■大掃除を計画的に進めるコツ
今年は、ライフスタイルの変化に合わせ「小分け型の大掃除がおすすめ」と高橋さんはいう。
「大掃除をストレスなく進めるには、段取りが重要です。まずはカレンダーに、外回り、窓、照明器具、各部屋、トイレ、風呂、玄関、キッチンなど、掃除すべき場所を小分けにして記入します。同時に、各所の掃除に必要な洗剤や道具に加え、家族が協力できる日、協力者の名前も書いておくと、効率よく進められます」(高橋さん)
基本的な掃除のコツについても聞いた。
「外回りやベランダ、ガラス窓は、汚れが見えやすい晴れた日中に掃除するのが最適でしょう。部屋の掃除は、最初に片づけをし、床にモノが置かれていない状態にしてからはじめるのが鉄則です。ホコリは、天井の四隅や電気のシェードなど高いところから下へ拭き降ろすと、最後の床掃除で全体をキレイにすることができます。今年の大掃除は小分けが基本。早目にスタートし、年末にはひと通り終わっていることを目標にしましょう。年末の仕上げに、水回りや玄関、キッチンを再度ササッと掃除すれば完璧ですね」(高橋さん)
感染症予防のためにも、清潔な暮らしを心掛けたい。
■コロナ禍で買い足した物の上手な整理法
自粛生活により、ストックしていた生活必需品から見直すとよいそうだ。
「マスクや除菌消毒用の液剤、シートなどの衛生用品、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの日用品、乾物や小麦粉、カップ麺などの食品をストックしているご家庭は多いでしょう。これらストック品を上手く収納できずに床や廊下に出しっぱなしにしていると、雑然としたお部屋になってしまいます」(高橋さん)
まずは、保管場所の確保からはじめたいところだ。
「マスクなどの衛生品は家族の誰もが分かる場所に、かさばる日用品は収納庫に、食品はキッチンのそばに保管するとよいでしょう。保管場所を決めたら、ストックしておく量を考えます。基本的には、ストック品の量が減ってきたら買い足していく『ローリングストック法』で循環できるようにするとムダ買いがありません。買い物を自由にできない不安感から大量の保存食品を購入してしまうケースもあるようですが、ストック食品は日頃食べ慣れている物にすると、自然と食生活の中で消費できますよ」(高橋さん)
「ローリングストック法」は、防災の備蓄にも活用できるので習慣にするとよいだろう。
「コロナ禍で外出の機会が減り、洋服の出番が少なくなりました。汚れや傷みが目立つ服、サイズが合わない服などを減らしましょう」(高橋さん)
本当に必要な物が見えたときこそ、断捨離のチャンスだ。
■自宅を居心地のよい空間にする方法
自宅で仕事スペースの確保が必要になってきている人も多いのでは。加えて、居心地がよく、おしゃれな空間に変えたいという声はないだろうか。
「リモート会議で自宅の様子が映し出され、今まで気にしなかった部屋の生活感に悩みはじめた方も多いようです。部屋全体を変えることは難しいですが、たとえば、部屋の一箇所にお気に入りの椅子と小テーブルを置き、リラックスできる空間を作るのもよいです。自分の背後が映し出されるリモート会議にて、真っ白の壁は無機質すぎる反面、バーチャルな背景もTPOにそぐわない場合があります。そこでポスターや絵、観葉植物を飾ったり、ウォールステッカーを貼って雰囲気を変えるのもおすすめです」(高橋さん)
Withコロナの暮らしは、お家時間をいかに居心地よく過ごせるかがポイント。大掃除や片づけをした部屋で、知恵や工夫、センスをこらし、自分だけのおしゃれな空間を作りたい。来年はより快適な暮らしを手に入れよう。
●専門家プロフィール:高橋 和子(片づけ上手塾)
一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会を設立。代表理事、片づけ上手塾エグゼカレッジ表参道校専任講師就任。「大人片づけ」®を考案し、思春期から老年期までの各年代に適した片づけプログラムを提唱。インストラクター養成にも注力している。