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最初に書いておきますが、ETFでF-15Eストライクイーグルに負けた件ではありません。

『世界の軍用機1983』(航空ジャーナル社・1982年12月)の「ジェネラルダイナミックス F-16XL」の解説には、「F-16の量産後期型を、この発達型XLに生産転換することを(GD社は・引用者補足)望んでいるとみられる。空軍もこの開発計画を支持しているようで、F-16のFSDを2機とエンジンを貸与し、すでにF-16Eの名も割りあてているという」とあります。

ETFはF-15Eストライクイーグルが採用と決まった後の『ホビージャパン』84年12月号にも、「F-16E(XL)は極めて高性能の機体であり、その空戦/対地攻撃能力は現在のF-16Cに勝るものを持っているので、F-16シリーズの後期量産型はこの型になるだろう」と書かれています。

しかしその後、F-16はC型のまま改良が繰り返され、E型の名称は対アラブ輸出仕様に割り当てられてしまいました。

ふつうに考えれば、コスト面の問題だと推察されるのですが、『世界の軍用機1983』には、「F-16とはずいぶん違って見えるが、実際には構造、システムの共通性は90%もあり、F-16自体がモジュラー方式とFBW操縦方式を持っているので、開発も生産転換も極めて容易だという」ともあります。これを読む限り、
半ば決定していた量産化が覆されるほどに高コストとは思われません。

また、後にNASAのもとで10年以上も実験機として用いられたのですから、それ相応のポテンシャルを持つ機体だと思われます。

にも関わらず、F-16XL(F-16E)の採用は見送られ、C型の改良で十分と判断されたのはいつ頃、なぜなのでしょうか。

A 回答 (1件)

Wikipediaの記述によると、



>当時はカーボン材の技術が現在の様に発展しておらず、難加工性や製造コストの高さから量産時の機体コストがF-15E(こちらは機体全体にチタン合金を使っている)よりも大幅に掛かる事もネックとなった。

とあり、やはりコスト増が一番のネックだったと思われます。
いくら90%構造が同じであっても、残り10%の異なる部分で大幅にコストアップし、F-15Eより高価でありながら、空戦能力や搭載能力も劣ったとのことで、高価なのにF-15Eに総合的に劣るF-16XLを量産するという事にはならないでしょう。

NASAが10年間実験機として保有したのは、もちろんそのポテンシャルを確かめるためですが、NASAはあくまで研究のための保有であり、量産のための研究ではありません。
このような異型デルタ翼の飛行特性を研究するためのもので、それが今後の機体開発に貢献することはあっても、そのまま量産として採用は難しかったのでしょう。

異型デルタ翼は、低速域での機体安定性が向上するメリットもある反面、機体の重量増、高速域での慣性モーメント増大による機動性低下といったデメリットも有るようで、すべての面で従来のF-16より優れたとは言いがたかったのではないでしょうか。

どんなに一部の性能が向上しても、デメリットが存在し、価格も上がると、せっかくのF-16の低コストで軽快な機体、というメリットが失われてしまっては、ユーザーにとっても良いことではありません。

ということで、F-15E採用決定時点で、メーカーによるテストは終了、この時点で量産はあり得ないわけで、そのままC型は今までどおり量産されたと考えるのが適当ではないかと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2013/05/16 11:04

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