されている進化系の鍋の素や、“ちょい足し”で楽しむ鍋の味変について教えてもらった。■鍋の魅力とは？
改めて、鍋の魅力を聞いてみた。
「鍋の最大の魅力は、鍋にスープや出汁を入れ、具材を加えるだけでつくれてしまう点です。料理が苦手な人でもプロ並みの味を実現できることでしょう。通常の献立では、主菜や副菜、汁物など、複数の料理を組み合わせて栄養バランスをとります。ですが肉や野菜などを入れ煮込む鍋は、他のおかずを用意しなくても栄養バランスが整いやすく満足度も高いです」（馬原さん）
一人用の鍋の素や土鍋などの登場により、一人暮らしの人や食事時間が異なる家庭でも取り入れやすくなった。
「コンロで鍋をつくり、そのまま食卓に出せるので、洗い物が少ない点も魅力のひとつです。忙しい日や夜食にも重宝しますね」（馬原さん）
具材を無限大にアレンジできる点も嬉しい。
「食べ盛りの子供がいる場合は、お肉をたっぷり入れてボリューミーに。ダイエット中や食べ過ぎた翌日につくるなら、きのこやしらたきなどヘルシーな具材を使ったり。シーンに合わせて具材を調整できることも利点ですね」（馬原さん）
簡単でおいしく、栄養満点で後片付けも楽な鍋に、もはやネガティブな要素が見あたらない……。
■定番鍋に飽きてきた人向け！進化系鍋の素
温めて具材を煮込めばよいだけの鍋の素が多種出回っている昨今。定番のちゃんこ鍋や水炊きだけでなく、変わり種の鍋の素も豊富に登場しているそうなので、馬原さんに紹介してもらった。
「個包装の鍋の素が販売されている無印良品では、一人鍋から家族分まで対応できるシリーズが人気のようです。あさりや魚介の旨味引き立つ韓国のスンドゥブチゲ、濃厚なエビやトマトの風味が詰まったフレンチのビスク鍋、トマトにカシューナッツを合わせ数種のスパイスを効かせたインドのバターチキンカレー鍋など。世界各国の料理をベースにした変わり鍋が楽しめ、女子会やパーティーメニューとしても人気が高いようですよ」（馬原さん）
健康志向の人たちに支持されている鍋の素もあるという。
「養命酒が販売している養生鍋シリーズでは、体によい食材をたっぷり使ったヘルシー感満載の鍋が楽しめます。黒養なべ（和漢素材）、白養なべ（生姜と白胡椒の白湯）、赤養なべ（鶏や魚介のトマト鍋）、黄養なべ（トムヤンクン風鍋）、緑養なべ（野菜と胡椒、山椒の鍋）と5種のバリエーションがあり、ヘルシーながら個性的な味わいが新鮮ですね」（馬原さん）
目新しく、手土産や贈り物などにも喜ばれそうだ。
■“ちょい足し”で味変が楽しめる鍋
鍋は、最初から最後まで同じ味が続くので飽きてしまうことも……。そんなときは味変を楽しむとよいそうだ。
「定番のちょい足しは、ゆず胡椒や七味、ラー油などでピリ辛味をプラスすることです。辛いものが苦手な人がいる場合は、取り分けた器にちょい足しすると、ピンポイントで味変できますね」（馬原さん）
チーズやごま油、バターを加えるのもおすすめとか。
「コクや旨味をアップさせるチーズは、洋風のトマト鍋やカレー鍋との相性が抜群です。キムチ鍋にも発酵食品同士で相性のよいチーズを加えると、辛味を程よくまろやかにすることができますよ。塩鍋のようなさっぱり系の和風鍋の場合、ごま油をプラスすると中華風にアレンジでき、食べ応えのある味わいに。味噌鍋にバターをちょい足しすると、バターの香りと風味が広がりリッチな味わいになります」（馬原さん）
手間をかけず、家にある調味料や食材をちょい足しするだけで、マンネリ化しがちな鍋を最初から最後までおいしく食べ切ることができそうだ。まだまだ続く寒い日の食卓に、進化系鍋や味変を楽しんでみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール：馬原 香織
料理研究家。調理師。食育インストラクター。フードビジネスプランナー。飲食店向けのコンサルティング会社にて、フードコーディネーターとして勤務した経験を活かし、「家族が喜ぶ、何度も使えるレシピ」をコンセプトに「Cooking Salon Mahara」を主宰。企業向けのレシピ開発や料理ライターも担う。
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