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墨を使わないで、水を筆につけ字を書いた後,乾くと何度でも使える用具がありますが,いろいろな事情で墨を使えないことがあるので、これを使って練習したいと思っていますが,注意すべき点というのはどういうものでしょうか。

A 回答 (1件)

これは、水書板(すいしょばん)のことですね。


水書板は、高価だった一頃に比べ、かなり安くなりまして、普及が進んできました。

まず、私が大きく関わっている学校教育の場を例に挙げて、お答えしようと思います。

水書板を使った授業は、墨を使う場合に比べ、楽しいという評価を得ることが多いです。しかし、その反面、取り扱いには注意が必要で、何度も繰り返し使う場合には適さないとも言われてきました。

道具としての水書板の最大の注意点といえば、まあ当然のようですが、
筆をきれいに保つこと、でしょう。

水書板は、少しでも墨のついた筆を使ってしまうと、もうボツです。
使えなくなってしまいます。
しかし、小学校などの学校教育の場では、生徒は必ずお習字教室で使っている道具をそのまま教室に持ち込みますから、“うっかり”する子や“なぜ墨のついた筆がダメなのかを認識できていない”子どもが多く、必ず2・3人は、墨のついた筆で書いてしまって、使えなくしてしまいます。

昔は、本当に高級品だったので、生徒のみんなに見えるような大きな水書板を用意できず、先生だけは水書板を使わずに黒板に書き込む、という授業を行うことも多かったのですが、大きな筆(高価)を、ヤスリ状の黒板にこすり付ければ、もちろん痛みも激しく、黒板専用の大筆は、かなりもったいないものでした。

先生側の失敗例としては、そこに筆がたまたま無かった先生が、「朱墨のついた筆を良く洗って使えばいいのでは?」と、朱墨の筆で書いて、高価な水書板をボツにしてしまった例もあります。実は、墨より朱墨の方が落ちにくく、最悪の結果になりますので注意が必要です。(小学校では、書写の授業を、専門家ではない、各クラスの先生が行いますので、失敗が多いです。先生達への指導も徹底する必要があります。)

指導における注意点としては、
水書板は、乾くまで次が書けない、ということです。乾くまでの数分、生徒達をじっとさせ、かつ、授業の目的を果たすのが、慣れるまでは大変でしょう。

逆に、水書板を使うことによる長所としては、「失敗を恐れず、のびのびと書ける」「気になったら、すぐ試せる」「水書板の魅力で、たくさん書いてみたくなる」「自分の作品が乾いて消えていくのを惜しむほどに、集中して書く」「周りを汚さない」「準備する道具が少なくて済む」などが挙げられます。

まとめますと、

現在は、かなり安くなりましたが、必ず数人は使えなくしてしまうので、そのためのコストの計算や、フォローについて考えておかねばなりません。その後の授業では使えない、ということもありますからね。それと、墨をつけたことのない新品、もしくは水書板専用の筆と、墨をつけたことのある筆とを同じ保管場所に置いてはいけないことを指導すること。きれいな筆を忘れたときに、安直に、「墨のついている筆でいいや」とならないような、しっかりした指導。そして筆を忘れた場合は、先生が貸し出すなどしなければ、授業ができません。乾くまでは、じっとさせて、解説などをする必要もあります。

そこで、
水書板を使用するときは、絶対に墨の用具を近くに置かない。筆は、できれば先生が管理して、忘れることを防ぐ。乾くまでの間を大事にする。
これでかなり上手くいきます。

個人の練習で使用したい場合は、新品の筆を使い、きれいに保つこと。これが全てでしょう。
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この回答へのお礼

水書板という名前を知りませんでした。同じことが紙袋の芯に使うやや厚手のボール紙(?)でもできるので、興味をもっています。ご丁寧に有難うございました。

お礼日時:2005/04/11 11:00

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