![インフルエンザの予防接種、飲酒や激しい運動をしてはいけない理由は?](http://oshiete.xgoo.jp/_/bucket/oshietegoo/images/watchmain/c/542301348_5bce7d2d367be/ORG.jpg)
■予防接種の副作用との判別が難しくなる
インフルエンザの予防接種を受けた後、多くの病院では「飲酒や激しい運動をしないでください」といった注意事項が書かれた紙を配っている。なぜ、飲酒や激しい運動をしては駄目なのだろう?
信州大学医学部附属病院第1内科の牛木淳人先生によると、
「飲酒や激しい運動により、動悸や呼吸困難を生じることがあります。これらの症状が生じると、予防接種の副反応なのか、飲酒や運動による影響なのか判断が難しくなってしまいます。したがって予防接種前後で飲酒や激しい運動は避けてください」(牛木先生)
とのこと。副作用として、まれにアナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)などがあらわれることがあり、ほとんどは接種後30分以内に生じる。そのため、特に30分以内は安静にしなくてはならないのだが、数日中に発疹や発熱、悪寒、頭痛などがあらわれることもある。そのときに迅速かつ適切な処置をするためにも、大量の飲酒や激しい運動は禁物なのだ。
■どのくらいが「激しい運動」なの?
では、激しい運動とは具体的にどれぐらいの運動量なのだろう?
「具体的にどれくらい運動してはいけないか明確な基準はありませんが、水泳・マラソンなどはしないように指導することが一般的です」(牛木先生)
基本的に、予防接種から30分経過して異常が出なければ、普段通りの生活をして構わないが、息があがるような運動はしないのが無難だ。
病気を予防し、健康を維持するために受ける予防接種。飲酒や運動をしたくなる気持ちも分かるが、それで健康状態が悪化しては本末転倒。一日位は我慢して、安静に過ごそう。
(酒井理恵)