
■映画『イマジネーションゲーム』誕生のきっかけ
――『全日本美声女コンテスト』で出会ってから6年だけど、すんごい映画公開しちゃいましたね。なんでこんな映画作ろうと思ったの?
きっかけは久本さん(※久本雅美さん)のマネージャーと十年以上前から友だちで、そのマネージャーから「何か面白いことを一緒にできないか?」という経緯があって「なら久本さんを主演で映画を創ろう」という話をして……。今回の映画のコンセプトを創ってクライアントに見せたら「この企画は面白いね」とGOサインをもらったので、板野さん(※板野友美さん)にも声をかけて制作スタッフにも集まってもらった感じでした。


――ものすごいパッションでいろいろな人に声をかけてなんとか出資してもらって……みたいな泥臭い感じではなく、すんなりと話は進んだんだ。
いや、それなりもちろん大変でしたよ(笑)。構想から2年かかりましたから。
――えっ!? たった2年で映画を創り上げたの?
僕、動き出したら早いんで(笑)。あとはそうだなー。広告代理店の社員として培った“企画力”と“構成力”のバランスの賜物ですかね。どのコンテンツも“わかりやすい企画書”が重要だと思うし、それで説明がちゃんとできれば、完成品やそのあとのこともわかりやすいんじゃないかなと。


■照明をいれないことでナチュラルな演技に
――今回の作品で特に工夫したことはある?
映像を観ても気づかないかもしれないけど、一部スマホとかで撮影して、効率化を図ったりしたかな。あとは今回の映画は照明班をいれてない!
――照明なしで映画製作したの!(驚)
うん(笑) 。ほぼ自然光で撮影をしたので、演技もリアルでナチュラルになっているのでそこを映像として注目してもらいたい部分でもあり、映画作品としてチャレンジした部分でもありましたね。ドキュメンタリーとフィクションが融合している部分のリアルさを観てもらいたいです。


■上海国際映画祭にも選出
――『イマジネーションゲーム』は上海国際映画祭に選出されたよね。
中国では年間150本しか海外の映画を上演してはいけないという決まりがあるのですが、今回は“映画祭”というくくりがあったので『イマジネーションゲーム』も無事中国で上演できました。
――中国のお客さまから『イマジネーションゲーム』の反応はどんな感じだったの?
海外の映画ということもあってチケットは即完売で、それこそバカウケでしたよっ! いろんなカットで大笑いしていました! 例えば板野さんが夫への復讐サイトで旦那が会社へ行っている間に旦那のハブラシでトイレを掃除したり、雑巾の絞り汁を味噌汁に入れたりするシーンとかそれはそれは大爆笑するんですよ!


――そこはむしろ「ゾッ」するシーンでは……!? 「オレもカミさんにやられてるんじゃないか…?」とか思って(苦笑)
これをゲラゲラ笑える中国人に対して、おそらく日本人は「内向き」になっているから笑えないのかもしれないですね。日本もバブルの頃とかならもっとお金にも心にも余裕があって、味噌汁に雑巾の絞り汁なんか入れられるわけもないし、入れようとも思わなかったんじゃないかと。


最後は広告代理店の社員っぽく自身の映画を分析してくれた畑監督であるが、そんなことよりも劇中にそんな復讐シーンがあることに驚愕した読者の方も多いのでは!? 他にも中国では大ウケだった久本さんがパンティーをいろいろな場所に隠すシーンとか、いわゆる日本の“ブルセラ”的な文化で誰かが脱いだ下着を嗅ぎながら真剣にムフムフするシーンなども登場するということで、気になってしまった人もいると思う(?)。映画『イマジネーションゲーム』は ヒューマントラストシネマ渋谷他 で公開中なので、気になる方はぜひチェックしてみて!って最後はちゃんと畑監督の宣伝してあげちゃったよ。今度なんか奢ってもらわないとなー!!


●畑泰介プロフィール

●インタビューアー:首藤和仁
