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ガリレオと「みちびき」どっちが得だったんでしょうか?
 準天頂衛星「みちびき」成功のニュースを読んでいると、衛星測位システムガリレオの話が出てきました。wikipediaで調べてみると、EU、中華人民共和国、イスラエル、ウクライナ、インド、モロッコ、サウジアラビア、大韓民国が参加。「日本も協力を打診されたが、政治的要素、費用的問題に加え、実現性が低いと考えて参加を拒否。独自の衛星測位システムとして、GPSおよびガリレオの位置情報を補正して高精度の測位を行う準天頂衛星システムを開発中である。」とのことです。
 費用や実現性についての理由付けは、あまり説得力がないように思われます。何か政治的な裏があるのでしょうか。費用の点では国際協力の方が安上がりでしょうし、参加を拒否した上で、位置情報だけを利用するという虫のいい話が通るのでしょうか。
 確かに、自前のシステムを持つことは何かと利点はあるでしょうが、完全独立運行するためには、合計7つの衛星を打ち上げなければならず、財政的に実現は難しいと思われます。
 とするならば、いずれにしてもGPSかガリレオに頼る他ないわけで、無料のGPSをそのまま使うか、いっそガリレオに乗り換えてしまうという選択もあったように思われます。
 どれが得策だったんでしょうか。

A 回答 (6件)

GPSの歴史をおさらいしておきます。


1978年2月22日に打上げられた米国の軍事衛星。2009年12月現在の運用数は31基であり、地上のどこからでもさえぎるものがなければ同時に6以上の衛星が視界に入る。老朽化した衛星は、定期的に新衛星へと置き換えられている。設計寿命:5年~15年と次第に伸びている。2010年以降は民用のL5信号送信が本格的に運用され、より高精度の位置測定が可能になる。(http://ja.wikipedia.org/wiki/GPS%E8%A1%9B%E6%98% …
1983年8月31日に起きた大韓航空007便の撃墜事件を受けレーガン大統領はGPSを民間に開放するという決定を下した。(悲劇を繰り返さないための人道的措置なのでしょうか)(http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/08020801.html
2000年日5月1日クリントン米大統領が民間用のGPS信号のスクランブル中止命令を決定。それまでは、国家安全保障上の理由から、衛星から送られてくる信号波に意図的な誤差が加えられていたが、これで精度は10倍に上がった。レーン科学顧問は「国防上必要が生じた場合は、軍は今後も地域ごとに信号にスクランブルをかけることができる」と語った。(http://wiredvision.jp/archives/200005/2000050804 …
現在、単独測位(コード測位。)で誤差10m程度。DGPSによれば誤差数m。高速スタティック測位で誤差1cm以下が可能。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AD% …
なお、「来年から精度低下に陥る可能性がある」(2009年8月24日 朝日新聞)(http://aikata.ti-da.net/e2772533.html)というニュースが一時話題になったようですが、それに対する「米空軍宇宙司令部、Twitterで回答」(http://japanese.engadget.com/2009/05/21/gps-twit …)では、「潜在的なリスクがあるという指摘には同意」するが、「リスクを緩和する手法はすでに確立されている」ので心配ないとのことです。
 「2009年12月現在の運用数は31基で、基本となる24基の他に7基」(http://ja.wikipedia.org/wiki/GPS%E8%A1%9B%E6%98%9F)あるし、そもそも軍事衛星なので、対策は十分なのではないかなと思われます。
 「なぜ無料か」については、民間利用が「航空機の安全」のため始まったものであるし、また、広く一般の利用者から料金を徴収することは困難だからでしょう(BCASのような方式がありえないではありませんが、米国民から総すかんを食うでしょう)。また、各国政府に費用の分担を求めることは、米軍の軍事費を肩代わりさせることになり、筋が通らないでしょう。もともと、軍事衛星だから、民間に利用させてもさほど費用が嵩む訳でもないでしょうしね。
 また、「国防上必要が生じた場合は、軍は今後も地域ごとに信号にスクランブルをかけることができる」というのも、タカ派を説得するための発言に過ぎないようです。現に、ビンラディンは土地勘を頼りに、徒歩で逃亡してしまいましたしね。
 なお、GPSが災害予想に役立たないといいましたが、GPS波浪計、GPS地震計といったものは、すでに設置されているようです。軽率な発言をして申し訳ありません。
 考えてみれば、測位に誤差があっても、前後の位置の変動の観測は可能ですね。測位の誤差は短時間で変動するわけではないので、観測には支障はないわけです。
 したがって、「みちびき」によって、観測がより正確になるわけではなく、また、観測がはじめて可能になるわけでもありません。
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この回答へのお礼

 詳細な解説ありがとうございます。
 米国のGPSシステムが老朽化していて、すぐにも支障がでるかのようなマスコミ報道は少し無責任な感じがしますね。少なくとも、GPS運行の支障にそなえるという「みちびき」の存在理由は希薄なようですね。
 しかし、カーナビの精度が上がるというメリットは、あるのではないでしょうか。

お礼日時:2010/10/10 14:45

 ガリレオ費用負担については、EU以外の地域・国についてはあまり報道されていませんが、ネット情報では中国が2億ユーロ負担するとのことですから、日本も同程度負担することになると一応推測されます。


 ガリレオ参加のメリットは、(1)技術や情報の取得(2)日本企業のプロジェクト参加(3)日本に有利なシステム運用、といったところでしょうか。
 (1)については、すでに衛星打ち上げ技術を持っている日本にとって、あまりメリットはないでしょう。(2)については、参加国以外の企業は排除されるだろうから、メリットはないとはいえないでしょう。(3)については、衛星の軌道は欧州中心になるでしょうが、参加することによって、日本に有利な軌道を少しでも増やすことができれば、少なくとも衛星1機、うまく行けば2、3機打ち上げたのと同じ効果が期待できるかもしれません。アジアでは、中国、韓国、インドが参加しているから、日本が加わればさらに発言力が増すでしょう。
 2億ユーロ程度の負担が高いか安いか、長期的視点に立った国民的議論が必要だったと思います。

 次に、「みちびき」そのものには、「グルメ情報などを、歩く人の携帯端末に次々と表示」する機能はありません。確かに、GPS端末を利用した、そのようなサービスもありますが(http://mb.softbank.jp/mb/service/3G/life/s_gps/)、それは、GPS情報を利用した端末のソフトウェアによるものです。「みちびき」だから可能となるものではありません。
 また、「海上のブイや地盤のわずかなずれをとらえ、津波や地震を予測したり、地滑り警報にも活用する」ことはできません。そもそも、測位衛星には地表の変動を測定する機能はありません。測位衛星は、時刻データを地表に送信しているだけです。また、誤差1メートル程度の精度では地震予測には役立ちません。GPS測量なら、1センチ程度の誤差に収まりますが、測定に恐ろしく時間がかかります(http://system-support.itoh.co.jp/cat2/gps.html)。
「地盤のわずかなずれ」を観測するのは地震計です。「ずれ」を確認するのには相対的な地盤の変化を確認すればよいのであって、その都度、緯度経度高度を確認している訳ではありません。なお、人が感じない小さな揺れを捉える高感度地震計は、クルマの振動や、工場の雑音すら拾ってしまうため、静かな場所に100m以上の井戸を掘り設置しています(http://blogs.yahoo.co.jp/under_the_shiny_sky/506 …)。
 さらに、「海上のブイのわずかなずれをとらえる津波予測」に至っては、全くお話になりません。海上は、「わずかなずれ」どころか、波で常に大幅に揺れてます。また、仮に日本近海で「わずかなずれ」を捕らえることができても、津波はあっという間に押し寄せてくるので、その時点で避難勧告を出しても全然意味がありません。津波予測は、地震が起きた地域(問題となるのは南米)の潮位計チェックと海底津波計を使って行っています(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%B9%B3% …)。
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この回答へのお礼

明解な回答ありがとうございます。
 おかげで、「衛星測位利用推進センター」(http://www.eiseisokui.or.jp/ja/)の専務理事さんの発言について感じた疑問が解消されました。それにしても、毎日新聞(http://mainichi.jp/select/science/news/20100907d …)の記者さんはおかしいなと思わなかったんですかね。
 ところで、米国はどうしてGPSを無料で使わしてくれるのでしょうか。また、読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100919 …)や毎日新聞(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news …)の社説が指摘するように、いつ運用が制限されるかわからないという懸念は否定できないのではないでしょうか。

お礼日時:2010/09/20 23:50

> どれが得策だったんでしょうか。



貴方が上げたガリレオに関係する国々を見て何も感じませんか?
明らかに日本に金を出させようと言う為の協力要請です。
日本に金と技術を出させて最後は何だカンダ言って仲間はずれにされて追い出されるのが関の山です。

つまり出来上がってしまえばお払い箱と言うことです。
金を技術を投入してもそのシステムが使用できないなら全くの無駄になりますよね。
そんな状況が見え隠れしたので参加を拒否したんですよ。
日本としては独自開発の道が最も無駄が無い選択だったと思いますよ。
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こんにちは




> 日本も協力を打診されたが、政治的要素、費用的問題に加え、
> 実現性が低いと考えて参加を拒否。
> 費用や実現性についての理由付けは、あまり説得力がないように
> 思われます。何か政治的な裏があるのでしょうか。


まず"政治的要素"は、米国との関係(機嫌を損ないたくない)という
ことでしょう、米国は一時期Galileoを"目の敵"にしてましたから。

"費用的問題"は、確かそれぞれの(国の)公的機関がGalileo運営
会社にサービス利用料を支払って、免許(利用権?)を得る、一部の
サービスには利用料を課す、などの"部分的な有料化"がうたわれて
いた事(GPSは原則無料)

"実現性が低い"というのは、スケジュールがベタ遅れで(今でもそう
いう傾向が続いていますが・・・)予定通りに計画が進捗するか?が
不透明なこと、じゃないかと思います。


> 費用の点では国際協力の方が安上がりでしょうし

それは、なんとも言えないですね。
協力とはいっても、しょせんは"多国間での決め事"ですから、各国の
エゴ、じゃなかった(^^ゞ 国益もからんできますんで・・・。
「お金持っているところがいっぱい負担しろ、ユーザの多そうな国の
割合を引き上げろ」とか言われたら、いちばんターゲットになるのは
我が国でしょうね。(苦笑


> どれが得策だったんでしょうか。

そもそもGalileoは、欧州(EU)が、米国の全地球規模測位システム
(GPS)の一国独占支配体制から脱却したい! という、もうほとんど
"宗教戦争"的な側面が強い計画なので、我が国の"QZSS(準天頂衛星
システム)計画"とは、出発点から大きく違っています。

確かにGPSのように、民間、軍事、といった"たった二種類の信号"だけ
では無く、サーチ&レスキュー、コマーシャルサービス(有料)、セイ
フティー・オブ・ライフ(救急や消防などに向けた信号)、PRS(公的
事業関連向け信号。軍事も含む)といった複数の信号処理を持たせる
など、様々なサービスに対応できる下地があることがGalileoの魅力
とは言え、それらを使いこなす体制やらサービスやニーズがあっての
ものですので、それは我が国が思いが及ばない部分でもありました。

まぁ、そこまで考えてから(高価な衛星を)打ち上げろよ! と言いた
くもなりますが(笑、せっかく我が国独自に開発したワケですから、
今後の実証フェーズを経て、あらたな利用法やサービスへの道が拓け
ることを期待したいものです。(他国にお任せしちゃうと、そうそう
簡単にはいきませんし・・・)

とは言え、せっかく上空を飛ぶオーストラリアや、東南アジアの各国
も、もう少し巻き込んだらよかったのに・・・、とは思います。
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この回答へのお礼

詳細な情報ありがとうございます。
 確かに、大国同士の面子の張り合いで、似たり寄ったりのシステムを地球規模で複数運用するのは馬鹿げてますね。
 朝日新聞の特集(http://globe.asahi.com/feature/100111/02_1.html)によると、ガリレオ計画も民間企業が「採算がとれない」と次々に撤退したため、EUと欧州宇宙機関(ESA)が34億ユーロ(約4500億円)を折半することで再出発し、14年にも運用を始めると正式に発表したそうですね。
 採算は期待できないので投資という意味はなく、基本的に無料で使えるということなので、日本がガリレオ計画に参加するメリットはあまりなかったようですね。
 それにしても、軍事衛星でもある米国のGPSの運用・開発費が年間約9億ドル(約800億円)、ガリレオ計画が全体で34億ユーロ(約4500億円)。それに比べて「みちびき」一基735億円というのは決して安くはないようですね(後続機はもう少し安くなるんでしょうが)。
 ただし、機能は盛り沢山で「町中で、さまざまな場所の昔の写真や句碑・石碑の説明、周辺のグルメ情報などを、歩く人の携帯端末に次々と表示することもできる。歩いた軌跡の情報から、端末を持った人のその日の気分を推定し、合った音楽を自動作曲するソフトを開発した人もいる。娯楽だけではない。海上のブイや地盤のわずかなずれをとらえ、津波や地震を予測したり、地滑り警報にも活用する
」こともできるそうですね(http://mainichi.jp/select/science/news/20100907d …
 だけど、測位データを送信する機能しかなく、しかも全データの4分の1を補強するだけなのに、そんなことが可能なんでしょうか?

お礼日時:2010/09/17 06:37

 ガリレオシステムの場合、軽度の違う多数の国が参加していることから、GPSと似たシステムにしかならないと思われます。



 「みちびき」は、日本上空を正確に南北に同じ時間に通過するような軌道を取ります。また、日本上空にいる時間が長くなるよう、楕円軌道(人工衛星は、低空の時は速度が速く、高度が高いときはゆっくり動きます。)の高度の高い点が、日本上空に来るようにしています。
 24時間実用的に使うには多数必要ですが、朝8時から夕方5時と言った時間帯に限れば最低限3個で、ほぼ日本の真上に常に衛星がいる状態を維持できるので、ガリレオやGPSの衛星のようにビルの陰で電波が届かないといった問題を解決できます。

 ですから、GPSやガリレオシステムとは全く異なった発想の、日本のためだけの衛星です。
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 参加国が多いから実現性が低いのではと思います。

どの国がどれだけの費用を出し、どれだけの技術を公開するか。日本がどれだけ負担をさせられるか。技術を盗まれたら。参加メーカーも絶対に大丈夫とも言えない国がありますね。
 運用に関して日本がどれだけ使えるのかも不透明。参加はしても不安要素が高いですからね。
参加の際に、出された資料がどういったものが分かりませんが、計画としてずさんの可能性も高かったのでしょうね。途中で挫折、EUが総取りとか。

 日本の技術を持って行かれそうだったから断ったと思います。日本で開発運用は高くつくかもしれませんが、一番安心出来るものでしょうね。

 
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