
■袴にあうショートヘアのアレンジ
五十嵐さんは「袴に合う華やかさがありながら、上品なヘアアレンジ」を紹介してくれた。まずはショートヘアのアレンジだ。


「ショートでもアップ風に見える編み込みアレンジはいかがでしょう。全体的に長さがある部分は、あらかじめコテで巻いておきます。トップを8:2で分け、耳裏に向かってザックリと編み込みをし、ゴムで結びます。ゴムで結んだ部分をさりげなく隠すため、トップをふんわりと被せて仕上げます」(五十嵐さん)
袴のイメージに合う、どことなくレトロ感漂うアレンジだ。「編み込み部分のボリューム感が大切です。タイトにまとめると華やかさがなくなってしまうばかりか、アップヘアのように見えないので、思いっきり毛束を引き出してください」と五十嵐さん。8:2に分けた“8”の方のトップにボリュームを持たせるとよさそうだ。
■袴にあうボブ~ミディアムヘアのアレンジ
次は、ボブ~ミディアムの人向けの、華やかなハーフアップスタイルだ。


「あらかじめ全体の髪をコテなどで巻いておきます。ハチ周りの髪は残し、トップを後頭部の中央で“くるりんぱ”します。次に、ハチ周りに残した髪をねじりながら“くるりんぱ”の部分にピンで固定します。最後に、全体を細かく引き出しながら、ルーズに崩してください。耳下の髪はボブなら外はね、ミディアムならウェーブをつけ、バランスを見ながら整えてください」(五十嵐さん)
耳下の髪に動きをつけ、トップのボリュームとバランスを合わせることがポイントだそうで、「トップはふんわりなのに、襟足はタイトだとアンバランスです。ストレートアイロンで“波ウェーブ”にすると今っぽいですよ」ともアドバイスをくれた。
波ウェーブとは、ストレートアイロンで作る旬のスタイルなのだとか。「髪を左右2つに分けたら右3つ、左3つのブロックに分け、一番下のブロックから順に、手首を回転させ、半円を描くように内巻きから外巻きと、“波”のようなうねりを作るようにウェーブをかけていきます」と五十嵐さん。
もはやヘアアレンジの定番である“くるりんぱ”同様、慣れると簡単なのでマスターしておくとよさそうだ。
■袴にあうロングヘアのアレンジ
最後にロングの人向けに、ルーズで立体感のあるまとめ髪を紹介してもらった。


「あらかじめ全体の髪をコテなどで巻くとよいですが、波ウェーブのほうがより旬のイメージです。ハチ周りの髪は残しトップを後頭部の中央で“くるりんぱ”します。次に、ハチ周りに残した髪をねじりながら“くるりんぱ”の部分にピンで固定します。ここまではミディアムヘア同様ですが、ロングの場合は耳下の残った髪を三つ編みにし、お団子のようにクルクルと巻いてピンで固定します。顔周りの後れ毛もしっかり巻いて残すと若々しく可愛らしいイメージになりますよ」(五十嵐さん)
編集部では今回、ロングヘアのアレンジを実際に試し、動画撮影を行った。動画の方が手順もわかりやすいのでぜひチェックしてみてほしい。
ニコニコ動画で見る→bit.ly/2FK3WBW
これまで袴というと、はいからさん風に“ロングの黒髪ストレート+前髪ポンパドール”が王道だった。しかし、今回五十嵐さんにご提案いただいた、波ウェーブやくるりんぱをマスターし、袴を着こなすのもトレンド感が出て素敵だ。人生の節目である卒業式に、今年ならではの袴スタイルで出席してみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール:五十嵐 しの
表参道のヘアサロン「HOULe」スタイリスト。お客様のライフスタイルに合わせ、ナチュラルで作り込みすぎず、スタイリングしやすいヘアの提案を得意とする。自身も子育て中につき、ママさん達の髪のトラブルやお悩みにも寄り添う。