労災保険の休業補償給付と傷病補償年金の支給要件の違いについて教えてください。
休業補償給付の支給要件は、療養のため、労働することができないために、賃金を受けない日となっています。
一方、傷病補償年金は、療養開始後1年6月後以降に、負傷等が治癒せず、傷病等級に該当すれば、休業補償給付に代えて支給されることとなっています。
休業補償給付では必要なる要件「労働することができないために賃金を受けないこと」は、傷病補償年金では要件とならないのでしょうか?つまり働いて賃金を受けても傷病補償年金が支給されるということでしょうか?教えてください。
No.1
- 回答日時:
>傷病補償年金では要件とならないのでしょうか?つまり働いて賃金を受けても傷病補償年金が支給されるということでしょうか?教えてください。
年金が給付される場合の障害等級は表を見てご覧なさい
http://labor.tank.jp/hoken/syougai-toukyuu.html
年金が給付されるのは働けないほどの後遺症が残った場合といってもいいでしょう
それを1-7級に分類しておりますけどね
ご質問のケースの働いて収入が得られるようなら年金は出ないと思います
後遺症が残っても働ける場合は打ち切り補償の一時金になるのではありませんか
No.2
- 回答日時:
一応、社会保険労務士の資格を持つ者です。
資格を活用しての実務経験はないので、専門家レベルではありません。
失礼ながら、1番様の回答内容は労災保険法第15条に定めのある「障害補償年金」の事かと思われます。
同じ法別表1に等級の定めがありますが、傷病補償年金は1級~3級です。具体的な障害の状態については労災則別表2に載っております。
さて、1番様も書かれて居りますが、3級以上に該当する方は、下に書く様に日常生活や就労に著しい制限が掛かっている身体状態が該当致します(各等級の1号または2号該当の場合)。
このため、休業補償給付に書いてある給付要件の一部が割愛されているのです。逆に普通に働ける状態であれば、3級以上に認定されません。
・1級:常に介護を要する
・2級:随時介護を要する
・3級:常に労務に服することができない
最後に、1番様が書かれている「打ち切り補償」は労基法第81条に定めのある災害補償です。
通常、労基法第84条の定めにより、労災保険から給付され場合には労基法での「災害補償」は考えなくてもいいのですが、「打ち切り補償」だけは支給した状態なのかどうかで、他の条文に影響いたします。
今回のご質問とは関係しませんが、念の為に説明いたしますと・・・
労災法第19条の定めにより、傷病補償給付が一定期間以上に及ぶ給付された際には、労基法上は、打ち切り補償がなされたものとみなすことが出来ます。この効果は労基法第19条の解雇制限に適用されるので、解雇可能となります。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
少々専門的になりますが、傷病補償年金について、簡単に説明します。
この年金給付は、昭和51年に新設された保険給付で、従来の3年以上の長期傷病者に対する補償としてあった「長期傷病補償給付」の年金部分を発展させたものです。
すなわち、長期傷病者の症状は各々異なるのに、休業補償給付は給付基礎日額の60%の一律であり、これは障害の程度に応じている障害補償給付に比べ不均衡であること、また長期傷病者の実情から3年の経過は長すぎるとして1年6ヶ月の経過にされたのです。厚生年金保険の障害給付が1年6ヶ月であることにも合わせたのです。
この給付は休業補償給付に代えて支給されるものではなく、別個のもので、要するに重篤かつ治癒困難な長期傷病者に対して手厚い保護をしようとするものです。ただし、これが支給される間は休業補償給付は支給されません。
打ち切り補償は労基法の定めです。労災保険法ではこれに対応させて長期傷病補償給付があったのですが、傷病補償年金の新設により、この給付を3年受けると労基法の打ち切り補償があったものと見做されます。
ただし、労災保険給付は継続されます。
以上のように休業補償給付と傷病補償年金とは、その主旨が異なりますから、支給要件も異なります。傷病補償年金は傷病の療養のために失った労働能力をその程度に応じて填補するものですから、必ずしも「労働することができないために賃金を受けないこと」は要件になりません。現実としては、傷病等級に該当すれば、働いて賃金を貰うのは難しいでしょう。No.2さんのとおりです。
なお、傷病補償年金は月を単位として支給されますから、傷病等級に該当した翌日の1日から支給されます。それまでの半端な日については、休業補償給付が継続して支給されます。
ありがとうございました。
2番目の方がおっしゃるように、3級のところで労働不能を要件としているので、おそらくは働ける状況では認定されないということなんでしょうね。
それにしても歴史を知ってみると、記憶がしやすくなります。いつもありがとうございます。このような歴史はどこで調べればいいのでしょうか。今後の参考に教えてもらえれば思います。
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