http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1697338
からの派生質問です。
異名同調,例えば「嬰ヘ長調と変ト長調」,「嬰ハ長調と変ニ長調」などは,違う雰囲気の調と感じられるかどうか?というのが質問です。
もしも既に定説があるようでしたら,ぜひご教授ください。あるいは,この作曲家は意識していた,この作曲家は意識していない,といった情報・見解・感想でも結構です。
また,実際に楽器を演奏されている方がどのように感じて演奏しているか,あるいは,楽器を演奏されない方はどのようなイメージをお持ちで,聴くとどのように感じるか,にも非常に興味があります。
---(以下,質問の背景として,ご一読いただければ幸いです)---
等分平均律では,CisとDesは楽器が鳴っている時の物理的な状態としては同じと思いますが,弦楽器や管楽器では,実際に音程や響きが変わる(意図的に変えるか,奏法の都合で無意識に変わってしまうかはともかく)事があるかもしれません。
また,ピアノなどの鍵盤楽器でも,奏者がCisと思うか,Desと思うかで,曲想に何かしらの影響がでそうな気もします。
一方,異名同調は同じ雰囲気で演奏すべきだ,と考える方もいらっしゃるようです。
ttp://www.cwo.zaq.ne.jp/kawasaki/MusicPot/godoken.htm
説明としては非常に合理的であるようにも思いますが,個人的な体験とは若干の食い違いを感じたりもします(自分が鍵盤楽器奏者でないから,あるいはきちんと楽典を学んでいないからかもしれません)。
私(アマチュアのトロンボーン奏者です)は,演奏の際は違いをイメージしますが,ブラインドで聴いて区別がつくか,と言われると,響きそのものから違いを感じ取れる自信はまったくありません。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
質問者のかたは、ご自分でどういう違いを感じとっていらしっしゃるでしょうか。
異名同音の調というのは、すでに♯にしても♭にしてもかなりの数がついていますよね。
長調なら♭が短調になると♯という例もありますし。
ピアノを弾いていて、私自身はF#とG♭、D♭とC♯などの場合は極端な場合は小節ごとに♯と♭を行き来しているような感覚になります。その調の機能和声によってどちらかに偏るような。
このあたりは、調性感はかなり曖昧ともいえますし、その曖昧さ加減が曲の個性となるケースもあります。
アルベニスの「イベリア」の1曲めは♭7つですが、弾いていて♯の調の気もするし・・・たぶんこのあたりは調性が曖昧なあたりではないでしょうか。絶対音感があれば、ニ長調やト長調は、はっきりと♯系の調として認識できるので。
私は,やや♭系に偏った音程・調性感覚をもっていると自覚しています。異名同調であらわされるあたりの領域だと,♭系に感じる場合が多いです。FisよりもGes,HよりもCes,といった感じです(常に,ではないですが)
背景としては,Bの移調楽器であるトロンボーンを吹いていたこと,#系の調性を♭系に移調する事が多い吹奏楽の経験があったこと,♭系のオリジナル曲の多い金管アンサンブルやトロンボーンアンサンブルをよくやっていたこと,などがあると思っています。
ただ,調性感としてどうかといわれると,音名としてはFisでなくGes,HでなくCesと感じてはいても,雰囲気として♭系を感じているかといわれるとそうでもないかもしれません。各場面の曲想に影響されているようにも思います(和音の機能をきちんと分析・理解できるほどの知識はなく,その差がどこから来るのかに対しての裏づけはありませんが)。
正直申し上げて,自分の感覚には自信がなく,なんとも曖昧です・・・。
この曖昧さこそが,#や♭の多い調性の特徴なのかもしれませんね。
実際に演奏されている方の感じ方がうかがえて,大変参考になりました。
ありがとうございます。
No.5
- 回答日時:
管、弦楽器をやりますが、自分の演奏感覚で言えば、別物ですね。
結果としてどう聞こえるかは別にですが(笑)
そもそも意識としてはCisとDesは別な音と思って演奏してますから。異名同音は平均律等でやむなくあるものとしか思ってません。
意識的、無意識的に音程や音色にも影響はあるかもしれませんし、演奏がヘボなのでそんな微細な違いは聞き取れないかも知れません(というかその可能性大)。
前回のご質問に引き続きのご回答,ありがとうございます。
>管、弦楽器をやりますが、自分の演奏感覚で言えば、別物ですね。
>結果としてどう聞こえるかは別にですが(笑)
非常に共感いたします。特に後半(笑)
平均律の異名同「ピッチ」の世界であっても,異名同「機能」にはならないだろうな,というのは思っていますし,異名同音/同調の区別については,可能な限り注意深くありたいと思っています。
No.4
- 回答日時:
長年ピアノを続け、絶対音感を持つ者です。
主観的意見になってしまいましたら申し訳ありませんが、ブラインドでF#の調はGesでなくFisに聞こえます。
同じようにCis-durはDes-durに聞こえるのですが、mollですと逆にcis-mollに聞こえてしまいます。
多分頭の中で聞こえる階名が関係しているのだと思いますが、Des-durの場合第三音がFで、第七音がCなので、音階にするとE#やH#には聞こえづらく、結果「レミファソラシドレ」と聞こえてしまうためだと思います。
cis-mollの場合は第三音がEなのでF♭に聞こえず、結果頭の中では「ドレミファソレシド」と聞こえてしまいます。
つまりその調を音階にした時、どっちがしっくり階名で聞こえるかで調性を判断してしまうのではないでしょうか。
ですから奏者が逆の調で演奏されても、こちらには残念ながら一つの調で聞こえてしまうのです。
あくまで「ピアノ」を続けてきた一個人の意見として受け取ってくだされば幸いです。
他の方が全く違う感じ方をされていたら申し訳ありませんが、こういう人も居る、という参考として書かせていただきました。
ご回答ありがとうございます。
いろいろな方のさまざまな感じ方がうかがえて,大変参考になっています。
回答者様の感じ方,その理由,とても納得のいくものだと思います。絶対音感が強く,ピアノに触れる時間の長い方は,Eis,Fes,His,Cesといった音名には,違和感があるかもしれませんね。
もう一つの質問も含め,皆さんの感じ方・考え方をうかがったり,私自身,他の方への質問に回答したりしながら,調性というものは,「人間はこう感じるようにできている」というものは特に存在せず,それぞれの方の感性や音楽環境からの影響がとても大きいのかな,と感じています。
また,感じる階名や調性が何であれ,あるいは,階名や調性がわかるだけの音感がなくても,(もちろん,音楽理論的を学ぶことや,音感を磨く訓練の意義は十分認識していますが),その奥にある音楽を感じ取ることこそが大事であると,より重みをもって再確認しています。
No.2
- 回答日時:
平均律以前の中全音律なら fis と ges の音そのものが違いますので
fis-dur と ges-dur では調性の違いに意味があったのかもしれません。
でも,平均律では,異名同調で雰囲気が変わるとは思えません。
特にピアノのように音程を調性できない楽器では,
雰囲気の変えようがないと思います。
バッハの平均律クラヴィーア曲集に(第1巻しか知りませんが)
異名同調がないのは,バッハもそう考えた
ということではないかと想像します。
前回の質問に引き続きのご回答,ありがとうございます。
#1さまもバッハの「well tempered」に触れていらっしゃいますが,私は,「well tempered」は「全ての調性が演奏可能な調律=異名同音の調律」という意味に捉えています。
平均律クラヴィア曲集(#1さま,通例に従いこう表記します)に異名同調がない,とのご指摘,なるほどとおもいました。
実際にバッハがどのような調律方法を想定していたのかは分かりませんが,異名同音の調律である以上は,響きの面でも実際の響きの違いはない,とバッハは合理的・実際的に考えたのかもしれません。
また,この曲集の場合は,単一の調のそれぞれの響き・性格の違いを出す事よりも,調性の選択の完全な自由を手に入れ,表現の幅が拡がったという事が,バッハにとってはより重要だったのかも,と勝手に思っています。
つまり,バッハは異名同調という考え方には(少なくともこの曲集では)それほどこだわらなかったのかもしれませんね。
No.1
- 回答日時:
音楽を少しかじった方ならご存知だと思いますが、私も聞いた話ですけど、Cis=Desではなく、一時、鍵盤楽器は半音をならす黒鍵が#と♭の左右に分かれていたそうです。
#と♭はそれぞれ曲想が違い、曲想を重きにおいて、転調するならば、#は##、##は###となるべきとのことです。従って一度上げるのには??ヘ長調がト長調にはならないと言うことです。
最近聞いたのは
平均率は大変な誤訳であり、well tempared=スペル自信なし が元来の意味であるそうです。けして、波長を均等分したわけではないということです。
古典的音楽の探求は眼から鱗です。
バッハについてもいくつかの神話があるぐらいですから。
等分平均律ではない世界ではCis=Desではないこと,調性によって曲想に違いが出る要因のひとつが,「音律」である事は認識しております(例えば,根音の違う長三和音は音の高さだけではなくて響きそのものが違う,など)。
今回の私の疑問は,調性によって調律を変える事をしない今の楽器(例えば,現代のピアノ)を使って演奏する場合,奏者は異名同調の違いを意識する(すべき)だろうか?,聴き手は何か違いを感じるだろうか?という所です。
例えば,Des durならば調号は♭5つで済むけれども,Cis dur(#7個)を使うべき所はそうすべきだ,との点は,私も何となくですがそう感じています。
ショパンなどでは変ト長調と嬰ヘ長調,両方の曲もありますし,また,ショパン(リストだったかも?)は一回の演奏会で,調律の違う何種類もの楽器を使い分けた,という話も聞いた事があります(記憶はあいまいですが)。
一方,質問文の途中に挙げさせていただいたURLでは,転調の時などには,理論的にCis durを使うべき時はDes durで記譜すべきでないとなっていますが,それはあくまでも理論上の都合であって,響きの上では性格の違いはない,という事になっているようです。
まとまらないお礼で恐縮ですが,ご回答ありがとうございました。
「well tempered」の件につきましては,#2さまへのお礼にて。
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