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改正育児・介護休業法によって労働者の権利と事業主の義務はどう変わるか

改正育児・介護休業法によって労働者の権利と事業主の義務はどう変わるか2020年度の男性の育休取得率が過去最高の12.65%(前年度7.48%)になったと厚生労働省が7月末に発表した。いい傾向であることは間違いないが、女性の81.6%に比べるとまだまだ低い。また「教えて!goo」でも「男性の育児休暇」というタイトルで投稿者が意見を求めているが、「育休取得する人は増えないと思います」というような内容で、回答者の半数が否定的に捉えている。

そんな中、今年の6月に育休を取得しやすくするために「改正育児・介護休業法」が成立した。これは非常にインパクトのある改正で、男性の育休取得率の大きな底上げとなる可能性を秘めている。そこで今回はこの改正育児・介護休業法について、富士見坂法律事務所の井上義之弁護士に話を伺った。

■事業主に対する3つの措置義務


まずは改正育児・介護休業法によって事業主はどう変わるのか伺った。

「事業主に対して下記の措置が義務付けられます。
(1)研修の実施や相談窓口の設置など育休を取りやすい雇用環境を整備する。
(2)妊娠・出産の申し出をした労働者(本人または配偶者)に対して新制度及び従前の育休制度等を周知し、育休を取得する意向があるかを確認する。
(3)育休の取得状況を公表する(常時雇用する労働者が1000人超の事業主)」(井上義之弁護士)

ポイントはなんといっても(2)だろう。これだけでも大きな効果が期待できそうだ。

■育休が取得しやすくなる3つの仕組み


では労働者にとってどんな変化があるのだろうか。

「次に、育休を取りやすくする仕組みが下記のように整備されます。
(4)従前の育休制度について、2回まで分割できるようにする。
(5)男性の育休取得推進のため、子の出生後8週間以内に、4週間の休業を最大2回に分割して取得できる仕組みが導入されます。原則として休業の2週間前までに申出すればよく、労使協定を締結している場合に個別合意により休業中の就業も可能になります。
(6)労使協定に特段の定めを置いた場合を除き、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者についても育休が取得できるようにする。

上記の改正内容についての施行時期は、(1)(2)(6)が令和4年4月1日、(4)(5)が改正法の公布日である本年6月9日から1年半以内の政令で定める日、(3)が令和5年4月1日です」(井上義之弁護士)

これまで育休はひとまとめに消化しなければならなかったが、今回の改正により2回に分割して取得できるようになった。また勤務期間が1年未満の有期雇用者も取得可能になったことも大きな意味を持つだろう。

■男性だけでなく女性にとっても嬉しい改正


「今回の改正は、これまでよりも育児休業を取りやすくして、出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにすることを目指したものです。男性も育児休業を取りやすくなる仕組みが導入されたことで注目されていますが、男女問わず育休を取りやすくするための包括的な改正と言ってよいと思います。令和4年4月1日から順次施行されていきますので、事業主も労働者も何が変わるのかを早めに確認しておくとよいでしょう」(井上義之弁護士)

井上義之弁護士が話すように、男性だけでなく女性にとっても大きな変化となったのは間違いない。今回の改正が浸透し、育児の困難が少しでも解消されることを願うばかりだ。

●専門家プロフィール:弁護士 井上 義之(第一東京弁護士会) 事務所HP ブログ

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記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX 画像提供:ピクスタ
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