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(1)DNAが設計図になってたんぱく質が合成されるとのことですが、DNAの2本の鎖のうち、どちらが設計図になるのでしょうか?

(2)遺伝の優勢・劣勢はどうやって決まるのでしょうか?劣勢の方からは、たんぱく質が合成されないなんてことはありませんよね?

※最近になって生物の勉強を始めました。基礎的な質問かもしれませんし、質問自体に間違いが含まれるかもしれませんが、ご容赦ください。

A 回答 (4件)

(1)ひとつの遺伝子について言えば片側だけです。

どちら側がRNAの鋳型になるかは、遺伝子の向きによります。一本の染色体上でも遺伝子の向きはどちら側もありえるので、ある遺伝子ではこちら側の鎖を鋳型にするけど、別の遺伝子は逆側の鎖を鋳型にするということは当然あります。
遺伝子の向きは、転写プロモータの向きと言っていいでしょう。
RNAは(DNAも)合成酵素によって5'端から3'端方向に合成されます(前のヌクレオチドの3位のOHに次のヌクレオチドの5位のリン酸基が付加されていく)。
DNAの二重鎖
5'------------------------>3'
3'<------------------------5'
に対して、右向きのプロモータがあったとすると、下側のDNA鎖を鋳型にして、RNAが合成されます。左向きなら上側です。

(2)これは、ちょっと生物学をかじったくらいじゃフォローしきれない、難しい問題をふくんでます。基礎的だなんてとんでもない。

劣性の変異となる例は、完全機能欠損(complete loss-of-function≒amorph)、部分的機能欠損(partial loss-of-function≒hypomorph)があります。完全~は、まったく転写がおこらないとか、点突然変異によって途中に停止コドンが入るとかフレームシフトを起こすなど、転写されても機能をもったたんぱく質が作れない場合などです。部分的~は、転写量が減少するとか、点突然変異でアミノ酸置換が起こってたんぱく質の機能が落ちる場合などです。たとえば、高校生物でおなじみのショウジョウバエの眼の色で、white遺伝子のamorphは白眼になりますが、hypomorphだとその機能低下の度合いによって薄い黄色やあんず色など薄い色がつきます。いずれの場合も、野生型の赤眼にたいして劣性になります。

優性変異の説明はさらに難しいのですが、簡単に。遺伝子の発現量が増加した場合(hypermorph)、本来の機能に過剰な機能が加わった場合(neomorph)、野生型の遺伝子産物の機能を阻害する場合(antimorph)があります。また、遺伝子のなかには、一対の正常な遺伝子がなければ十分な機能を果たせないものもあります(haploinsufficient)。そういったものでは、一方が野生型、もう一方が完全機能喪失型のとき、変異型の表現形を生じるので、優性変異とみなされます。たとえば、これもショウジョウバエのNotch遺伝子ですが、野生型と
Notch変異のヘテロ接合体は翅の先端が欠ける変異表現形を生じるので優性変異とされていますが、実はNotch変異は完全機能喪失型です。

長くなりましたが、それでも説明は不十分です。遺伝学の教科書で勉強してください。
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この回答へのお礼

丁寧なご回答をありがとうございました。難しいことなんですね。勉強してみます。

お礼日時:2005/05/05 04:14

>基礎的な質問かもしれませんし、質問自体に間違いが含まれるかもしれませんが、ご容赦ください。


このような疑問をもたれる方は、少なく、生物の勉強をはじめたばかりだとは思えないのすが。私が同じ疑問を持ち出したのは、30歳を過ぎてからです。

(1) これは、片方しか設計図になりません。ご存知のように、DNAのAAAに対応するアミノ酸はアスパラギンさんですが、DNAのAAAのペアになるTTTからはフェニルアラニンですから、これが連続するので、全く別のタンパクができてしまいます。
 通常読み取られないもう一方のDANからタンパクを人工的に合成したところ、普通に読み取られるDNAから合成されるタンパクの作用を抑制した、という報告も読んだこともありす。
 ただ、ファージのように、極微小のものは、すべてのDNAが使われると、と聞いたことがあります。

(2) 例外があるかもしれませんが、劣性遺伝子からは、タンパクハ合成デキナイでしょう。赤血球表面の糖鎖で、A型の人はN-アセチルガトクトサミンが、B型の人はガラクトースがありますが、劣性であるO型の人はこの部分に糖が結合していません。
 O型の人は、糖を結合させる酵素(タンパク)が合成されていない、と推定されます。
 
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(1)について


教科書的には、どちらも設計図になっています。例えば、ほ乳類などでは遺伝子は全ゲノムの一割にも満たないと考えられています。つまり、遺伝子は全体のとびとびにあれば問題ないので、片方が設計図になっている相補鎖(逆側の鎖)は意味をもちません。但し、最近の研究では重なり合った遺伝子発現(ほんとうは片側はタンパクをコードしていないくて、遺伝子ではことがほとんどですが。。)が重要な意味を持つことは、間違いなさそうですが。あと、最近などでは、重なり合った遺伝子の両側がタンパクをコードしている例などもあります。
(2)について
優勢劣性の話は例外が非常に多いで回答が難しいですが、
#1の方が答えられている要因のパターンが多いと思います。
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(1)両方の鎖でありえます。



遺伝子の領域の一部が重なる遺伝子もあります。

(2)優性は「ある物質」を作れるもの。劣性は作れないものの場合が多いはずです。
したがって片方の染色体に、「ある物質」を作るための遺伝子(優性遺伝子)をもっていたら、もう片方の対立遺伝子が優性であれ劣性であれ、ある物質はできてしまうということでしょう。
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