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ある番組でやっていた問題なのですが、

二つの棒が今鉛直に支えられて立っています。ひとつの棒には先端に重りがついていて、もうひとつには何もついていません。そして、支えをはずして、この二つの棒を同時に倒すと、どちらが速く倒れるか、

という問題です。図を参照下さい。

答えは、重りがついていない棒なのですが、その解説が分かりませんでした。
記憶では、重心が上にあるから、とか慣性モーメントが重りがついているほうが大きい、など
少々曖昧な解説で終わっており、それから未だ疑問に思っております。重りがついていることで、慣性モーメントは大きくなりますが、その分大きな重力が働くため、大きなトルクを得ることができるはずですが、どうでしょうか。どうか解説頂けますと幸いです。

宜しくお願いします。

「重りを上先端につけると 棒はより遅く倒れ」の質問画像

A 回答 (6件)

考えてみたらそう難しくはなかったです。



剛体の慣性モーメント I0 (回転中心まわり)
剛体の質量 M
剛体の重心の高さ H

おもりは質点とみなせるとし、

重りの質量 m
重りの高さ L

最初の状態で、回転の中心、剛体の重心、重りが同一の鉛直線上にあるとする。

慣性モーメント I = I0 + mL^2

剛体が鉛直方向から角θ傾いたとするとエネルギー保存則は、
床の上を位置エネルギーの原点として

(1/2) (I0 + mL^2) ω^2 + MgHcosθ+mgLcosθ = MgH + mgL
(1/2) (I0 + mL^2) ω^2 = (MH + mL)g(1-cosθ)

これから

ω^2 = 2(MH + mL)g(1-cosθ) / (I0 + mL^2)
= [2MHg(1-cosθ) / I0 ] (1 + mL/MH)/ (1 + mL^2/I0)
= ω0^2 (1 + mL/MH)/ (1 + mL^2/I0)

ω0は重りがないとき(m=0)の角速度で、ω>ω0とすると

(1 + mL/MH)/ (1 + mL^2/I0) > 1

これから

I0 > MHL

を満足すれば重りをつけたほうが付けない場合よりもθによらず角速度が大きくなるので速く倒れることがわかります。

重心まわりの慣性モーメントがαMH^2と書けるタイプの剛体なら

I0 = αMH^2+MH^2 =(α+1)MH^2

なので

(α+1)H > L

が重りをつけたほうが速く倒れる条件です。

剛体棒の場合は重心まわりの慣性モーメントが(1/3)MH^2なのでα+1=4/3で

(4/3)H > L

を満たせば重りをつけたほうが速く倒れます。

ご質問の場合は重りを棒の上端につけているのでL = 2Hでこの条件を満たさず、重りをつけないほうが速く倒れます。
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この回答へのお礼

これは分かりやすい。質問内容は、棒の先端ということでしたが、質点をどこに置くかによってかわるという一般式をお示し頂きありがとう御座いました。とてもよく理解できました。

お礼日時:2011/11/07 12:23

さらに蛇足を付け加えてみます。


慣性モーメントで計算したら出ましたというのであれば高校生にはピンときません。
もっと簡略化してみます。

質量のない棒の端を水平な床にジョイントで固定します。
ジョイントには摩擦はありません。回転だけができます。
端からからHのところに質量mのおもりを付けます。
床に垂直に棒を立てて手を離します。
角度θの時の角速度ωはHによってどのように変化するでしょうか。

これは鉛直面内にある円周上を質量mの質点が運動する場合ですから高校生でも解くことができます。
速さをvとするとエネルギー保存則より
v^2=2gH(1-cosθ)
v=Hω より
ω^2=2g(1-cosθ)/H

おもりの位置H1、H2がH1>H2であれば同じ角度θでω1<ω2 です。
任意の角度についてこの不等号が成り立つのですから、おもりの位置が高い方が倒れるまでにかかる時間t1、t2は t1>t2 であることが分かります。

この式は振り子の周期を求める時に出てくるものと同じです、
角度が小さいという条件を付けていない式です。
Hに対する依存性は角度に関係がありませんから
振り子の長さと周期の関係はという問いから類推しても同じになるでしょう。
振り子であれば糸でもよかったのですが倒立型になるので棒を考えないといけなくなったという違いです。

倒立型のメトロノームの周期はおもりを上に持って行くと長くなります。

野球のバットを手のひらの上に立ててバランスを取る時に
グリップの方を下にしてやるのと、太い方を下にしてやるのとどちらがやりやすいかというのも同じ場面です。
倒立型の方がバランスをとりやすいです。
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この回答へのお礼

丁寧に解説頂きありがとう御座いました。物理がわかると日常生活がもっと面白いものになりますね。もっと勉強してみます。今後ともどうぞ宜しくお願いします。

お礼日時:2011/11/07 12:25

回答No.4で話は尽きていますが,蛇足ながら問題を簡略化してみます。



慣性モーメント I ,トルクをτsinθとすると重力による位置エネルギーUは,
U = τcosθ
の関係にありますから,エネルギー保存
1/2・Iω^2 + τcosθ = τcosθ0
ω= dθ/dt より,
dt = √[ I / { 2τ(cosθ0 - cosθ) } ] dθ
したがって,θ0からすべらずに倒れる時間は
T = √{ I / (2τ) } ∫[θ0~0] dθ/√(cosθ0 - cosθ)
となります。

一様な質量mの棒の先に質量αmの質点がついている場合
I / (2τ) = (1 + 3α)L/{ 3(1 + 2α)g }
となりますから,αが大きいほどゆっくり倒れることになります。

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この回答へのお礼

これもまた、とても丁寧にごせつめい頂きありがとう御座います。いつもありがとう御座います。やはり物理は面白いです。勉強し直してよかったです。

お礼日時:2011/11/07 12:24

ご質問のとおり、重りを取りつけると動かす元になるトルクと、動きにくさをあらわす慣性モーメントの両方が大きくなり、その効果の大小が問題となるので、定性的な考察だけからはどちらとも言えず、おそらく、結論は計算しないとでないと思います。



床に倒れる直前の角速度の大小で判断できればエネルギー保存則からすぐ出ますが、
積分してちゃんと時間まで出さないといけないとなるとちょっとめんどうそうですね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。計算トライしてみます。

お礼日時:2011/11/06 17:46

>・・・その分大きな重力が働くため、大きなトルクを得ることができるはずですが・・・


大きな重力が働こうとも、大きなトルクが働こうとも、地球の重力によって倒れるのだから、倒れる動きは両方とも同じで、重力加速度を超えることはありません。

あとは何が違うかと言うと、書かれているように「重心」が違います。
重心が重力加速度を超えない速度で円弧を描いて倒れるわけで、錘が上にある棒は重心が上になり、錘のない棒は重心が相対的に下になります。

棒が倒れる際の回転中心が同じだから、単純に重心の「高さ」で考えても問題ないはずです。
重心が低い、つまり高さが低い方が早く地面に到達することと同じと言うことです。
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この回答へのお礼

これは、なるほど、と思いました。計算的に示せるように頑張ります。

お礼日時:2011/11/06 17:48

たぶん下図のような構造だと、仮定します。













ご質問者さまのおっしゃる通りです。

しかし、棒が倒れる際、 重りは鉛直方向に移動すると共に、
水平方向にも移動しないと倒れることができません。

静止状態の重りを水平方向に移動させるためには、大きな力が必要です。
その力は、重りが鉛直方向に移動する時の位置エネルギーが使われるので、
重りのついていない棒だけの方が、そのような力は非常に小さくて済むので
先に倒れてしまいます。
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この回答へのお礼

ありがとう御座います。なるほど、実際そのような気がします。

では、たとえば、始めの位置が鉛直に倒立している状態ではなく、ある程度倒れた状態(たとえば水平面から60度)でしたら、どうでしょうか。

お礼日時:2011/11/06 17:45

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