確定申告とは、一年間の会計結果を計算して国に対して申告する制度のことを指し、これによって国に納めるべき税金を明確にすることができる。企業に勤めている人の大半は年末調整によって所得税などが精算されるため確定申告の必要はないのだが、フリーランス、個人事業主や、国が定めた条件にあてはまる人はきちんと申告を行う必要がある。
一年間の所得や経費などを計算していくわけだから考えただけでも骨が折れる。でも適当に済ませるわけにはいかないし……きちんと学んでおかなくては!そこで確定申告ついて知っておきたい情報について「教えて!gooウォッチ」で探してみたところ、以下の3つが発見されたので紹介しよう。
■確定申告を税理士に任せたらどれぐらいの金額に?
先ほど「きちんと学んでおかなくては!」と書いたそばから申し訳ないのだが、面倒な確定申告をいっそのこと税理士さんに全部任せてしまうという手はないのだろうか?
教えて!gooウォッチの「確定申告を税理士に頼んだ場合の相場っていくら?」という記事によると、売り上げが1000万円に満たない規模であれば5~10万円ほどの費用で申告書の作成をお願いできるようだ。
しかし、領収書などの書類の整理もあわせて丸ごとお願いするような場合は、年間およそ20~30万円という金額で雇用契約を結ぶということになるそう。売り上げ規模にもよるが、フリーランスの仕事をしている人が簡単に払えるような金額ではないかもしれない。今はパソコン上で書類を作成したり経費を計上したりできるソフトなどもあるので、それらを上手に使いつつ自力でやるのが一番いいようだ。
■サラリーマンが副業をした場合も確定申告は必要になる?
ちなみに、年末調整を受けている人の大半は確定申告の必要がないと前述したが、会社で得ている給与以外に副収入があった場合などはどうなのだろうか。
元国税調査官の松嶋洋税理士によると、「年末調整の対象になる給与以外の所得が20万円以下であれば申告は原則として不要とされていますので、多くのサラリーマンはこれで申告不要とされます」とのこと(教えて!gooウォッチ「サラリーマンが副業をした場合、確定申告は必要か」より)。
しかし、それに当てはまらないケースもあるという。
「年末調整の対象となる給与以外の所得が20万円を超えれば、この申告不要制度は適用されません。また、給与収入が2000万円を超える場合には、年末調整の対象にならないとされていますので、このようなサラリーマンも申告をしなければなりません。加えて、同族会社の役員等のうち、その同族会社から給与のほかに、不動産の賃貸料などの収入を得ている場合には、その同族会社からの収入についてはこの制度の対象外とされています。このため、わずかでも同族会社から不動産収入などがあれば、申告をしなければなりません」(松嶋さん)
サラリーマンであっても、副収入が20万円を超える場合には別途確定申告が必要になってくることを覚えておきたい。
■確定申告でミスをしてしまった場合は?
一年間に渡る利益や経費を整理してまとめるという骨の折れる作業だけに、時には確定申告書に記載する金額を間違ってしまうようなことも起きる可能性がある。特に、本来納めるべき税金より少なく申請してしまった場合などはどうなってしまうのだろうか。
松嶋洋税理士によれば、少額不徴収という規定が存在するのだという(教えて!gooウォッチ「今年もやってきた確定申告。ところで少額不徴収という制度はご存知?」より)。
「本来、税務調査で発見したミスはすべからく是正する必要がありますが、金額が小さいミスまで是正するとなると、調査官も税務調査を受ける側も手間がかかる割に実益に乏しいため、敢えて是正しないという処理が認められています。この処理を少額不徴収といい、税務調査では広く使われています」(松嶋さん)
小さな規模のズレであれば不問とする、という制度があるのだ。ただそれを聞いてホッとしてはいけない。
「ラッキーと思うのは、実はリスクがあります。後日、『やはり税金がかかります』などと、指導事項に留めたはずの問題に、課税される可能性があるからです」(松嶋さん)
少額不徴収と判断したのはあくまで調査官の独断であって公的な見解ではない、と、決定が覆ることもあるそうなのだ。とにかく一番確かなのは、正確に、ミスなく確定申告を行うのがベストだということ。税務署が無料で実施している相談窓口などもあるので、少しでも分からないことがあったらきちんと確認しつつ進めるのが一番の近道と言えそうだ!