プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

61歳の「男子」です。

このサイトでもよく見かけるのですが、
最近「性癖」という言葉が
もっぱら「性的な面での癖、嗜癖」という意味で使われているようです。

私の若い頃まではそれは
「性格のある部分に偏りがある」
とか
「くせ」という意味で
使われていたものです。
特別セクシャルなことを表す言葉ではなかったのです。

今でも昭和以前の文学などを読み返しても
いうまでもなくその意味で使われていることは
明瞭に認められます。
私の使っているいくつかの
辞書はどれも昭和に編纂されたものなのですが
それにも同様の意味しか
挙げられていません。

私はつい最近このサイトを見るようになって
このことばの使われ方が変化していることに
初めて気づいたのですが、
以来気になり、またその変化のきっかけなどについて
共時性などの点から興味をもっております。

この変化していく過程にお気づきになってた方はいらっしゃるでしょうか。
それはいつ頃お気づきになりましたか?

ウィキペディアでは21世紀初頭とあるのですが、
だとしたらその時なにかきっかけでもあったのでしょうか?

ご存知の方、お教えください。

A 回答 (4件)

あくまで私見ですが・・。



まず「異常性癖」などの言葉が、ワンクッションあるのでは?と思います。
ご指摘の通り、「性癖」そのものには良し悪しなどの区別は無いですが、「異常(な)性癖」などになれば異質性や変態性などを示す語句となり、性癖と言う言葉が専ら悪いものに使われる機会が増えるに至って、区別語句の「異常」の部分が省略された・・と言う変遷ではないか?と推理致します。

また誤用が全国的に広まった点から考慮しますと、テレビメディアの影響と考えて、まず間違いないでしょう。
それも昼間やゴールデンタイムなどでは無く、深夜枠の性風俗を取り扱う様なアングラ的なコンテンツであることは、容易に想像が出来ます。

一方、同様の語句は、「風俗」なども挙げられるかと思います。
こちらは申すまでも無く、民俗学などで用いられる学術用語でもありますが、特にカタカナで「フーゾク」などと表記すれば、最近では明らかに「性風俗」を指す語句になっており、その省略形が「風俗(フーゾク)」です。

こちらは言うまでも無く、「風俗営業取締法」が関連していると考えられ、言わば国法が、風俗と言う単語に、隠微な響きを付与した形ですね・・。

その風営法自体は比較的古い法律で、原形は昭和23年に遡ることが出来ますが、時代の要請などで、比較的「改正」されることが多い法律でもあって、現在もダンスが風俗営業に該当するか?などの議論が有る点はご周知の通りです。

カタカナの「フーゾク」などが定着したのは、店舗型性風俗特殊営業が昭和59年(1984年)の法改正で、現在の形に整理された後、1990年代徐々に広まったのではないか?と思われますが、これも人口を膾炙するには、テレビメディアが一役は買っているでしょう。

改正風営法で一旦は適性化した店舗型風俗特殊営業が、手を変え品を変え、再び多様化する中で、少し遅れて、性的な用語として「性癖」も確立してきたと言う推理は如何でしょうか?

どの時点のどの番組で、誰が言い出したのか?までは判りませんが・・・。
メディアも規制が緩い時代に、古いところでは「ウィークエンダー」「11PM]とか、「ギルガメッシュナイト」など、伝説的な性的内容や性風俗を取り扱った番組が、言語や業界に相当な影響を与えたことは、間違い無いと思います。

この回答への補足

いや非常に鋭い洞察による、
とても興味深い回答を
いただきありがとうございます。

ともかくまずはお礼をもうしあげるべく
「補足」欄に書き込ませていただきました。

まことに残念ではあるのですが
今時間がなくなってしまいました。

詳しくは明日「お礼」欄にて
述べさせていただきます。
(時間を分けて「補足」と「お礼」を使い分けることは
できるのですよね?)

まずは取り急ぎのお礼にて、
どうかご容赦ください。

補足日時:2013/06/08 00:53
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この回答へのお礼

「異常性癖」なる言葉が過渡的にあったですか?
なるほど。
以前は「異常性欲」とか「異常性愛」とか言ってましたですよね。
なにか「異常性癖」のほうが「性欲」などよりちょっと軽い感じがしますね。
なにしろ「クセ」だというのですから。

AVなどでもうすべてが解禁状態になった今
変態的なる嗜好が実は大して変わったことではなかった
ということをそれによって見せつけられたおかげで
変態的な嗜好が単にクセというか好みのちょっとした偏りぐらいにとらえられてきているという人の意識の変化もありうるのではないかと思えてきました。

そのことを背景に「異常性欲」というなんだか精神病理的で大仰なことばでなく「性癖」という言葉がずれ込んで使われるようになったとも見て取れますね。

テレビですか、やはり。
実は私はテレビをまったく見ないもので
「性癖」がそこで使われていることに
気づきませんでした。
しかし、きっとある日ある時だれかが
「性癖」をセクシュアルなものとしてつかったのでしょうね。

「ウィークエンダー」「11PM]・・・
「ギルガメッシュナイト」ですか、見てました。
イジリー岡田さん、でてましたね。

そう言われてみれば確かに「風俗」を性産業を指す言葉として定着させたのは、
このあたりの番組で間違いないですね。

あらためてとても示唆に富んだ回答をありがとうございました。

お礼日時:2013/06/09 01:08

「性癖」の意味。


 質問者の感覚とほぼ同じです。
 現段階では「誤用」です。下記の辞書を見てもそう明記されています。この辞書の書き方には疑問点がいくつかありますが。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E6%80%A7%E7%99 …
================================引用開始
せい‐へき【性癖】
性質上のかたより。くせ。「大言壮語する―がある」

◆「性」を性質の意ではなく性交の意ととらえ、誤って、性的まじわりの際に現れるくせ・嗜好、交接時の習慣・習性の意で用いることがある。
================================引用終了

 ちなみに『大辞林』の記述は下記です。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E6%80%A7%E7%99 …
================================引用開始
せいへき0 【性癖】
性質の片寄り。くせ。
  誇大妄想の―
================================引用終了

 ただし、インターネットの普及によって、このようなありがちな「誤用」はあっという間に広まります。そうなると「意味が通じるから誤用ではない」「使用例が多いほうが正用」などのムチャクチャな話が出てきます。
 詳しくは下記をご参照ください。
【突然ですが問題です【日本語編121】── 性癖】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2398. …

【もうダメかもリスト】〈2〉──けっこう厳選(笑)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2266. …
「性癖」は、現段階では「【3】誤用が目立つ言葉 」あたりでしょう。
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この回答へのお礼

実に詳しい回答をいただき恐縮しております。

いや、情けないことに
ご紹介のサイトにあることばの数々をみると
私もいくつも安易に誤用していたものが見受けられ
言葉の誤用についてここで質問などしている場合ではないとも思えてきました。

実は私は数十年前(この「数」がどれくらいの程度を表すかというのも近年は個人によってばらばらとなってもいるようですが・・・)、「性癖」という言葉の意味を知らなかったころの思春期において、
様々な文学作品にたまにでてくるこの「性癖」という言葉が
現在誤用されているようにひょっとして性的な嗜好を意味しているのではないかと
それだけでちょっと興奮しかかったおぼえもあったものです。
今おもえば私の時代の思春期というのは「性」という文字自体がリビドウを覚醒するものであったためなのですが。

それでそれが現在において
社会全体に同様の誤用が起こっているということに気づき、
とくにその背景に興味をもったのでした。
なにか人の中での性、
いや性欲の位置づけに変化があったのではないか
という憶測のもとに
そのきっかけ、タイミングについて
諸氏のご意見を伺おうと思ったしだいでした。

改めて懇切丁寧なる回答いただきありがとうございました。

お礼日時:2013/06/08 00:26

「いたす」「やる」「行為」「寝る」「モノ」「あそこ」など、


本来セクシャルな意味に限定されないけれど、文脈次第で性的方面を指す語というのはたくさんあります。
太宰治『満願』にも「固く禁じた」「おゆるしが出た」という婉曲表現があります。

時として「行為」が性行為の意味で使われても誤用とは言えないように、
時に「性癖」が性的嗜癖の意味で使われるとしても、誤用とまでは思いません。
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この回答へのお礼

とても興味深い回答をありがとうございます。

例としてだされた太宰の作品に見る言い回しについては
その言葉だけでもいかにもという太宰らしさが出ていて
まことに興味深いものですね。

言葉というものはその意味するところもさることながら
言葉の選び方や言い回しにこそ、
その人の人間性がはからずも出てしまうところに
おもしろさとまた怖さがあるものですね。

「性癖」については過去においては性的嗜好のことも
含まれるわけですから、
おっしゃるとおり誤用とまでは言い切れないかもしれませんね。

しかしながら私はそれが性的な面に限定した意味としておおっぴらに使われているというところにたまたま気づき、
その変化の背景にちょっと興味をもったのでした。

あらためて回答をありがとうございました。

お礼日時:2013/06/07 23:48

似たような言葉の“誤用”は枚挙に遑がありません。


姑息、知恵熱、役不足、一姫二太郎、敷居が高い、さわり、広言する、檄を飛ばす、・・・
どれもこれも、いつの間にか誤用されていたかと。

「性癖」も特に切っ掛けがあったわけではなく、Wikipedia のいう「21世紀初頭ごろから」も単に「近年になってから」という意味ではないかと。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

確かに言葉の「誤用」については
挙げればきりがないといってもいいのでしょうね。
私も教養のありそうな人がトンチンカンな言葉遣いをしている場面に出くわすといやな気分になってきたりもするのですが、
一方そんな私自身もきっとなにか気づかず同じように
変な言葉遣いをしていることもあるのではないかとも思っております。

およそ言葉の「誤用」というものは
過去いつの時代にもあったことのようで、
ことばの「正しい用い方」といわれているものも
さらにその前をたどれば誤用であったということも
あるかもしれません。

一方、観察するところによると
社会において流行語や言葉の「誤用」の発生は
ほぼ同時多発的におこっているようにみえるのですが、
それには社会の気分のようなものの変化が
背景にあるように思えるのです。

「性癖」という言葉については
その誤用が一気に広がったように私には感じられ
上記の点についてちょっと皆さんから参考になることが伺えないかと思ったしだいでした。

あらためて回答ありがとうございました。

お礼日時:2013/06/07 23:26

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