勿論、そのようなことが無いにこしたことはないのだが、まさか自分の身にふりかかることは無いだろうと油断しているときに、入られるのが空き巣だ。「教えて!goo」にも「不在時の防犯」と、防犯グッズを探しているというユーザーからの投稿があった。そこで、長期休暇中に家を留守にする際に、気を付けたい防犯対策について警備会社OBの五十嵐清彦さんに話を聞いた。
■空き巣の服装と進入場所
まず、空き巣はどのような服装をしているか聞いてみた。
「よくテレビで見るような全身黒ずくめといったような格好はしていません。あれではかえって目立ってしまいますから。実際には、セールスマンや工務店、ガス、水道業者の作業着や近隣住民になりすます場合などが多いです」(五十嵐さん)
我々の目には見えるが、気が付かないように近づいてくるようだ。服装で空き巣を見分けるのは難しい。
では、いかなる場所から侵入するのだろうか。
「侵入しやすいのは、やはり玄関や勝手口そして窓です。特に高い塀や生け垣などで通りから見えにくい窓が多い家は狙われやすいです」(五十嵐さん)
プライバシーを守るための塀や生け垣がかえって防犯の妨げになることもあるという。
■空き巣の行動パターンと心理
空き巣はどのような手段で犯行に及ぶのだろうか、また、その心理とはいかなるものなのか。
「最近ではピッキング法の制定やピッキング対策が施された錠が増えてきたため、玄関や勝手口が狙われる事例は減っています。それに代わって窓が狙われるケースが増えています。小さなドライバーを使ったこじ破り、バールなどを使った打ち破り、バーナーなどを使った焼き破りなどがあります」(五十嵐さん)
ピッキング法とは、ドライバーなどのピッキングで使用される工具を所持しているだけでも罰せられる法である。それもあり、より短時間で侵入するやり方が主流になったのだ。
「現場にとどまる時間をできるだけ短くしたいのが犯人の心理です。プロの泥棒ほど金目の物を物色する時間が短く、5分から10分ほどで犯行を完了してしまいます」(五十嵐さん)
たった10分で一家の財産が盗まれてしまうとは、油断も隙もないということのようだ。
■長期休暇の空き巣対策
長期休暇で家を空ける機会が多くなる時期はどうすればよいのだろう。
「新聞や郵便物がポストにいっぱいになっていると不在であることが容易に知られてしまいます。新聞も郵便も止めることが出来るので、事前に手配してから遠出しましょう」(五十嵐さん)
そのあたりは空き巣も周到に下見をしているとのこと。用心したい。
「また、ダミーでもよいので防犯カメラやセンサー感知式ライトを設置したり、窓には防犯フィルムや補助錠などを施しておくとよいでしょう。犯人を目立たせ、時間をかけさせることが重要です。そして、仲のよいご近所さんには声をかけておきましょう」(五十嵐さん)
近所の人の目は、何かあった場合にも頼りになりそうだ。何もなくても、帰ってからお礼をすることを忘れないようにしたい。
長期間留守にする場合は、普段からできることも多いことが分かった。近所づきあいもその一つだろう。せっかくの旅行や帰省を心から楽しめるものにするためにも、旅行の準備もよいが、防犯対策もあわせて行う必要がありそうだ。