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高まる健康意識にともない、腸内環境を整えようと、さまざまなことにチャレンジしている人は多い。その中でもぬか漬けは、単に伝統的というだけでなく、現代人の腸活を助けてくれるとても優秀な食べ物である。自宅で漬けている人も少なくないという。「教えて!goo」にも「ぬか漬けを失敗しない方法を教えて欲しい」と質問が寄せられている。そこで今回は、ぬか漬けの魅力と自宅でのぬか床のつくり方を、ぬか漬けソムリエのさんしょの実さんに教えてもらった。■ぬか漬けにしたほうが野菜の栄養価が高くなる？
ぬか漬けにすることで、野菜にどのような変化があるのか聞いてみた。
「乳酸菌といえばヨーグルトを思い浮かべる人が多いと思いますが、ぬか漬けにもたっぷりと含まれています。また、注目されている酪酸菌が含まれる食べ物はぬか漬けだけです。野菜をそのまま食べるより、旨味も断然アップします。生野菜はほとんどが水分ですが、ぬか漬けは漬けることで水分が少し抜け、味が凝縮されるのです。さらに熟成で旨味が増し、塩分が加わり、調味料がなくともおいしく食べることができます」（さんしょの実さん）
酪酸菌は、酪酸をつくり出す菌の総称で、酪酸は大腸の活力になるとのこと。
ぬか漬けは、きゅうり、大根、人参などが定番の印象だ。他にも漬けることはできるだろうか。
「ゆで卵やりんご、アボカド、セロリ、ネバネバした長芋なども漬けられます。水分の多い白菜は、一度軽く塩漬けして水分を抜いてから漬けるとおいしくなります」（さんしょの実さん）
キャベツや白菜がシャキシャキした食感を楽しめ、おすすめとのこと。
■ぬか床は簡単につくることができる？
そんな腸活によさそうなぬか漬けを、自宅で早速はじめたいと思うがどうすればよいのか。
「今は市販のぬか床もたくさんありますが、実はつくるのもとても簡単です」（さんしょの実さん）
ぬか床1.5kgをつくる場合の材料を教えてもらった。
「米ぬか750g、水（湯冷ましかミネラルウォーター）750ml、塩100g、昆布約5×10cmを1枚、唐辛子2本です」（さんしょの実さん）
そして、つくり方だ。
「大きめのボウルに、米ぬかと塩を入れ混ぜ、水を少し残しながら加えて混ぜます。ぬか床の堅さが味噌くらいになるように、残りのお水を加えて混ぜます。容器に移し昆布と唐辛子を入れます。いらない野菜で、捨て漬けをしながら発酵させます。季節によりますが、10日から2週間くらいで発酵し、ぬか床がおいしくなります」（さんしょの実さん）
おいしいぬか床を持っている人がいたら、一握りもらって混ぜると発酵がグンと進むとのこと。
「本やネットの情報は、どれも間違いではありませんし、こうでなければというのもありません。ぬか漬けは、常に同じ味でつくることはできませんし、すぐに漬かることもありません。正解は1つではではないものと理解した上で、楽しみながら漬けたらよいと思います」（さんしょの実さん）
生きているぬか床を、どのようにケアしたらよいだろうか。
「ぬか床は、ぬかの表面とぬかの中で育つ菌が違います。放っておくとそれぞれの場所で増えてしまうので、混ぜてバランスよくします。1、2週間ほど混ぜられないときは冷蔵庫で保存、長期間ならジップ袋に移して冷凍保存します」（さんしょの実さん）
カビが生えることもあるという。
「カビが生えたときは、カビの種類に注意が必要です。ぬかの表面にできる白いカビは産膜酵母で適度にあると風味になりますが、多すぎるとシンナー臭がするのでこそいで捨てます。緑やピンクのカビはその部分と周りをこそいで捨てます」（さんしょの実さん）
ぬか漬けは、漬けている人の手の菌も影響するため、家庭により味が異なる。失敗を重く受け止めず、ぬかと会話するように気軽にはじめたい。
ぬか床ができれば、それぞれの野菜を半日から一日ほどでぬか漬けにすることができる。今回教わったことをきっかけに、自宅でぬか漬けをはじめてみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール：さんしょの実
ぬか漬けソムリエ。静岡県浜松市でぬか床講座、ぬか漬け講座、ワークショップを開いている。講座後はラインにてアフターフォローあり。Instagramでは、いろんな野菜をぬか漬けにしている様子を発信し、ぬか漬けの世界観を広げている。
画像提供：ピクスタ
