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東日本大震災から11年、自然災害への備えをもう一度考える

東日本大震災から11年、自然災害への備えをもう一度考えるいつの間にか「災害大国」といわれるようになった日本。住民の誰もが、自然災害によって平穏な生活を奪われてしまうリスクを背負っているといっても過言ではないだろう。「教えて!goo」にも「もしもの事に備えて何を準備したらいいですか」と、最近の地震の多さを心配するユーザーから質問が寄せられていた。今年の3月11日には、東日本大震災から11年が経過する。いま一度自然災害への備えを見直すべく、宮城県で被災者の経験を伝承する団体「3.11みらいサポート」に、いざという時のための災害対策や、実際に災害が起きた場合の心構えについて話を聞いた。

■「災害について考える」という対策


避難時に使用する必需品が入った「非常持ち出し袋」の用意は、防災行動として定着してきている。基本的な備蓄品の水や防寒グッズのほか、東日本大震災の避難所ではとあるアイテムが特に必要とされたとか。

「電気の通電やバッテリーの設置が行われた後、多くの人がいっせいに携帯電話を充電していました。自然災害による停電に備え、モバイルバッテリーを用意しておくとよいでしょう」(3.11みらいサポート)

充電スペースが限られていることもあるため、手回し式の充電器などがあるとさらに安心だろう。

「東日本大震災では『防災グッズを用意していたが使わずに亡くなってしまった人』、『何も持たずに避難して寒い夜を過ごした人』、『家族と連絡がとれず探し回った人』など、さまざまな人がいました」(3.11みらいサポート)

準備していた物資を活用できないシチュエーションも起こりうる。普段の行動範囲や地域によっても、最低限必要とされる準備の定義は大きく異なるという。

「防災グッズの準備はもちろん大事です。加えて、目の前にある光景が災害で失われてしまった時に、“自分に何ができるか”ということを考えてみることが大切です。それぞれの地域における過去の災害や命を守る方法についても関心を持ちましょう。それ自体が大きな災害対策になり、将来の安全につながります」(3.11みらいサポート)

東日本大震災以降「災害対策基本法」が改定され、7条の「住民等の責務」には備蓄や防災訓練に加えて「過去の災害から得られた教訓の伝承」が追加された。歴史や体験談に目を通すのも、重要な備えのひとつなのだ。

■行動が命を守る


準備をしていても、実際に被災した際に冷静に行動できるとは限らない。では、どのような心構えをしておくべきか。

「東日本大震災の際には、率先して避難行動をした人や、『逃げよう』と声かけをした人のお陰で多くの命が救われました。『津波が来るかもしれない』という知識に加え、『命を守るための行動』が必要です」(3.11みらいサポート)

そのためにも重要なのは、前述にもある通り「自分にできること」を考えておくことだという。

「日本では津波のほか、地震、豪雨、雪害、土砂崩れ、火山の噴火など、さまざまな災害の可能性があります。『当たり前の光景』が、災害により取り返しのつかない形に変わってしまったら……。そんなことに想像を巡らせ、『自分に何ができるかを考えてみること』自体が、代えがたい対策になります」(3.11みらいサポート)

リアルに想像してみることで、「避難行動」や「声かけ」などの具体的な行動に落とし込めるのだ。

「新型コロナウイルス」の流行している昨今では、避難所での感染拡大も危惧される。

「東日本大震災の際、避難所でノロウイルスの感染事例がありました。新型コロナウイルスが流行している現在、避難先の分散や避難所の換気、消毒など、大きな転換が求められています。避難所となる学校などの施設運営者や地域の方々との連携が必要ですが、その話し合い自体がコロナ禍により十分できていない状況です。皆さんの地域で、少しずつでも準備が進んでゆけば良いと思います」(3.11みらいサポート)

コロナ禍以前から、避難情報警戒レベルの見直しや南海トラフ地震臨時情報の理解促進など、災害に対する情報発信が少しずつアップデートされているという。危機意識を抱き物資と気持ちの双方で備えをしておくことで、守れる命をひとつでも増やしていきたい。

●専門家プロフィール:3.11みらいサポート
2011年5月に前身となる「一般社団法人石巻災害復興支援協議会」として設立された。現在は震災支援の連携から震災伝承の連携にシフトし、語り部などの震災学習や南浜つなぐ館の運営を継続しながら、各地域の伝承の担い手との連携をサポート。

画像提供:ピクスタ
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