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- 回答日時:
そんなに詳しいわけではないのでおおざっぱな知識ですが……。
まず、プロレタリア文学の基礎にはマルクス主義思想があります。この思想では、プロレタリアートによる労働に最大の価値を置き、逆に労働しないプルジョワジー階級(地主・株主など)を否定します。また、文芸を含めたすべての芸術はこの経済思想のために奉仕しなければならないので(わたしはこのためにマルクス思想に対して否定的です)、労働の喜びを描き、ブルジョアの搾取を訴えます。
明治半ばの民権運動を経て大正年間に日本でもマルクス主義が普及し、文芸の世界でもプロレタリアのための文芸が必要だという声が高まってプロレタリア文学が生まれました。マルクス主義を信奉する人間(当時は良心的な人間ならばマルクス主義を肯定するのは当然でした)にとっては、そういうわけでたいへん価値のある文学ジャンルと言えます。
内面性に関しては、創作そのものが目的ではなく、創作を通しての思想への貢献とアジテーションが目的だったため、趣味的な文芸遊びではなく思想に奉仕し社会に関与するというプライドを保てる喜びが大きかったでしょう。また大半が兼業作家だったので、日々の労働のストレスを吐き出す(読者は疑似体験としてストレス解消する)効果もあったんではないか、というのがわたしの邪推めいた考えです。
この回答へのお礼
お礼日時:2001/01/12 20:58
すいません、お礼をいうのを忘れていました。本当にすいません、お礼を言わないうちに年が明けてしまいました。nutsさんのお陰でプロレタリア文学について前より断然分かった気がします。マルクスの資本主義がそのように絡みあっていたのですね。無知な私は単にヨーロッパの文学の流れにのった当時の文学者たちの小説のことを言うのとばかり思っていました。(笑わないでくださいね)思い切って質問してよかったです。ありがとうございました。(*´‐`*)
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