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男女の関係も多様化が進む中、皆さんは半同棲についてどのようにお考えだろうか。「教えて！goo」には、「彼は結婚前に同棲したいようです」と、彼氏から同棲しようと言われたが、父親に反対されている女性からどうすべきかと質問が寄せられている。互いの家を行き来する半同棲なら、同棲よりプライバシーも確保できそうだが……それでも以前より喧嘩が増えたという声もあるようだ。そこで今回は、心理カウンセラーの青柳雅也さんに、“半同棲”にスポットを当て、よくある喧嘩の原因や、上手く継続するための注意点などについて話を聞いてみた。■半同棲の喧嘩のタネ
一人暮らしや、同時期の上京などをきっかけに、交際中の男女が半同棲の状態になるケースは少なくない。いわゆる“半同居状態”なので、どちらかの“我慢”がネックになり喧嘩に至ることがあるようだ。
「半同棲は必然的に一緒に過ごす時間が増えるので、“デートから帰ってきてオフモード”というわけにはいきませんよね。半同棲は“継続すること”が大きなポイントになります。相手に見せている面が“素”であればあるほど、継続しやすいでしょう。しかし頑張って自分をよく見せていたり、素の自分を隠していたりすると、疲れてしまいます」（青柳さん）
青柳さんいわく、「金銭面や家事などの問題も同様」とのこと。どちらか一方が金銭面や家事などの負担に対して不公平感を持ち我慢しているような状況では、不満を感じ疲れてしまうという。
「さらなるポイントは生活習慣の“マイルール”かもしれません。男女の関係性が平等であればあるほど、半同棲前まで当たり前のように行ってきた生活習慣を否定されたり、相手に譲らざるを得なくなると、不快感を抱き始めるのではないでしょうか」（青柳さん）
みなさんも他人から見れば否定されそうなこだわりの“マイルール”をお持ちではないだろうか。
■半同棲で注意すること
では、半同棲はどのような点に注意すれば、平穏に継続できるだろうか。
「先述したような『継続性がある点』については、最初にルールを決め、壁などに貼り出しておくと“言った言わない”にならずに済みます」（青柳さん）
ルール決めの段階で多少の衝突は避けられないかもしれない。だが、平穏に半同棲を継続していくためには、互いが納得し取り決めたルールを守ることが必要なのだ。しかし青柳さんは「人の気持ちは変化していくもの。継続していく上で問題を感じたら、互いにその問題と向き合い、話し合うことが大切」と教えてくれた。
「恋愛とは、時間とともに相手に求めることも変化していくものです。初期は主に『刺激』を求めがちですが、半同棲をする中で徐々に『価値観』や『協力度』など、重要性を感じることにも変化があるかもしれません。互いに快適に生活するためには、『どれだけ協力し合えるか』が最も重要です。相手に対して不満が積み重なってきたと感じたら、“話し合うべきとき”と考えましょう」（青柳さん）
親しき中にも礼儀あり。継続するためには互いに配慮し合い、相手に歩み寄る姿勢が大切なのだ。
■半同棲で得られるもの
「ロマンチックな関係のままでいたいのであれば、半同棲はあまりおすすめできません」と青柳さん。では、半同棲のメリットとは、どのような点だろうか。
「互いに結婚を視野に入れている、あるいは結婚の意思があるのであれば、相手の本当の姿を把握し合える半同棲には、メリットがあるのではないでしょうか。そもそも結婚というのは、“安らぎの場所”でも“お花畑”でもなく、“現実”と“覚悟”が必要なことです。長期的に付き合うのであれば“笑顔以外の顔“を見ることは大切です。現実的な将来を見据えて半同棲（同棲）を経験するのは、踏んでもいいステップかもしれません」（青柳さん）
結婚でも同棲でもない半同棲。「結婚生活をシミュレーションするためのステップ」とふたりが認識し合い、同じ目的意識があれば、意義のあることなのかもしれない。
●専門家プロフィール：青柳 雅也
「カウンセリングルーム アンフィニ」代表。個人カウンセリングや企業のメンタルヘルスケア、心理学セミナー、企業研修、教育機関で心理学の非常勤講師など活動は多岐に渡る。保有資格は産業カウンセラー（社団法人 日本産業カウンセラー協会認定）
