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私の父は30年ほど前から個人事業をしています。
事業をしている土地の名義は私の祖父のもので、祖父は8年前に亡くなっています。
祖父が亡くなった今も、土地の名義を父に変更せず、そのまま事業を継続しています。
本当は土地の名義を祖父から父へ変更したかったのですが、叔父が反対しているためにできません。
父は婿養子で祖父と養子縁組をしていて、父、母(祖父の娘)、叔父(祖父の息子)の3人に土地の所有権があります。


そこで質問なのですが、
(1)この先ずっと祖父名義の土地で事業を続けていく事はできますか。
(近い将来、息子の私が事業継承する予定です。)
(2)土地の時効取得ができると聞いたのですが、この場合はできますか。
(3)以前、叔父に「法的手段も考えている」と言われた事があります。具体的にどのような事を意味しているのでしょうか。


よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

(1)あなたもお書きの通りに、その土地に関しては父・母・叔父が法定相続人ですから、遺産分割協議を整えて父からあなたへと単独に所有権移転が成されれば事業を継続することは出来ますが、そうでない場合には何らかの対応が必要となる場合も想定されます。

そもそも現状でも父が土地を使用している状況というだけで、父に完全なる所有権が存するわけではありません。

(2)時効を主張するには、少なくとも自己による所有の意思を持っていたとされる客観的状況が必要ですが、母・叔父という法定相続人の存在がある(知っている)限りにおいて、時効の援用はまず難しいと考えてください。

(3)叔父にも相続権(少なくとも遺留分)があるわけですから、その部分の金銭的要求、又は共有物の分割請求(土地を分ける、もしくは売却代金を分ける)という手段ではないでしょうか。

いずれにしましても、遺産分割協議を行って、その土地の件のみならず相続問題に決着を着ける必要があると思われます。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。

時効取得についてですが、土地の所有権が3人にあるという事を知っているため、「善意10年」には該当しないと思いますが、「悪意20年」にも該当しないという事でしょうか?

お礼日時:2008/09/09 16:59

私は「悪意の20年」にも該当しないと思います。


そもそも、所有権を時効取得するためには「所有の意思」をもって、目的物を占有する必要があります(民法162条)。「所有の意思」というのは、字義どおり「自分の所有物とする意思で」ということなのですが…。

しかし、今の裁判所はこの言葉の意味を少々テクニカルに考えていて、ある人のある物に対する占有が「所有の意思」に基づくものかどうかは、その占有の客観的な性質で決まると考えています(最高裁判所昭和45年6月18日判決・判例タイムズ251号185頁、判例時報600号83頁、最高裁判所昭和45年10月29日判決・判例時報612号52頁)。つまり、最初に賃貸で占有を得た場合は、本人が内心ではその物を所有する意思を持っていたとしても、原則として、取得時効にいう「所有の意思」には当たらないのです。
(「原則として」というのは、民法が、「所有の意思のない占有」(他主占有)が「所有の意思のある占有」(自主占有)に化ける場合があることを予定しているからですが(民法185条)、ご質問の場合には、ちょっと縁の遠そうなお話しなので、割愛します。)


ご質問の場合について考えて見ますと、「本当は土地の名義を祖父から父へ変更したかったのですが、叔父が反対しているためにできません。」というご事情から、お父さまは、問題の土地の全部をご自分が相続したとお考えでないこと-3分の2は他の兄弟が相続して、その所有物となっていること-を認識しているとが明らかだと思います。
そうすると、少なくとも問題の土地の3分の2については、お父さまの占有は、その占有の客観的な性質から「所有の意思」に基づくものでないと言わざるを得ません。

なお、最高裁判所は、「共同相続人の一人が、単独に相続したものと信じて疑わず、相続開始とともに相続財産を現実に占有し、その管理、使用を専行してその収益を独占し、公租・公課も自己の名でその負担において納付してきており、これについて他の相続人が何ら関心をもたず、異議も述べなかった等の事情の下においては、前記相続人はその相続の時から相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得したものというべきである。」(昭和47年9月8日判決・民集26巻7号1348頁)としてますが、ご質問のケースは、これに当たらないと思われるのです。

そうすると、ご質問の場合、お父さまには(少なくとも土地の3分の2の部分については)取得時効に関する民法162条の適用がないことになりますから、「悪意20年」の取得時効も、該当しないと思われるのです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません。

どうやら時効取得に関しては難しいようですね。
他の方法を考えてみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/16 09:53

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